ホルモンの分泌状況を調べることにより、下垂体や甲状腺、副腎などの病気を把握できます。

血中ホルモン検査の種類

体の機能を調節したりするのに分泌される成分がホルモンですが、乱れた生活環境や疾患などで正常に分泌されなくなる事があります。インシュリンの分泌がおかしくなるものを糖尿病といい、甲状腺ホルモンの分泌がおかしくなるとバゼドウ病となります。血中に分泌されているホルモンの値を見てホルモンが正常に分泌しているかを診断しております。

血中ホルモン検査結果基準範囲

血液検査項目をクリックすると詳しい血液検査内容を見ることができます。

ホルモン血液検査項目 基準値(参考値)
備  考
ホルモン血液検査名称 略称 数値 単位
副腎皮質刺激ホルモン ACTH 7.2~63.3 pg/ml 高値
コルチゾールが高値を示す場合:下垂体性のクッシング症候群 コルチゾールが低値:アジソン病が疑われます。
低値
コルチゾールを示す場合:副腎腫瘍によるクッシング症候群。下垂体の機能低下や、副腎皮質ホルモン薬の大量服用においても低値をしめします。
コルチゾール COR 4.5~21.1 μg/dL ストレスに関与し、過度なストレスを受けると分泌量が増加します。その反応はとても敏感であるため、ストレスホルモンとも呼ばれています。
レニン活性 PRA 0.3~2.9 ng/ml/hr PRAは、その異常な亢進または抑制が二次性高血圧症の診断に有用です。高血圧以外の電解質代謝異常症の診断にも有用です。
アルドステロン ALD 随時
35.7~240
臥位
29.9~15
立位
38.9~307
pg/ml 原発性アルドステロン症などの高血圧性疾患、、浮腫疾患などの鑑別診断における重要な検査です。
甲状腺刺激ホルモン TSH 0.44~3.78 μIU/ml 高値
甲状腺ホルモンが低値または正常の場合は、原発性甲状腺機能低下症を、甲状腺ホルモンが高値の場合はTSH産生腫瘍や甲状腺ホルモン不応症を疑う。
低値
甲状腺ホルモンが低値の場合は二次性・三次性甲状腺機能低下症、高値の場合はバセドウ病などの甲状腺機能亢進症を疑う。
甲状腺ホルモン
FT3
FT4
FT3 2.30~4.30 pg/ml 甲状腺機能亢進症の治療による寛解例では、一般にFT3はFT4に遅れて正常化するといわれている。一方病態増悪時には逆になるためこれらの測定は病状把握に有用とされています。
FT4 0.70-1.48 ng/dl 高値の場合は、甲状腺機能亢進症か亢進を伴わない甲状腺中毒症を鑑別するためにヨード摂取率を検査が必要となります。TBG異常もチェックする必要があり、T4、あるいはT3、TBGも測定するのが望ましいとされています。
副甲状腺ホルモン PTH 160~520 pg/ml カルシウムおよびリン酸代謝に関与する各臓器の機能を検査する上で重要な指標です。
黄体形成ホルモン LH 成人男性 1.26-10.05
卵胞期 2.57-26.53
排卵期 18.06-90.23
黄体期 0.67-23.75
閉経期 1.09-92.45
mIU/ml 高値
性腺機能低下・不全症(卵巣、または精巣機能低下症、[Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など])
低値
下垂体機能低下・不全症(下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群)
卵包刺激ホルモン FSH 成人男性 1.37-13.58
卵胞期 3.35-21.63
排卵期 4.97-20.82
黄体期 1.11-13.99
閉経期 2.58-150.53
mIU/ml 高値
卵巣、または精巣機能低下症(Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など)
低値
下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群
インスリン IRI  1.7~10.4   μU/ml インスリンは、糖代謝ならびにアミノ酸、脂質代謝などに関与する膵由来のホルモン。糖尿病の診断・病態把握、膵機能の診断に有用です。