CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)は、肺の扁平上皮癌および腺癌の診断、経過観察に有用な血中腫瘍マーカーです。

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)|腫瘍マーカー

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)腫瘍マーカー・がんの血液検査は、肺がんのうち扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんなどの非小細胞がんで陽性率が高く、病気の診断、経過や治療成績の判定に役立ちます。なかでも扁平上皮がんでは早期から陽性になるため、その早期診断にも有効とされています。 

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
CYFRA: cytokeratin 19 fragment CYFRA 3.5 以下 U/mL

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)検査の目的

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)|腫瘍マーカー・がんの血液検査は、肺の扁平上皮癌および腺癌の診断、経過観察に有用な血中腫瘍マーカー。

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)で何を調べている

シフラ(cytokeratin 19 fragment; CYFRA)は、上皮細胞の中間径フィラメントの構成蛋白であるサイトケラチン分子種の一つであるサイトケラチン19の可溶性フラグメントの通称である。各種サイトケラチンには一定の細胞種特異性が存在する。このうちサイトケラチン19は広く上皮性細胞に分布し、肺の非小細胞癌、とりわけ扁平上皮癌や腺癌で多量に産生されることが知られている。癌患者においては、細胞内プロテアーゼの作用に基づくサイトケラチンの分解亢進により可溶性フラグメント(シフラ)の血清中濃度が増加すると考えられており、その測定は非小細胞肺癌の血清診断に有用である。また、各種婦人科癌でも高値を示すことが報告されている。血中濃度に対する喫煙の影響は認められないが、加齢に伴ってやや高値を呈する例が出現することには留意すべきである。なお、近年、臓器非特異的な腫瘍マーカーであるTPA(組織ポリペプチド抗原)もまたサイトケラチン関連物質であることが明らかになり、その測定系に用いられる抗体がサイトケラチン8、18および19と交差反応性を示すことが報告されている。すなわち、シフラとTPAの同時測定は意義が乏しく、避けるべきである。肺癌、とりわけ扁平上皮癌ではシフラの方が一般的になりつつある。

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)でわかる病気

CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 肺扁平上皮癌、肺腺癌、卵巣癌、子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌 など
基準値より低値
【備考】

卵巣癌や各種消化器癌で高値を示し、良性疾患で低値を示す事から、癌特異性が高く、卵巣癌や胃癌再発例の補助診断、経過観察に有用です。

【関連項目】
ガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP)SCC抗原神経特異エノラーゼ(NSE)