CSLEX(シアリルLex抗原)は、進行乳癌、再発乳癌において高い陽性率を示すことが報告されています。

DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)|腫瘍マーカー

シアリルSSEA-1抗原は癌胎児性の糖鎖抗原であり、血液型物質の一種でもある。血中シアリルSSEA-1抗原は肺癌、卵巣癌、膵臓癌をはじめとする各種の腺癌で高値を示す、特異性の高い腫瘍マーカーである。CSLEXは、進行乳癌、再発乳癌において高い陽性率を示すことが報告されています。特に、再発乳癌では再発部位にかかわらず高い陽性率を示し、CEA、CA15-3などと組み合わせることにより、陽性率が上昇するとされています。また病状の進行と一致して変動することが報告されていることから、本検査は、進行乳癌および再発乳癌の診断補助や治療効果判定の指標として有用と考えられます。

DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
膵癌関連糖蛋白抗原 DUPAN-2 150.0 以下 U/mL

DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)検査の目的

DUPAN-2腫瘍マーカー血液検査は膵癌、肝・胆道癌で高い陽性率をしめす一方で食道がんや胃がん、大腸がんなどの消化器がんでは陽性率が低いという特徴があります。また、血中DUPAN-2は、慢性膵炎や急性膵炎ではほとんどのケースでは、低値であるため、膵臓癌が疑われた場合に良性疾患との鑑別ならびに術後・治療後の経過観察に有用な指標となります。血中DUPAN-2の基準値150U/mlでは良性疾患においてはかなりの偽陽性が認められますが、400U/ml以上では悪性腫瘍の可能性が高まります。

DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)で何を調べている

DUPAN-2腫瘍マーカー血液検査は、Metzgarら(1982)が膵腺癌由来培養細胞を免疫原として作製したモノクローナル抗体により認識される分子量数百万の巨大糖蛋白で、シアル酸が抗原活性に関与する糖鎖抗原と考えられている。DUPAN-2抗原はヒト膵癌培養細胞HPAF-1を免疫抗原として作成したモノクローナル抗体が認識する抗原で,ムチン様糖白として体液中に微量ながら存在する。正常組織では,各種消化器管,膵管,胆管,気管などの上皮細胞に存在する。血清中では膵癌,胆道系癌,肝癌で高い陽性率を示し食道,胃,大腸などの消化器癌で陽性率が低い。また膵炎では急性・慢性を問わずほとんどが低値である。膵癌、肝・胆道癌にはとりわけ高い陽性率を示し、これら悪性疾患の診断補助ならびに術後・治療後の経過観察に有用な指標となる。なお、DUPAN-2の健常者cut-off値として一般に 150U/mLが用いられているが、良性疾患においてはかなりの偽陽性が認められる。癌特異性を考慮する場合には400U/mLをより高次のcut-off値として利用することが望ましい。DUPAN-2とその他の腫瘍マーカーとは側立値に相関が認められないため,CA19-9などとの組合せにより診断率が向上します。

DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)でわかる病気

DUPAN-2腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 膵癌、肝細胞癌、胆道癌、肝内胆管癌、大腸癌、慢性膵炎、慢性肝炎、肝硬変、胆石症、消化管潰瘍
基準値より低値
【備考】

DUPAN-2とその他の腫瘍マーカーとは側立値に相関が認められないため,CA19-9などとの組合せにより診断率が向上します。

【関連項目】
CA19-9SPan-1抗原、エラスターゼ1、シアリルLeX-i抗原(SLX)NCC-ST-439シアリルTn抗原(STN)