クロール(Cl)は、酸塩基平衡を確認する目的で行われます。

クロール(Cl)

クロール(Cl)は、食塩(NaCl)としてNaとともに体内に取り入れられます。ナトリウム(Na)は陽イオン、クロール(Cl)は陰イオンを帯びており、細胞外液中のナトリウム(Na)を中和する役割を持っています。また、クロール(Cl)は他のミネラル(電解質)と相互に水分の平衡、浸透圧の調整など様々な重要な役割を持っています。
クロール(Cl)は、ナトリウム(Na)とともに取り入れられますが、血液中の存在比率として、5:7の比率を保った状態で濃度が変化します。クロール(Cl)をはじめとした、ミネラル(電解質)は腎臓において濃度調整がなされています。腎臓はホルモンの働きによって排泄や再吸収が制御されており、各ミネラル(電解質)の濃度は精密に調整されています。これらのバランスが崩れた時は、酸塩基平衡の乱れとなり水分代謝以上を疑います。

クロール(Cl)の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
ナトリウム Na 98~108 mEq/l

クロール(Cl)検査の目的

クロール(Cl)は、酸塩基平衡を確認する目的で行われます。また、嘔吐や下痢、浮腫などの症状を伴う場合は水分代謝異常の原因を調べます。

クロール(Cl)検査は何を調べているのか

クロール(Cl)検査は、酸塩基平衡を確認し、水分代謝以上の有無を確認するために行われます。クロール(Cl)を調べる際は、単独で行われる事は少なくナトリウム(Na)との比率を確認します。

クロール(Cl)の検査結果からわかる病気

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 低アルドステロン症、下痢、過換気症候群、呼吸性アルカローシス、脳炎、大量摂取、尿細管性アシドーシス、ダイアモック投与、高張性脱水症
基準値より低値 慢性腎炎、利尿剤の使用、慢性腎盂腎炎、胃液吸引、嘔吐、肺気腫、SIADH、呼吸筋障害、呼吸性アシドーシス、呼吸中枢の障害、水分過剰投与、代謝性アルカローシス、低張性脱水症、大葉性肺炎、Addison病、腎不全
【備考】

クロール(Cl)は、食後における胃酸分泌により若干低下します。

【関連項目】 
ナトリウムカリウムクロールカルシウムマグネシウム