SCC抗原は、子宮頚部、肺、食道、頭頚部、尿路・性器、皮膚などの各扁平上皮癌で高値となる血清腫瘍マーカーです。

SCC抗原|腫瘍マーカー

SCC抗原とは、扁平上皮がんに対して陽性を示す率が高く、子宮頚管部や肺の扁平上皮がんを診断する指標として用いられています。また、腫瘍の進行度をよく反映するので、がんの治療効果や経過観察にも有用です。CEA、SLX、NSEなどのほかの腫瘍マーカーと併せて使用します。がん以外にもアトピー性皮膚炎や気管支炎、結核、腎不全などでも高値を示すことがあります。

SCC抗原の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
  squamous cell carcinoma antigen SCC 1.5 以下 ng/mL

SCC抗原検査の目的

SCC抗原 腫瘍マーカー血液検査は、子宮頚部、肺、食道、頭頚部、尿路・性器、皮膚などの各扁平上皮癌で高値となる血清腫瘍マーカー。

SCC抗原で何を調べている

SCC抗原は、子宮頚部扁平上皮癌の肝転移巣より分離・精製された腫瘍関連抗原で、1977年に加藤らが報告したTA-4と共通の抗原性を有する分子量45,000の蛋白である。等電点電気泳動においてSCC抗原は14の亜分画に分けられるが、正常扁平上皮細胞では主に中性分画のみであるのに対して癌細胞では酸性分画が増加するとされている。現在その測定に用いられているモノクローナル抗体は酸性分画により強く反応し、癌特異性が高いと考えられる。SCC抗原は子宮頚部、肺、食道、頭頚部、尿路・性器、皮膚などの各扁平上皮癌患者の血中に高頻度に検出されることが報告されており、それらの優れたマーカーとなる。

SCC抗原でわかる病気

SCC抗原腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 子宮頚癌、肺癌、食道癌、頭頚部癌、尿路・性器癌、皮膚癌などの扁平上皮癌
基準値より低値
【備考】

扁平上皮細胞の在る部位での良性疾患(上気道疾患,透析患者)でも血中SCC抗原値が上昇する可能性がある為注意を要する。

【関連項目】
シフラ(サイトケラチン19フラグメント)ガストリン放出ペプチド前駆体(Pro GRP)神経特異エノラーゼ(NSE)