CA15-3は乳がんマーカーとして利用されています。

CA15-3|腫瘍マーカー(がん血液検査)

CA15-3腫瘍マーカー検査は、乳がんの腫瘍マーカーの一つです。CA15-3は、乳腺以外のがんに対して反応しずらい特異的な性質を持ちCEAとともに乳がんで最もポピュラーなマーカーです。また、CA15-3は、がんの再発の目安とされます。CA15-3の正常範囲は25U/ml以下です。CA15-3は、乳がんなどに特異性があるため、乳がんのスクリーニング検査に用いられています。また、CA15-3は、初期の乳がんではほとんど陽性を示しませんが、転移性乳がんに陽性率が高く、手術後の経過観察に大変有用な腫瘍マーカーです。進行がんになるとCA15-3の陽性率は10%以上となり、再発例ではCA15-3の陽性率が40%以上となります。CA15-3の陽性率は、その再発部位により異なり、リンパ節や骨への転移では約30%であるのに対して、肝臓などの内臓転移では75%と高率に陽性となります。そのほかCA15-3は、卵巣がんや肺がん、前立腺がんでも測定値は上昇します。がん以外の病気では、子宮内膜症や骨盤炎症性疾患、肝炎でもCA15-3は高値を示します。

CA15-3の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
CA15-3 CA15-3 25.0以下 U/mL

CA15-3検査の目的

CA15-3は乳がんマーカーとして利用されています。CA15-3腫瘍マーカー血液検査は、乳癌の診断に対して特異性の高い腫瘍マーカーであります。 CA15-3のカットオフ値を27U/mlとすると、原発性乳がんの場合、ごく初期の陽性率は2%程度であり、ほとんどの症例では陰性です。このため乳がんの早期診断にCA15-3は役に立ちません。しかし、進行がんになるとCA15-3の陽性率は10%以上となり、再発例では40%以上となります。その再発部位によりCA15-3の陽性率は大きく変わります。リンパ節や、骨転移では約30%であるのに対して、肝、胸膜などの内臓転移では75%と高率に陽性となります。CA15-3は乳がん以外では卵巣がん(陽性率約40%)、子宮がん(約25%)、膵がん(約20%)などとなっています。異常値が見られる場合にはCEAなど他の腫瘍マーカーや胸部X線、骨シンチグラム、CT検査などを組み合わせて精査することが大切です。

CA15-3で何を調べている

CA15-3腫瘍マーカー検査は、全く独立に作製された2種類のモノクローナル抗体115D8およびDF3により認識される乳癌関連抗原である。115D8は乳脂肪球被膜上の糖蛋白MAM-6を、DF3は乳癌肝転移巣の細胞膜成分をそれぞれ免疫原とする抗体であり、乳癌においてはあらゆる組織型の細胞に反応することが報告されている。 CA15-3は組織の悪性化に伴う細胞破壊により血中に放出されると推定されるが、早期症例の陽性率は低く、むしろ再発乳癌や転移性乳癌において血中レベルの上昇が著しいことから、再発・転移の検出に有用なマーカーと思われる。

CA15-3でわかる病気

CA15-3検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 乳がん
基準値より低値
【備考】

CA15-3は加齢と共にやや上昇傾向を示しますが、妊娠前期には低値となります。

【関連項目】
CEA(がん胎児性抗原)NCC-ST-439BCA225