無機リン(P)の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
無機リン | P | 2.4~4.3 | mg/dL |
無機リン(P)検査の目的
無機リン検査は、副甲状腺機能、腎障害の指標として使用します。
無機リン(P)検査は何を調べているのか
リンはCaと同様に骨ミネラルの重要な構成成分である。生体内の重要な陰イオンのひとつであり、細胞膜や核酸の構成成分、またアデノシン3リン酸(ATP)に見られるような高エネルギーリン酸結合の成分として大変重要である。リン欠乏による低リン血症は、細胞内ATPの不足や2,3-DPGの低下をもたらし、組織障害をおこすことがある。 リンの尿中排泄は主にPTHにより調節されているため、血清無機リンの異常がみられたときはリン再吸収率試験を行ない尿細管の再吸収能を測定する。副甲状腺機能低下症の場合、%TRPは増加するため高リン血症がみられる。逆に副甲状腺機能亢進症の場合は、%TRPが減少し低リン血症を起こす。細胞内無機リン(IP)の大部分は有機リン酸化合物として存在するが,血液中では大部分が無機リンである。通常,血中で測定するのは無機リンである。高度の低リン血症は細胞内有機リン酸化合物の合成障害などをきたし,各種の細胞機能の障害をもたらし高度の高リン血症は異所性石灰化などをきたす。無機リンの代謝はCa調節ホルモンの影響を強く受けることから,血清Ca,血清PTH,腎尿細管機能(糖尿,アミノ酸尿),酸塩基平衡,あるいは血中ビタミンD代謝物などを併用することにより病態を把握できる。
検査結果
考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値
急性リン負荷、横紋筋融解症、末端肥大症、副甲状腺機能低下症、腎不全、甲状腺機能亢進症、過剰摂取、重症溶血、ビタミンD中毒
基準値より低値
呼吸性アルカローシス、原発性副甲状腺機能亢進症、Fanconi症候群、吸収不良症候群、異所性副甲状腺ホルモン産生腫瘍、ビタミンD欠乏症、Mg・Ca・Alの経口投与
【備考】
血液検査において無機リン(I.P)がチェックされるのは、内分泌疾や骨代謝異常などが疑われる場合に行われます。ただし、基本カルシウム(Ca)と一緒に調べるてその関連性を調査する目的でおこないます
【関連項目】
ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、マグネシウム、クレアチニン、尿素窒素、25-OHビタミンD、25-OHビタミンD、1α,25-(OH)2ビタミンD、1α,25-(OH)2ビタミンD、トリヨードサイロニン(T3)、遊離サイロキシン(FT4)、カルシトニン(CT)、副甲状腺ホルモンwhole(whole PTH)
無機リン検査の補足説明
血液検査において無機リン(I.P)がチェックされるのは、内分泌疾や骨代謝異常などが疑われる場合に行われます。ただし、基本カルシウム(Ca)と一緒に調べるてその関連性を調査する目的でおこないます
【関連項目】ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、マグネシウム、クレアチニン、尿素窒素、25-OHビタミンD、25-OHビタミンD、1α,25-(OH)2ビタミンD、1α,25-(OH)2ビタミンD、トリヨードサイロニン(T3)、遊離サイロキシン(FT4)、カルシトニン(CT)、副甲状腺ホルモンwhole(whole PTH)
一日に必要な無機リンの量は1~1.5 gですが、食物として摂取されます。とくに牛乳、乳製品、肉、魚などには無機リンが多く含まれています。リンはビタミンDの作用により主として小腸から吸収されます。