尿中塩基性フェトプロテイン(BFP)は尿路系がん(膀胱癌、尿道癌、尿管癌)などの腫瘍に高値を示します。

尿中BFP|腫瘍マーカー(がん血液検査)

BFPは塩基性フェトプロテインといい癌胎児性蛋白のひとつで、広範囲の悪性腫瘍に対するマーカーです。血中BFPは消化器、泌尿・生殖器、及び肺小細胞癌などの腫瘍に高値を示すが、特異性が低いために肝炎や肝硬変、子宮疾患、前立腺疾患などの良性疾患でも疑陽性になる。また、尿中BFPは尿路系腫瘍の腫瘍マーカーとしても有用です。

尿中BFP(塩基性フェトプロテイン)の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
尿中塩基性フェトプロテイン 尿中BFP 10以下 ng/mL

尿中BFP(塩基性フェトプロテイン)検査の目的

尿中BFPの測定は、尿路上皮癌、とりわけ膀胱癌に特異性の高い腫瘍マ-カ-として、早期発見、治療経過観察に有用である。

尿中BFP(塩基性フェトプロテイン)で何を調べている

 塩基性フェトプロテイン(BFP)は、1974年石井により見出された塩基性の癌関連胎児性蛋白である。 血清中BFPは、CEA(癌胎児性抗原)と同様に「broad-spectrum」な(臓器特異性の低い)腫瘍マーカーとしてすでに広く用いられているが、他方で尿中BFPが尿路上皮癌、とりわけ膀胱癌の有用なマーカーになることが明らかになってきた。実際、尿中に出現するBFPは血中から移行したものではなく尿路上皮細胞に由来することから、尿路系疾患に対して高い特異性を有すると考えられる。尿路上皮癌は、比較的頻度の高い疾患であるにも拘わらず、確立された生化学的マーカーに乏しい状態が続いていた。また尿細胞診も、膀胱癌の大多数を占める乳頭状癌における陽性率が極めて低いという難点が指摘されている。尿中BFPの測定は、これら検査法の限界を補う新たなマーカーとして膀胱癌のスクリーニング、および治療モニタリングに有用と期待されている。なお、BFPは白血球中にも存在し時間経過とともに放出されることから、採尿時、肉眼的に沈渣が認められる場合、一定時間静置後の上清部分を検体とする。

尿中BFP(塩基性フェトプロテイン)でわかる病気

尿中BFP検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 尿路系がん(膀胱癌、尿道癌、尿管癌)、膀胱炎
基準値より低値
【備考】

血中BFPは消化器、泌尿・生殖器、及び肺小細胞癌などの腫瘍に高値を示すが、特異性が低いために肝炎や肝硬変、子宮疾患、前立腺疾患などの良性疾患でも疑陽性になる。また、尿中BFPは尿路系腫瘍の腫瘍マーカーとしても有用です。

【関連項目】 
AFP(α-フェトプロテイン)CA 125DUPAN-2(膵がん関連糖蛋白抗原)CA 19-9癌胎児性抗原(CEA)組織ポリペプチド抗原(TPA)BFP(塩基性フェトプロテイン)