カルシウムは、骨や歯の形成、神経刺激の伝達、血液の凝固などの働きがあります。

カルシウム(Ca)

カルシウムの大半は骨に蓄えられていますが、細胞(特に筋肉細胞)や血液中にもあります。カルシウムは筋肉の収縮や、さまざまな酵素が正常に機能するために必要なミネラルです。その為に血中のカルシウム濃度は8.4~10.2mg/dl程度の範囲に保たれています。正常値を10mg/dlとすると、そのうち約4割にあたる4mg/dlはアルブミンと結合しており、1割にあたる1mg/dlはリンなど他のイオンと結合しており、血中カルシウムの半分にあたる5mg/dlがカルシウムイオンとして存在しています。常に血中カルシウムイオンを維持する為には1日に少なくとも1000〜1500ミリグラムのカルシウムを摂取し、余った分は尿と一緒に排出する必要があります。また、血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、カルシウムは必要に応じて骨から血液中へ移動します。しかし、骨から出ていく量が多いと、骨が弱くなり、骨粗しょう症を引き起こす原因になります。血液中のカルシウム濃度は、主に副甲状腺ホルモンとカルシトニンという2つのホルモンによって調整されていますが、副甲状腺ホルモンは首の甲状腺の周りにある4つの副甲状腺でつくられます。血液中のカルシウム濃度が下がると、副甲状腺がつくるホルモンの量が増えます。血液中のカルシウム濃度が上がると副甲状腺がつくるホルモンが少なくなります。副甲状腺ホルモンは、消化管を刺激してより多くのカルシウムを吸収させ、腎臓に働きかけてビタミンDを活性化させます。ビタミンDは、消化管のカルシウム吸収機能をさらに高めます。副甲状腺ホルモンはまた、骨を刺激して血液中へカルシウムを放出させ、腎臓に働きかけて尿に排出するカルシウムの量を少なくさせます。甲状腺細胞でつくられるホルモンのカルシトニンは、骨破壊(骨の分解)を遅くすることにより、血液中のカルシウム濃度を下げます。

カルシウム(Ca)の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
カルシウム Ca 8.6~10.2 mg/dl

カルシウム(Ca)検査の目的

カルシウムは生体中に最も多量に存在する無機物で、カルシウムの99%以上は骨や歯などで骨格の維持およびカルシウム の貯蔵庫として働いています。また、心筋の規律的な収縮、意識の維持、各種ホルモンの分泌、細胞の情報伝達、神経の興奮、血液の凝固など生命活動に重要な役割に関与しています。

カルシウム(Ca)検査は何を調べているのか

成人の生体には約1kgのカルシウムが存在するが、その99%は硬組織(骨や歯牙)に含まれており、残りの1%が軟部組織や細胞外液中に存在する。血液中に存在するカルシウムは約0.1%にすぎないが、種々の生理機能調節に重要な役割を果たしており、主に副甲状腺ホルモン(PTH)と、活性型ビタミンDである1,25水酸化ビタミンDにより、腸管からの吸収、骨での出入り、腎尿細管での再吸収の各段階で調節されている。したがって、これらのホルモン作用の異常、あるいは腸管、骨、腎などの標的臓器の異常により血中カルシウム値に異常をきたす。また、血清カルシウムの約50%は血清蛋白質(大部分はアルブミン)に結合している。

カルシウム(Ca)の検査結果からわかる病気

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 ミルク・アルカリ症候群、多発性骨髄腫、甲状腺機能亢進症、原発性副甲状腺機能亢進症、急性腎不全、褐色細胞腫、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、悪性腫瘍骨転移、Addison病
基準値より低値 ビタミンD欠乏症、吸収不良症候群、急性膵炎、低Mg血症、尿毒症、副甲状腺機能低下症、慢性腎不全、ネフローゼ症候群
【備考】

血清総カルシウム測定時には必ず血清アルブミンを測定し、Payneの式などにより補正する。補正カルシウム値(mg/dl)=血清総カルシウム値(mg/dl)+4-血清アルブミン値(g/dl)

【関連項目】 
ナトリウムカリウムクロールカルシウムマグネシウム