遊離サイロキシン(FT4)の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
遊離サイロキシン | FT4 | 0.70-1.48 | ng/mL |
遊離サイロキシン(FT4)検査の目的
遊離サイロキシン(FT4) 検査は、甲状腺ホルモンの一種を調べます。T4は、ほとんどが蛋白と結合しており活性を持たないが、本検査は生物活性を持つ遊離型を定量。
遊離サイロキシン(FT4)検査は何を調べているのか
甲状腺ホルモン(T4、T3)は大部分が結合蛋白(主にTBG)と結合しています。サイロキシン(T4)においては、遊離型(FT4)の占める割合はおよそ0.02~0.03%です。遊離型のみ生物活性をもつのでFT4を測定することは重要ですが、以前は測定自体が困難で、主に総サイロキシンが測定されてきました。しかし近年では容易に測定できるようになり、また抗T4抗体の影響を受けない測定系も開発されたため甲状腺機能検査の主流になっています。日内変動や食事の影響がほとんどないので特に採血上の制約はありません。高値が認められた場合は、甲状腺機能亢進症か亢進を伴わない甲状腺中毒症を鑑別するためにヨード摂取率を検査します。TBG異常もチェックする必要があり、T4、あるいはT3、TBGも測定するのが望ましいとされています。
遊離サイロキシン(FT4)の検査結果からわかる病気
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、甲状腺中毒症、亜急性甲状腺炎、甲状腺ホルモン不応症 |
基準値より低値 | 原発性甲状腺機能低下症、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺機能低下症、妊娠後期 |
【備考】 甲状腺疾患の詳しい内容は「甲状腺の病気・行われる検査と症状」をご覧ください。 【関連項目】副腎皮質刺激ホルモン、コルチゾール、レニン活性、アルドステロン、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモンFT3、甲状腺ホルモンFT4、副甲状腺ホルモン、黄体形成ホルモン、卵包刺激ホルモン、インスリン |
その他のホルモン検査一覧
ホルモン血液検査項目 | 備 考 | |
副腎皮質刺激ホルモン | 高値:コルチゾールが高値を示す場合:下垂体性のクッシング症候群 コルチゾールが低値:アジソン病が疑われます。 低値:コルチゾールを示す場合:副腎腫瘍によるクッシング症候群。下垂体の機能低下や、副腎皮質ホルモン薬の大量服用においても低値をしめします。 |
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コルチゾール | ストレスに関与し、過度なストレスを受けると分泌量が増加します。その反応はとても敏感であるため、ストレスホルモンとも呼ばれています。 | |
レニン活性 | PRAは、その異常な亢進または抑制が二次性高血圧症の診断に有用です。高血圧以外の電解質代謝異常症の診断にも有用です。 | |
アルドステロン | 原発性アルドステロン症などの高血圧性疾患、、浮腫疾患などの鑑別診断における重要な検査です。 | |
甲状腺刺激ホルモン | 高値 甲状腺ホルモンが低値または正常の場合は、原発性甲状腺機能低下症を、甲状腺ホルモンが高値の場合はTSH産生腫瘍や甲状腺ホルモン不応症を疑う。 低値 甲状腺ホルモンが低値の場合は二次性・三次性甲状腺機能低下症、高値の場合はバセドウ病などの甲状腺機能亢進症を疑う。 |
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甲状腺ホルモン FT3 FT4 |
甲状腺機能亢進症の治療による寛解例では、一般にFT3はFT4に遅れて正常化するといわれている。一方病態増悪時には逆になるためこれらの測定は病状把握に有用とされています。 | |
高値の場合は、甲状腺機能亢進症か亢進を伴わない甲状腺中毒症を鑑別するためにヨード摂取率を検査が必要となります。TBG異常もチェックする必要があり、T4、あるいはT3、TBGも測定するのが望ましいとされています。 | ||
副甲状腺ホルモン | カルシウムおよびリン酸代謝に関与する各臓器の機能を検査する上で重要な指標です。 | |
黄体形成ホルモン | 高値 性腺機能低下・不全症(卵巣、または精巣機能低下症、[Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など]) 低値 下垂体機能低下・不全症(下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群) |
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卵包刺激ホルモン | 高値 卵巣、または精巣機能低下症(Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など) 低値 下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群 |
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インスリン | インスリンは、糖代謝ならびにアミノ酸、脂質代謝などに関与する膵由来のホルモン。糖尿病の診断・病態把握、膵機能の診断に有用です。 |