SPan-1抗原の腫瘍マーカー・がんの血液検査は、膵癌をはじめとする消化器癌の血清腫瘍マーカーです。

SPan-1抗原|腫瘍マーカー

SPan-1抗原の腫瘍マーカー・がんの血液検査は、膵癌をはじめとする消化器癌の血清腫瘍マーカーです。良性疾患での偽陽性率が低い。その強い分泌性から血中にも高率に出現する。より特異性の高い癌の診断、および術後・治療後の経過観察に有用な指標となる。

SPan-1抗原の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
s-pancreas-1 antigen SPan-1 30以下 U/mL

SPan-1抗原検査の目的

SPan-1抗原の腫瘍マーカー・がんの血液検査は、膵癌をはじめとする消化器癌の血清腫瘍マーカー。良性疾患での偽陽性率が低いといわれる。

SPan-1抗原で何を調べている

 SPan-1抗原は、鄭ら(1987)が培養膵癌細胞株を免疫原として作製したモノクローナル抗体により認識される腫瘍関連抗原である。そのエピトープは巨大分子ムチン様糖蛋白上にあり、抗原性がノイラミニダーゼ処理によって消失すること、熱やプロテアーゼ処理によっても保持されていることから、非還元末端にシアル酸を有する糖鎖と考えられている。いくつかの報告ではCA19-9と同じくsialosyl Leaをエピトープとする可能性が高いという。免疫組織化学的には、主に膵癌をはじめとする消化器癌に膜構成成分として本抗原が存在することが認められ、その強い分泌性から血中にも高率に出現する。SPan-1抗原の良性疾患による偽陽性率は極めて低く、さらに膵癌との鑑別に困難を伴う急性膵炎の偽陽性例も多くは軽度上昇に留まることから、より特異性の高い癌の診断、および術後・治療後の経過観察に有用な指標とされる

SPan-1抗原でわかる病気

SPan-1抗原腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 膵癌、肝細胞癌、胆道癌、肝内胆管癌、大腸癌、慢性膵炎
基準値より低値
【備考】

各種疾患における陽性率はCA-50と類似しており、良性肝疾患に対する偽陽性率はCA19-9よりも高い。慢性膵炎での偽陽性率は低い。

【関連項目】
CA19-9DUPAN-2、エラスターゼ1、シアリルLeX-i抗原(SLX)NCC-ST-439シアリルTn抗原(STN)