SP1(妊娠特異蛋白)検査は、乳がんや結腸癌等の非繊毛性腫瘍の腫瘍マーカーとして注目されています。

SP1(妊娠特異蛋白)|腫瘍マーカー

SP1(妊娠特異蛋白)検査は、乳がんや結腸癌等の非繊毛性腫瘍の腫瘍マーカーとして注目されています。このSP1(妊娠特異蛋白)検査は、異常妊娠や、絨毛性疾患(胞状奇胎,絨毛癌,侵入奇胎,絨毛存続症)において重要な検査として知られています。

SP1(妊娠特異蛋白)の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
妊娠特異蛋白 SP1 β1:7.0以下
α2:1.5以下
ng/mL

SP1(妊娠特異蛋白)検査の目的

SP1(妊娠特異蛋白)腫瘍マーカー検査は、乳がんや結腸癌をはじめとする非繊毛性腫瘍の腫瘍マーカーとして注目されています。そのほかに異常妊娠をはじめ絨毛性疾患(胞状奇胎,絨毛癌,侵入奇胎,絨毛存続症)において重要な検査として知られています。

SP1(妊娠特異蛋白)で何を調べている

SP1(妊娠特異蛋白)は、繊毛癌のにおいて70%の頻度で検出され、その患者の血清中でのSP1(妊娠特異蛋白)とhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の測定値は相関し,治療後の測定値は平行して変動します。繊毛癌と侵入奇胎の鑑別においてはSP1とhCGβとの比率をみることが有用である事が報告されています。
また、近年では、乳がんや結腸癌などの非繊毛性腫瘍によってもSP1が産生される事がわかっており腫瘍との関連性が認められつつあり、SP1(妊娠特異蛋白)の腫瘍マーカーとしても評価されつつあります。
繊毛癌とは、胎盤を構成する絨毛を発生母地とする悪性腫瘍をいいます。

SP1(妊娠特異蛋白)でわかる病気

SP1(妊娠特異蛋白)腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 悪性黒色腫、 肺癌、 胞状奇胎、 絨毛癌、
β1:胞状奇胎,絨毛癌
α2:肺癌,悪性黒色腫
基準値より低値 子宮内胎児発育遅延、 切迫流産、 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
β1:切迫流産,子宮内胎児発育遅延,妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
α2:切迫流産
【備考】

血清SP3は、肺癌や悪性黒色腫での腫瘍マーカーとして報告があり、乳癌の再発の早期発見、治療効果の判定に有用であるとの報告があります。

【関連項目】
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)