血中IAPは腫瘍マーカーとして広範囲の腫瘍で高値となります。

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)|腫瘍マーカー

IAPはα1酸性糖蛋白のひとつで、主にマクロファージで産生され宿主の免疫能を抑制する作用を持っている。
血中IAPは腫瘍マーカーとして広範囲の腫瘍で高値となるが、炎症性疾患や免疫能の低下でも測定値の上昇を示すため癌との鑑別が必要である。

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
  serum carboxyterminal telopeptide of type I collagen ICTP 4.5未満 ng/ml

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)検査の目的

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)腫瘍マーカー・がんの血液検査は、骨基質の分解産物で骨吸収量を反映する指標。癌の骨転移の有無や治療効果の判定に有用。

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)で何を調べている

Ⅰ型コラーゲン-C-テロペプチド(ⅠCTP)は、骨基質の主要構成蛋白であるⅠ型コラーゲンの分解産物である。 骨のⅠ型コラーゲン分子間は両端のテロペプチド領域を中心に、ピリジノリンあるいはデオキシピリジノリンと呼ばれる物質を介して安定な架橋構造を形成している。骨吸収により分解生成し、血中に放出されるⅠ型コラーゲンの架橋構造部分を含めた「Ⅰ型コラーゲンのC-末端側ペプチド断片」がⅠCTPである。したがって、血中ⅠCTP濃度は骨組織における骨吸収量を反映する指標と考えられる。骨吸収状態の評価は、特に骨量減少をきたす種々の代謝性骨疾患の病態把握に重要であり、実際、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、胃切除例、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症などの疾患に血中ⅠCTPの上昇が報告されている。ただし、血中ⅠCTP値は腎機能の影響を受け「GFR<50mL/min.」で高値化するため、判定に注意を要する。また、前立腺癌をはじめとする悪性腫瘍患者の血中ⅠCTP濃度は、骨転移を有する症例で高率に異常高値を示すことが知られており、骨転移の有無の診断や治療効果の判定に有用である。

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)でわかる病気

ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 癌の骨転移(乳癌、肺癌、前立腺癌)、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、胃切除例、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症、慢性腎不全
基準値より低値
【備考】

血中ⅠCTP値に著明な年齢差・性差は認められず、同じⅠ型コラーゲンのN-末端側代謝産物であるNTx(Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド)が骨吸収亢進を呈する閉経後女性で高値となる点と異なる。したがって、骨粗鬆症の生化学的マーカーには適さない。

【関連項目】
Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx)、骨塩定量(DIP)、オステオカルシン(BGP) 〈血清〉、デオキシピリジノリン(Dpyr)[骨粗鬆症]