健康診断で行われる血液検査は、血液の内容を調べ隠れている疾患などを特定する臨床検査項目のひとつです。

健康診断の血液検査でわかること

 健康診断で行われる血液検査は、血液の内容を調べ隠れている疾患などを特定する臨床検査項目のひとつです。血液は私たちの身体のすみずみまで巡っていますので、血液検査で血液中に含まれている成分を分析することで、全身の組織や臓器の状態がわかり、健康診断の血液検査は、身体に隠れている様々な問題(未病や隠れ持った病気)などを発見することができます。

健康診断の血液検査でわかることは限られています。

私たちが、健康診断で知ることができる情報は極限られた事だけです。しかし、そこに少しでも異常値や大きな変化が見られた時には、病院での更に詳しい精密検査が必要となります。健康診断は、病気を見つけるのではなく、身体の変化を気付くためです。病気により体調が変化し、それから病院いっても既に病気が進行しているケースが多々あります。早期に発見して早期に治療すれば治る病気はたくさんあります。そのために、健康診断の結果を見て異常値や大きな変化が見つかった方は、必ず病院で検査を受けるようにしましょう。

血液は全身の写し鏡。だから血液検査は特に重要です

 例えば、臓器が障害を受けて細胞が破壊されたとき、血液中や尿中に、その臓器特有の物質が流失します。血液検査でその物質を分析し、健常時(基準値or正常値)と比較することで、栄養状態をはじめ肝臓病、腎臓病、糖尿病、高血圧、心臓病、高尿酸血症などの診断や治療効果の確認などに用いられます。 血液検査の項目は多数あり、ひとつの検査項目だけで判断することはせず、各検査項目の特性を理解し、血液検査以外の各種検査を含め総合的に判断します。

血液検査は、私たちの健康状態を知る為には、非常に有効な手段の1つであります。しかし、必ずしも全ての異常が血液検査に現れるものではなく、定期的な健康診断に参加をしたり、自覚症状がある場合には、医師に相談をし必要な血液検査を実施する事が非常に重要であります。わずかな自覚症状を放置し進行する疾患もありますので、日頃から健康管理に心がける様しましょう。

健康診断の血液検査一覧

血液検査項目 血液検査基準値 備 考
血液検査結果からわかること

血液検査 表示項目 項目名 数値 単位
肥満度 BMI
B:Body
M:Mass
I:Index
BMI値 肥満度
17.6以下 やせすぎ
19.8以下 やせ気味
22 理想体重
24.2以上 過体重
26.4以上 肥満
肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
血圧 140~100/
90~60
mmHg 脳卒中や心筋梗塞などの原因となる高血圧や、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 





T-Cho 総コレステロール 140~219 mg/dl 数値が高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発してしまう。脂や脂肪分を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています。
HDL-C

HDLコレステロール

男40~86
女40~96
mg/dl 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発してしまいます。 
LDL-C LDLコレステロール 70~139  mg/dl 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。
中性脂肪 トリグラセライド、TG 30~149 mg/dl 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化や脂肪肝の原因になります。 



赤血球数 RBC 男427~570
女376~500
×104/μl 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。
ヘモグロビン 血色素量Hb 男13.3~17.4
女11.2~14.9
g/dl 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。
ヘマトクリット Ht 男37~48
女32~42
血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。
白血球数 WBC 男3900~9800
女3500~9100
/μl 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病、がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。


尿

尿たんぱく (-) 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。
尿潜血 (-) 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。
血液 クレアチニン CRTN 0.3~1.1 mg/dl 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。
痛風
検査
尿酸 UA 男3.7~7.0
女2.5~7.0
mg/dl 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 




ZTT 硫酸亜鉛混濁試験 2.0~12.0 クンケル、U 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎や肝硬変が疑われます。
血清酵素 GOT ASTともいうトランスアミナーゼ 10~40 IU/l GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎や脂肪肝、肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
GPT ALTともいうトランスアミナーゼ 5~40 IU/l
γーGTP γーグルタミール・トランスペプチターゼ 50未満 IU/l アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。 
ALP アルカリフォスファターゼ 80~260 IU/l 肝臓、骨、腸、腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。
総たんぱく TP 6.5~8.2 g/dl 血清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎や肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。
総ビリルビン T.Bill 0.3~1.2 mg/dl ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。

尿
尿糖 (-) 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎、甲状腺の機能障害などの疑いがあります。
空腹時血糖 FBSまたはFBG 70~109 mg/dl 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 
HbA1c ヘモグロビンA1c 4.3~5.8 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。
便潜血反応 免疫学的
ヒトヘモグロビン
検出法
(-) 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。

目的別の血液検査項目の一覧について

現在、血液検査は、約2000種類を超えており、その目的によって実施する血液検査を実施する項目は異なります。目的にあわせて血液検査を説明しております。下のリンク先から様々な血液検査の種類と基準値および異常値に疑われる疾患を知る事ができます。

 ・ 病院の血液検査項目と基準値
 ・ ガン患者の血液検査項目と基準値

献血を行った場合の血液検査項目と基準値はこちらから

 献血を行った場合の血液検査項目内容と検査結果の基準値はここからクリック!

献血をされる方にお願い。冬場は献血に協力する方が減少し、献血用の血液が足りなくなる事があります。事故や手術など不測の事態に対し献血用の血液は、ある程度確保したいと赤十字社では頑張ってキャンペーンをしています。安定的な確保の為、みなさまのご協力よろしくお願いします。但し、エイズなどの病気に罹っている、疑いがある方による、血液検査目的の献血は禁止されております。エイズ検査を目的としている方は、保健所や病院で相談してください。