病院で行う血液検査は、治療方針を立る上で重要な検査の1つです。

病院で行う血液検査項目の基準値一覧

病院で行われる血液検査は、年に一回行われる血液検査や献血時の事前検査で行う血液検査と異なり、ある疾患を発見する、治療経過を観察するといった様々な目的を持って行われます。現在、血液検査の種類は2000種類以上あります。通常よく使う検査の項目も数百あり、一回の採血で色々な検査がする事ができるようになりました。ここのページでは、病院の検査で行う主要な検査項目と異常値が出た場合の考えられる原因についてまとめてみました。

貧血・多血検査 炎症検査 腎機能検査
尿酸検査 電解質検査 肝機能検査
膵臓機能検査 脂質代謝検査 糖代謝検査

分類別血液検査項目の基準値一覧

病院で行う血液検査項目と正常値を一覧にしてあります。また、対象別に区分けにてまとめておりますので、目的の検査項目をご覧ください。検査名称をクリックするとさらに詳しい情報が表示し、見ることができます。健康管理される資料として役に立てて頂ければ幸いです。

血液検査 「貧血・多血検査」

 この血液検査は、貧血をはじめ、赤血球増多少で知られる、多血症などの疾患を調べるために実施されます。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
血清鉄 Fe 男54-181
女43-172
μ/dl 血液中に含まれる鉄です.鉄欠乏性貧血や出血,感染症などで減少し,頻回な輸血などで鉄過剰となります.
不飽和鉄結合能 UIBC 男153-309
女140-285
μ/dl 血清鉄と同時に測定して,貧血や各種の鉄代謝異常をきたす疾患の鑑別診断を行います.
ヘモグロビン濃度
(血色素濃度)
Hb 男13.3~17.4
女11.2~14.9
g/dL ヘモグロビン(血色素)は赤血球中の主成分で酸素の運搬を担うタンパク質の量.これらが基準範囲より少ない場合は貧血,多ければ多血症と診断します.
ヘマトクリット値
Ht 男40.2-51.5
女33.6-44.6
% ヘマトクリットは血液中に占める赤血球の全容積の割合です.これらが基準範囲より少ない場合は貧血,多ければ多血症と診断します.
赤血球沈殿速度 血沈 男1- 7
女3-11
mm 貧血や,血漿蛋白(免疫グロブリンやフィブリノゲンなど)が増えるとき上昇します.炎症の重症度などがわかります.

血液検査 「炎症検査」

 この血液検査は、体内の様々な炎症反応を見極める上で重要な検査です。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
クレアチンフォスフォキナーゼMB CKMB 3.6以下 mg/dl 心筋や骨格筋に含まれる酵素で,心筋梗塞や,筋肉の障害があると上昇します.
C-反応性蛋白 CRP 0.1以下 mg/dl 急性炎症あるいは組織崩壊性病変で増加する蛋白の一つです.炎症性病巣の存在や病変の活動性,障害程度を鋭敏に反映する代表的な炎症マーカーです.病気を特定することはできません.
白血球数 WBC 男4.1-6.1
女3.9-6.3
10^3/μ 白血球は病原微生物などから体を防御するための免疫機構の主役となる血球です.炎症や感染症などの時に増加します
赤血球沈殿速度 血沈 男1- 7
女3-11
mm 貧血や,血漿蛋白(免疫グロブリンやフィブリノゲンなど)が増えるとき上昇します.炎症の重症度などがわかります.

血液検査 「腎機能検査」

 この血液検査は、腎臓機能の機能を量るための検査です。尿の色が薄いピンクや赤、茶褐色の血尿、尿が泡立って泡がなかなか消えない(タンパク尿)ときは受診しましょう。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
尿素窒素 BUN 8-22 mg/dl 尿素窒素・クレアチニンは,ともに体で使われた物質の老廃物で,普段は腎臓からろ過され排泄されています.これらは,腎臓機能評価の時に検査され,腎機能が悪化し,排泄されなくなると上昇してきます.
クレアチニン CRE 男0.6-1.1
女0.4-0.7
mg/dl 尿素窒素・クレアチニンは,ともに体で使われた物質の老廃物で,普段は腎臓からろ過され排泄されています.これらは,腎臓機能評価の時に検査され,腎機能が悪化し,排泄されなくなると上昇してきます.
クレアチニンクリアランス Ccr 男90~120
女80~110
ml/分 腎臓の糸球体が、一分間にどれだけの血液を濾過 しているかを調べる検査です。

血液検査 「尿酸検査」

 この検査はおもに痛風の診断をするため、血液中の尿酸値を測定する検査です。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
尿酸 UA 男3.6-7.0
女2.3-7.0
mg/dl 核酸構成成分のプリン体が分解されてできた老廃物です.痛風や腎臓病,生活習慣病などの検査のため測定しま

血液検査 「電解質検査」

 この血液検査で、異常値が出た際は、腎機能、ホルモンバランスの問題がある可能性があります。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
ナトリウム Na 138-146 mEq/l 主に食塩の形で摂取され,浸透圧の調節などをしている電解質です.体液水分量の平衡状態を推測できます 
カリウム K 3.6-4.9 mEq/l 神経の興奮や,からだや心臓の筋肉の働きを助け,生命活動の維持調節に重要な電解質です.
カルシウム Ca 8.7-10.3 mg/dl カルシウムとリンは密接な関連があり,骨ミネラルの重要な構成成分です.代謝異常で値が変化します.
無機リン IP 2.5-4.7 mg/dl カルシウムとリンは密接な関連があり,骨ミネラルの重要な構成成分です.代謝異常で値が変化します.
クロール Cl 98~108 mEq/l 高値は、脱水症や過換気症候群、腎不全などの疑いがあります。
低値は、嘔吐、下痢や肺気腫、肺炎、腎障害などの疑いがあります。

血液検査 「肝機能検査」

 この血液検査は、肝臓の機能を調べる検査です。肝臓はトラブルを抱えても、自覚症状が現れにくいため、「沈黙の臓器」といわれています。そのかわり、症状が出てきたときには、かなり深刻という警告です。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
総ビリルビン T-Bill 03-1.2 mg/dl 黄疸(おうだん)の程度を測定します.肝臓や胆道に異常があると増加します.(赤血球が壊れて出てきたヘモグロビンが変化してできるものが間接ビリルビンで,それが肝臓で処理され直接ビリルビンに変化します.)
アルカリフォスファターゼ ALP 115-359 IU/l 肝臓,胆道,骨,胎盤,小腸にある酵素で,これらの障害により上昇します.
AST(GOT) AST(GOT) 13-33 IU/l ASTやALTは,炎症などによって体の細胞が壊れると血中に流出するため,増え方で障害の程度がわかります.AST(GOT)は,肝臓だけでなく,筋肉・赤血球にも含まれ,ALT(GPT)は主に肝臓に含まれている酵素です.
ALT(GPT) ALT(GPT) 男8-42
女6-27
IU/l  ASTやALTは,炎症などによって体の細胞が壊れると血中に流出するため,増え方で障害の程度がわかります.AST(GOT)は,肝臓だけでなく,筋肉・赤血球にも含まれ,ALT(GPT)は主に肝臓に含まれている酵素です.
乳酸脱水素酵素 LDH 119-229 IU/l 体内の多くの細胞に存在する酵素で,細胞が壊れると血中に流出し,壊れる細胞が多いほど上昇します.
γ-GT(γ-GTP) γ-GT
(γ-GTP)
10-47 IU/l  胆汁の流れ(肝~胆道~腸)に障害を生じると増加します.また,アルコール多飲により増加します

血液検査 「膵臓機能検査」

 おもに膵臓と唾液腺から分泌され、膵臓の病気などを発見したり、経過を関さすつするための指標として用いられています。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
血清アミラーゼ゙ 血清-AMY 42-132 IU/l 膵臓や唾液腺で作られる酵素です.主として,膵臓の炎症,膵管の異常などの膵疾患の診断に重要です. 
リパーゼ LIPA 7~60 IU/l 脂肪を分解する消化酵素。 胃液にも存在しますが、血中のほとんどが膵臓由来です。膵臓の疾患があると増加します。
トリプシン trypsin 100~550 ng/dL トリプシンの測定は膵臓の炎症、腫瘍、膵管の閉塞、膵臓外分泌残存機能などの指標となり、膵臓疾患の診断、経過観察などに利用されます。
膵ホスホリパーゼA2 膵PLA2 130~400 ng/dL 膵ホスホリパーゼA2は、血中膵酵素のうちでも特異性の高い膵マーカーとして膵疾患の診断や経過観察に有用な指標として使われます。
膵分泌性トリプシン
インヒビター
PSTI 20.0以下 ng/dL 重症膵炎、膵癌や各種悪性腫瘍で高値となり、感染やDICを伴うケースでは顕著となります。
(腎不全でも高確率で高値となるため、腎不全の有無を勘案する必要があります。)

血液検査 「脂質代謝検査」

 血液中の脂質であるコレステロール値や中性脂肪値を調べて、脂質異常症(ししついじょうしょう)(高脂血症)をみつけます。脂質異常症は、動脈硬化(どうみゃくこうか)の一因となり、ほうっておくと狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳梗塞や脳出血などの重大な病気を引き起こします。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
総コレステロール TC 128-219 mg/dl 細胞膜の構成やホルモン生成に不可欠ですが,過多は動脈硬化や心筋梗塞など危険因子です.
HDLコレステロール HDL-C 40-96 mg/dl いわゆる「善玉コレステロール」で,血管の壁などに余分に蓄積されたコレステロールを回収する働きがあります.
LDLコレステロール LDL-C 139以下 mg/dl いわゆる「悪玉コレステロール」で,動脈硬化症の原因となります
中性脂肪酸 TG 30-149 mg/dl 血液中の脂肪の一種で,基準範囲を超えると動脈硬化や心臓病,脳卒中のリスクが高まることが知られています.

血液検査 「糖代謝検査」

 この血液検査は、糖尿病を発見したり、経過観察するために行われる検査です。毎年の健康診断で、たとえ正常値であっても、昨年に比較して大きく変化した場合は、病院で検査を受けましょう。
生化学血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
ヘモグロビンA1c HbA1c 4.0-5.6 HbA1cはヘモグロビンと糖,グリコアルブミンはアルブミンと糖が結合したものです.血糖値及び高血糖の持続期間によって変化し平均血糖値を反映します.糖尿病の治療で血糖コントロールの指標の一つです.
インスリン IRI 1.7~10.4 μU/ml インスリンは、糖代謝ならびにアミノ酸、脂質代謝などに関与する膵由来のホルモン。糖尿病の診断・病態把握、膵機能の診断に有用です。
空腹時血糖 FBS 70~109 mg/dl 血糖値(けっとうち)は、血液内ブドウ糖(グルコース)の濃度である。ブドウ糖は生命を維持する為に必要なエネルギー源であり、健常者の血液中には食後2時間後に200mg/dl程度まで上昇し、80-100mg/dl程度を維持する。血糖値を下げるインスリン、血糖値をあげるグルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンといったホルモンがある。
C-ペプチド CPR 0.6~2.5 ng/ml C-ペプチドを測定すると、インスリンがどの程度膵臓から分泌されているのかが把握できます。

血液検査結果の基準値一覧を見られる方へ

このページでは、主要項目と標準的な基準値をまとめてあります。あくまでも一般的な基準値であり疾患や症状によっては、体に異常があっても基準値内に収まる場合、逆に正常でも異常値が出る場合もあります。その様な時は、医師による相談し適切な処置が受けるようにしてください。