HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、1~2ヶ月間の血糖値の変動を測る検査です。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)

HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、1~2ヶ月間の血糖値の変動を測る検査です。通常の血糖値の検査では、直前の食事をなどの影響を受けやすいいですが、1~2ヶ月前の血糖値の状態を知ることができます。最近の糖尿病や肥満などの指導では血糖値よりHbA1c(ヘモグロビンA1c)で診断や指導する事が多いです。糖尿病の診断は、血糖値の検査の他に尿糖の有無、自覚症状(多尿、多飲など)の有無などで行われます。ところが、糖尿病患者のタイプによっては、血糖値の検査の他に尿にも糖分が含まれていないが、食後に異常に血糖値が上がるという糖尿病もあります。 HbA1c(ヘモグロビンA1c)検査では、このような見過ごされやすい状態の糖尿病を診断することが可能です。また、血糖値はそのときの食事内容、体調、ストレスなどによって変化しやすい、不安定な値です。一方、HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖値の変動の平均を表しています。したがって、糖尿病治療には、 HbA1c(ヘモグロビンA1c)の値を下げることを目標とするほうがよいとされています。

糖尿病について糖尿病の専門ページがあります。血糖値の高い方は参照してください。


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ヘモグロビンA1c(HbA1c)の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
ヘモグロビンA1c HbA1c 4.3~5.8

ヘモグロビンA1c(HbA1c)検査の目的

HbA1cは,ヘモグロビンAのβ鎖N末端のバリンにグルコースが非酵素的にシッフ塩基結合してアルジミンとなり,さらにアマドリ転移を受けてケトアミン化合物となったものである。この中間物質であるアルジミンは、可逆性の為、不安定型A1cである。最終物質のケトアミンは、不可逆性の為安定型A1cと呼ばれる。反応の全過程は血糖値に依存性があるため高血糖の程度に応じて生成物は増加する。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何か?

HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは、別名糖化ヘモグロビンともいいます。簡単に言えば、ヘモグロビンにブドウ糖がくっついたものです。 血液に含まれる赤血球のヘモグロビンは、血液中の酸素を運ぶ赤血球に含まれる色素です。このヘモグロビンは、血液中のブドウ糖とくっつきやすく一度くっつくと離れない性質があります。HbA1c(ヘモグロビンA1c)検査は、このヘモグロビンの性質を検査に応用したのです。血液中の糖分が高い状態があれば、その時のヘモグロビンには多くのブドウ糖がヘモグロビンが含まれています。この性質を利用したHbA1c(ヘモグロビンA1c)検査する事で血液の状態がわかる仕組みです。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)をもっと詳しく説明すると

成人の血中ヘモグロビンの組成は、約90%がヘモグロビンA0(α鎖2本とβ鎖2本からなる成人型ヘモグロビン)、約7%がヘモグロビンA1(ヘモグロビンA0のβ鎖にグルコースやリン酸化糖などが結合したもの)、約2%がヘモグロビンA2(α鎖2本とδ鎖2本)、約0.5%がヘモグロビンF(α鎖2本とγ鎖2本からなる胎児型ヘモグロビン)である。 このうちヘHbA1cは、β鎖に結合した糖の種類によってさらにA1a1、A1a、A1b、A1cなどに分画されるが、最も多いものがA1c分画であり、総ヘモグロビンの約4%を占める。ヘモグロビンへのグルコースの結合は、ヘモグロビンのアミノ基の窒素が持つ非共有電子対がグルコースのアルデヒド基の炭素を求核攻撃することにより進行する。このうち、成人のヘモグロビン(ヘモグロビンA)におけるβ鎖N末端のバリンとグルコースが結合したものがヘHbA1c(ヘモグロビンA1c)であり、安定で糖化ヘモグロビンの中でも大きな割合を占めるため、糖化ヘモグロビンの指標として用いられる。 また、この反応は非酵素的におこるため、HbA1c(ヘモグロビンA1c)のヘモグロビンに対する割合は血中グルコース濃度(血糖値)に依存し、糖尿病治療における血糖コントロールの指標として用いられる。ヘモグロビンの生体内における平均寿命は約120日であり、HbA1c(ヘモグロビンA1c)のヘモグロビンに対する割合は、過去1ヶ月?2ヶ月の血糖値の指標となる。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)の検査結果からわかる病気

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 糖尿病
基準値より低値 溶血性貧血
【備考】

HbA1c(ヘモグロビンA1c)検査値は、国際基準であるNGSP値を2012年4月より使用されるようになり、従来使用されていたJDS値より0.4%高い数値が表示されることになりました。

【関連項目】 
空腹時血糖ヘモグロビンA1 cインスリンC-ペプチド

HbA1c(ヘモグロビンA1c)検査値が高いと疑われる疾患

糖尿病

血糖値が糖尿病型の場合、HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5%以上か、糖尿病の典型的症状(多飲、多尿、口渇、体重減少)か糖尿病性網膜症があれば、糖尿病と診断されます。しかし、境界型や軽症糖尿病ではHbA1cが基準値内におさまる場合がありますので、この場合は、確定診断のためにブドウ糖負荷試験が必要となります。

腎不全

腎不全の場合にも、血液中の尿素窒素が上昇するにつれHbA1cの値が高くなります。したがって、血液中の尿素窒素値が高値になると、HbA1c(ヘモグロビンA1c)の値で血糖コントロールの目安にすることは不適当となります。

異常ヘモグロビン血症

糖尿病でも腎不全でもないのにHbA1c(ヘモグロビンA1c)が高値の人は、異常ヘモグロビン血症の可能性があります。また、逆に低値の場合にも病気の疑いがあります。低血糖になるインスリノーマ(膵島線種)や、赤血球の縦妙が短くなる溶血性貧血、悪性貧血、異常ヘモグロビンなどが考えられます。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)血液検査に異常があったら

HbA1c(ヘモグロビンA1c)の血液検査の結果が異常値が出たら1ヶ月以上の間隔をあけて、再検査を行ないます。糖尿病を治療中の人で高値の場合は、血糖コントロールが上手くいっていないということですから、食事療法を守るのはもちろん、適度な運動を行なう、飲酒量を控えるなど、生活スタイルから見直す必要があります。それでも血糖値が改善がみられない場合は、治療方針を見直す必要があるかもしれません。もし、高血糖値の状態を放置しますと悪化する事が多いので注意が必要です。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)血液検査結果が8.4%(NGSP値)以上

HbA1c値が8.4%(NGSP値)以上の状態を放っておくと、以下のような経過をたどる人がほとんどです。5年程度で、両足のしびれがはじまり、足の感覚が麻痺し、ひどいと痛みにかわります。7-10年程度で、視力が低下します。最悪の場合は失明します。レーザー光凝固手術で光があるかないかがわかる程度は保つことができます。国内で毎年3500名以上が糖尿病で失明しています。10-13年程度で腎不全となり人工透析が必要になります。糖尿病が原因で透析を始める人は国内で年間1万4000名以上です。ごくまれに透析をしないことを選択される人がいらっしゃいますが約2週間で死亡されます。糖尿病で透析が開始となるとその後の50%生存率は約4年です(約半数の方が4年で亡くなるということです)。統計的には10年以内にほとんどの方が亡くなります。(個人差があり長く生きられる人もなかにはいらっしゃいます)

HbA1c(ヘモグロビンA1c)血液検査結果が6.9~8.3%(NGSP値)

HbA1c値が6.9~8.3%(NGSP値)の状態を放っておくと、多くの人が数年以内にHbA1c値が8.4%以上となります。血糖値が高いほど糖尿病の悪化する確率は増えます。特にHbA1c値が7.4%以上の人は危険です。ちょっと食事を気をつけるなどで改善できるレベルではありません。また、6.9~8.3%でも合併症(神経障害、網膜症、腎症)は、HbA1c値が8.4%以上のときほどの速度ではありませんが)進みます。心筋梗塞、脳梗塞、足えそ、癌などの危険が血糖値が低い人より高いのは変わりません。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)血液検査結果が6.2~6.8%(NGSP値)

HbA1c値が6.2~6.8%(NGSP値)の状態を放っておくと、多くの人が数年以内にHbA1c値が6.9~8.3%となり、その後また多くの人が数年でHbA1c値が8.4%以上となります。膵臓のβ細胞がインスリンを出す力は年齢とともに落ちていき、糖尿病と診断された時点ですでに正常の半分以下に落ちていると考えられます。血糖値が高いほど膵臓は無理をしているためインスリンを出す力は加速度的に悪化していき、血糖値がどんどん上がってしまいます。また熱が出るなどの感染症で血糖値は急上昇することがあります。血糖値が高いほどインスリンが効きにくい状態となり次の高血糖を招くという”糖毒性”という悪循環に陥る場合があります。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)の新目標値と施行予定について|日本糖尿病学会

日本糖尿病学会では、関係諸団体とも協議の上、HbA1c(ヘモグロビンA1c)について平成25年4月1日以降、日常臨床等におけるNGSP値の単独表記を推進しています。また、糖尿病診療と予防の国内外におけるエビデンスや状況をふまえて、糖尿病治療におけるH目標値を改訂し、平成25年6月1日より施行する予定としています。今回の改訂によって、H糖尿病診療における意味や意義について、患者さんや医療従事者にはさらなる周知・普及を図りたいと考えています。これらの内容に関するお知らせと、平成25年4月1日以降、特定健診・特定保健指導においてNGSP値が使用されることについて、下記対象者に向けたポスター/リーフレット/チラシを作成しましたので、周知にお役立て下さい。なお、詳細については、第56回日本糖尿病学会年次学術集会や、近日中に発刊予定の、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」および「糖尿病治療ガイド2012-2013(改訂版):仮称」でも解説する予定です。

  

その他の健康診断の検査一覧

血液検査項目 血液検査結果からわかること
肥満度 肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
血圧 脳卒中や心筋梗塞などの原因となる高血圧や、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 





T-Cho 数値が高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発してしまう。脂や脂肪分を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています。
HDL-C 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発してしまいます。 
LDL-C 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。
中性脂肪 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化や脂肪肝の原因になります。 



赤血球数 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。
ヘモグロビン 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。
ヘマトクリット 血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。
白血球数 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病、がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。


尿

尿たんぱく 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。
尿潜血 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。
血液 クレアチニン 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。
痛風
検査
尿酸 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 




ZTT 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎や肝硬変が疑われます。
血清酵素 GOT GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎や脂肪肝、肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
GPT
γーGTP アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。 
ALP 肝臓、骨、腸、腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。
総たんぱく 血清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎や肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。
総ビリルビン ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。

尿
尿糖 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎、甲状腺の機能障害などの疑いがあります。
空腹時血糖 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 
HbA1c 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。
便潜血反応 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。

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