PIVKA-Ⅱの血液検査は、肝細胞癌に特異性の高い血中腫瘍マーカーで、AFPと相関が低く、独立した指標になります。

PIVKA-Ⅱ|腫瘍マーカー

PIVKA-Ⅱ腫瘍マーカー・がんの血液検査は、肝細胞癌に特異性の高い血中腫瘍マーカーで、AFPと相関が低く、独立した指標になる。血液凝固第II因子であるプロトロンビンの肝における生合成不全に由来する異常蛋白。高値を示す病態:肝細胞癌、慢性肝炎などがある。

PIVKA-Ⅱの基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
  protein induced by vitamin K absence-Ⅱ   PIVKA-Ⅱ 40未満 mAU/ml

PIVKA-Ⅱ検査の目的

PIVKA-Ⅱ腫瘍マーカー・がんの血液検査は、凝固第Ⅱ因子の不全生成物。肝細胞癌に特異性の高い血中腫瘍マーカーで、AFPと相関が低く、独立した指標になる。

PIVKA-Ⅱで何を調べている

PIVKA-Ⅱ腫瘍マーカー・がんの血液検査は、血液凝固第Ⅱ因子であるプロトロンビンの肝における生合成不全に由来する異常蛋白である。プロトロンビン合成の最終段階は、前駆体N末端近傍グルタミン酸残基のビタミンK依存的なカルボキシル化反応によるGla(γ-carboxyglutamic acid residue)への転換にある。この反応過程の失調または欠落に基づく「異常プロトロンビン」は、凝固活性を欠いた蛋白として血中に放出される。新生児メレナをはじめとするビタミンK欠乏性出血症の診断にこれが有用な指標となることは以前から知られていたが、1984年にLiebmanが肝細胞癌患者血中にPIVKA-Ⅱの高率かつ著明な増加を報告したことを契機に、α-フェトプロテイン(AFP)とは相関性のない全く新たな肝細胞癌の特異的マーカーとしての臨床的意義が確認されている。また検査法により血液凝固異常にのみ適用されるものがあるので検査法の選択には注意を要する。腫瘍マーカーとしてのPIVKA-ⅡにはECLIA法、凝固異常の指標にはLA(ラテックス凝集比濁法)を用いる。

PIVKA-Ⅱでわかる病気

PIVKA-Ⅱ腫瘍マーカー血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 肝細胞癌、慢性肝炎、肝硬変、肝内胆汁鬱滞、ビタミンK欠乏性出血症、吸収不全症候群、ワーファリン投与時
基準値より低値
【備考】

肝細胞癌の治療効果判定マーカー、再発の診断補助として有用性が認められている。

【関連項目】
αフェトプロテイン(AFP)AFPレクチン分画