C-ペプチド(CPR)血液検査
C-ペプチド(CPR)血液検査に必要な準備は、患者の年齢と検査する理由によって異なります。特に注意しなければいけないのは、C-ペプチド(CRP)検査前(6~12時間)に水を飲む以外、飲食は一切できません。 また、特定の薬剤の服用している場合、C-ペプチド(CRP)検査結果に影響が出る為に服用を中断しなければなりません。 詳しくは、医師が患者の健康状態を基に詳しく指示してくれます。 C-ペプチド(CRP)検査は医師や看護師が採取した血液サンプルを必要とします。 血液は一般的に腕または手の甲の静脈から採取します。 この処置はわずな不快感をともなうこともありますが、一時的なものです。 血液は試験管に採取され、分析するために検査室に送られます。 結果は数日以内にわかります。 検査結果とその意味について、医師から詳しい説明があるかと思いますが以下を参照してください。 血中C-ペプチド(CRP)の正常値は0.74~3.18 ng/mL (平成29年5月8日から)
C-ペプチド(CRP)の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
C-ペプチド | CPR | 0.74~3.18 | ng/ml |
基準値:空腹時血清:0.74~3.18 ng/mL (平成29年5月8日から)
空腹時血清:0.69~2.45 ng/mL (平成27年9月11日から)
C-ペプチド(CRP)の検査目的
C-ペプチド(CRP)は、インスリン前駆体である分子量3,617のプロインスリン構成成分です。膵β細胞内でインスリン部分とC-ペプチド(CRP)部分(アミノ 酸31個)に分離されて血中に放出される。一部が腎臓で代謝され尿中に排泄される。血中半減期は11分と短い。糖尿病患者が、インスリンによる投与治療を行っている場合、インスリン(IRI)検査では自身の膵β細胞内から分泌されたインスリン、投与されたインスリンの両方が測定されるため正確な数値を把握することはできません。インスリン抗体の影響を受けないC-ペプチド(CRP)が、内因性インスリン分泌の指標として利用されます。血中C-ペプチド(CRP)は、食事の影響を受けるので、尿中C-ペプチド(CRP)一日排泄量がより正確な内因性インスリン分泌の指標となります。腎臓で大部分が代謝排泄されるため、腎機能が低下しているケースでは、C-ペプチド(CPR)が高値となり、逆に尿中のC-ペプチド(CPR)は低値となります。血中C-ペプチド測定の意義は,ほぼ血中インスリン(IRI)値の場合と同じであるが,インスリン投与時,あるいは,インスリン抗体が存在する場合の膵 β細胞のインスリン分泌能評価に有用であり,尿中の排泄量は,血中C-ペプチド(CRP)と高い相 関を示し,インスリン投与やインスリン抗体または,プロインスリン の干渉を受け ずに測定できる。
C-ペプチド(CRP)検査結果からわかる病気
C-ペプチド(CRP) | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 腎不全、 Cushing症候群、 先端巨大症、 2型糖尿病、 甲状腺機能亢進症、 インスリノーマ、 インスリン自己免疫症候群、 肥満症 インスリノーマ,インスリン抵抗性因子(2型糖尿病の一部,先端巨大症,Cushing症候群),インスリン自己免疫症候群,肥満症,甲状腺機能亢進症,腎不全 |
基準値より低値 | 1型糖尿病、2型糖尿病の一部、膵疾患 |
【備考】 CPI=血中CPR÷血糖値×100 空腹時血糖、ヘモグロビンA1 c、インスリン、C-ペプチド |
C-ペプチド(CRP)の注意点
C-ペプチド(CRP)を測定することによって、インスリン分泌能を推測することができます。インスリン、C-ペプチド(CRP)は食事により増加し、日内変動があるため、24時間尿中C-ペプチド(CRP)を測定するとその日に作られたインスリンの総量がわかります。糖尿病患者ではインスリン分泌能の指標となり、24時間尿中CPRが20μg/日以下、または空腹時血中CPRが0.5ng/mL以下であれば、インスリン分泌が高度に低下した状態(インスリン依存状態)と考えられ、インスリン治療が必要とされます。糖尿病でインスリン治療を行っている患者では、自分の体でつくられたインスリン(内因性)だけでなく、注射したインスリン(外因性)も含めて測定されてしまいます。そこでC-ペプチド(CRP)を測定すれば、内因性インスリンのみを推定することができます。また、インスリン抗体陽性の患者ではインスリンが正しく測定できないため、C-ペプチド(CRP)を測定します。2型糖尿病患者において治療法を選択する上で、早朝空腹時のC-ペプチド(CRP)インデックス(CPI)が有用な指標として使用されています。CPI=血中C-ペプチド(CRP)÷血糖値×100CPIが1.2以上の場合、食事・経口薬治療で、0.8未満の場合、インスリン治療で良好な血糖コントロールが得られると報告されています。ただし、C-ペプチド(CRP)の大部分は腎において代謝・排泄されるため、腎機能障害では血中CPRが高値に、尿中C-ペプチド(CRP)が低値に傾くので注意を要します。また、24時間尿中C-ペプチド(CRP)排泄量では正確な蓄尿と、日差間のバラツキがあるため連続3日間の測定が重要です。
血糖調節メカニズム
インスリンの血糖降下作用は三つの経路
生命の維持に必要なブドウ糖は、ホルモンの分泌により適正範囲を維持している。これは血糖値を下げるインスリンと血糖を上げるグルカゴンの作用によって調節されています。食事により摂取した糖などの栄養素は胃で分解され腸で吸収され血液中に入り血糖値が上昇します。血糖値が上昇するとグルコースはGLUT2トランスポーターまたはGLUT1トランスポーターを通って膵臓のランゲルハンス島β細胞に流入し、グルコキナーゼの作用によりグルコースがグルコース6リン酸になると、細胞内にカルシウムイオンの流入が起こりインスリンが放出される。インスリンの血糖降下作用は三つの経路が知られています。
- インスリンは肝臓でのグリコーゲン合成を促進し、糖新生とグリコーゲン分解の双方を抑制する。
- インスリンは骨格筋と脂肪組織でのグルコース取り込みを促進する(グルコーストランスポーターの動員による)
- インスリンは膵α細胞に入って直接グルカゴンの産生を抑制する。
血糖値の上昇
血糖値が高くなったとき血糖値を下げる(調節)するホルモンはインスリンしかない。暴飲暴食など乱れたライフスタイルや遺伝性の疾患により血糖値を下げるメカニズムがコントロールできなくなったら大変な事である。また、逆に血糖値が低い状態が続くと生命を維持するのも危ぶまれる状況に陥りそうならない為に低血糖ならない為の仕組みがあります。
- 血糖値が約80mg/dLを下回ると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極端に低下する。
- 約65-70mg/dLに低下すると、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴン、アドレナリンが大量に放出され始める。
- 約60-65mg/dLに低下すると、三番目の血糖値を上げるホルモン、成長ホルモンが放出される。
- 最後に60mg/dLをきるようになると、最後の血糖値を上げるホルモン、コルチゾールの分泌が亢進する。