γ-セミノプロテイン(γ-Sm)の基準値
血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
γ-seminoprotein | γ-Sm | 4.00以下 | ng/mL |
γ-セミノプロテイン(γ-Sm)検査の目的
γ-Sm(γ-セミノプロテイン)腫瘍マーカー血液検査は、血中の遊離型PSAに相当する前立腺癌のマーカー。
γ-セミノプロテイン(γ-Sm)で何を調べている
γ-セミノプロテイン(γ-Sm)は、原ら(1966)が精漿より抽出した低分子量の糖蛋白で、電気泳動的にγ-グロブリン領域に泳動される。前立腺分泌液および前立腺上皮細胞の細胞質に局在する、前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)とは異なる特異抗原であることが明らかになっている。前立腺癌患者血中で進行度(ステージ)に並行して増加する一方、前立腺肥大症の一部を除く他疾患では上昇をみない。なお、γ-SmとWangらの「前立腺特異抗原(PSA)」は全く独立に報告された前立腺由来の糖蛋白であるが、そのアミノ酸一次構造決定によって両者は同一の物質であることが確認されている。ただし、γ-Smの測定系は、血中の「遊離型PSA」とのみ反応し、血漿蛋白と結合した「蛋白結合型(complexed)PSA」には反応しないことから、異なる他のキットとのデータ相関は必ずしも高くはない。
γ-セミノプロテイン(γ-Sm)でわかる病気
γ-Sm(γ-セミノプロテイン)腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 前立腺癌(病期が進むに従い高値をとり、陽性率も高い)、前立腺肥大、その他の泌尿器系腫瘍 |
基準値より低値 | |
【備考】 近年、本物質はPSA(PA)と同一物質と考えられている。 【関連項目】前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)、前立腺特異抗原(PSA)、遊離型PSA、PSA F/T比、PSA-ACT、総酸性フォスファターゼ(ACP)、前立腺酸性フォスファターゼ(PACP) |