卵胞刺激ホルモン(FSH)及びLHの測定により性腺機能の低下が下垂体性(続発性)か原発性かの判断が可能となります。

卵胞刺激ホルモン(FSH)

 卵胞刺激ホルモン(FSH)とは、脳下垂体前葉から分泌される女性ホルモン。卵巣を刺激して卵胞を成熟させる働きをします。月経開始ころからFSHが脳下垂体から分泌されることがきっかけで、卵巣内の卵胞が成長していきます。卵胞刺激ホルモン(FSH)は性腺刺激ホルモンの一種で、小卵胞に作用して顆粒膜細胞を増殖させ卵胞の発育を促すのです。そして卵胞の排卵段階になると、同じく脳下垂体から分泌されるLH(黄体化ホルモン)が大量に分泌されてLHサージが起こり、卵子が排卵されるのです。


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卵胞刺激ホルモン(FSH)の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
卵胞刺激ホルモン FSH 成人男性 1.37-13.58
卵胞期 3.35-21.63
排卵期 4.97-20.82
黄体期 1.11-13.99
閉経期 2.58-150.53
mIU/ml

卵胞刺激ホルモン(FSH)検査の目的

 卵胞刺激ホルモン(FSH)血液検査は、下垂体前葉から分泌され、卵巣や精巣を刺激するゴナドトロピン。女性では年令と性周期で大きく変動。

卵胞刺激ホルモン(FSH)検査は何を調べているのか

 卵胞刺激ホルモン(FSH)は、黄体形成ホルモン(LH)と共に下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンで、標的臓器である卵巣や精巣など性腺を刺激する作用をもつ。FSH、LHは視床下部から分泌されるLH-RHにより刺激され、さらにエストロジェンなどの性ホルモンによるフィードバックで分泌が調節されている。FSHが低値となる疾患はほとんどが下垂体異常によるもので、通常はLHの低下を伴う。逆にゴナドトロピン高値になる病態には卵巣性無月経などの性腺機能低下症が挙げられる。これは視床下部-下垂体系へのネガティブ・フィードバックが弱まるために起こるもので、閉経後ゴナドトロピンが高値になるのも同じ機序による。多嚢胞性卵巣症候群(PCO)ではLHのみ上昇し、FSHは正常であるためLH/FSH比は通常より上昇し1以上になることが多い。視床下部-下垂体系の異常部位診断にはLH-RHテストを行う。すなわち、LH-RHを負荷して下垂体ゴナドトロピンの分泌を刺激する試験であるが、LHの方がFSHより変動幅が大きいため、より良好な下垂体の反応性の指標となる。正常では投与後にLHが一定レベルまで上昇する。なお、女性ではLH、FSHとも性周期により大きく変動するため採血時期に留意が必要である。

卵胞刺激ホルモン(FSH)の検査結果からわかる病気

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 卵巣、または精巣機能低下症(Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など)
基準値より低値 下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群
【備考】

黄体形成ホルモン(LH)及び卵包刺激ホルモン(FSH)の測定により性腺機能の低下が下垂体性(続発性)か原発性かの判断が可能となります。

【関連項目】 
副腎皮質刺激ホルモンコルチゾールレニン活性アルドステロン甲状腺刺激ホルモン甲状腺ホルモンFT3甲状腺ホルモンFT4副甲状腺ホルモン黄体形成ホルモン卵包刺激ホルモンインスリン

その他のホルモン検査一覧

ホルモン血液検査項目 備  考
副腎皮質刺激ホルモン 高値:コルチゾールが高値を示す場合:下垂体性のクッシング症候群 コルチゾールが低値:アジソン病が疑われます。
低値:コルチゾールを示す場合:副腎腫瘍によるクッシング症候群。下垂体の機能低下や、副腎皮質ホルモン薬の大量服用においても低値をしめします。
コルチゾール ストレスに関与し、過度なストレスを受けると分泌量が増加します。その反応はとても敏感であるため、ストレスホルモンとも呼ばれています。
レニン活性 PRAは、その異常な亢進または抑制が二次性高血圧症の診断に有用です。高血圧以外の電解質代謝異常症の診断にも有用です。
アルドステロン 原発性アルドステロン症などの高血圧性疾患、、浮腫疾患などの鑑別診断における重要な検査です。
甲状腺刺激ホルモン 高値
甲状腺ホルモンが低値または正常の場合は、原発性甲状腺機能低下症を、甲状腺ホルモンが高値の場合はTSH産生腫瘍や甲状腺ホルモン不応症を疑う。
低値
甲状腺ホルモンが低値の場合は二次性・三次性甲状腺機能低下症、高値の場合はバセドウ病などの甲状腺機能亢進症を疑う。
甲状腺ホルモン
FT3
FT4
甲状腺機能亢進症の治療による寛解例では、一般にFT3はFT4に遅れて正常化するといわれている。一方病態増悪時には逆になるためこれらの測定は病状把握に有用とされています。
高値の場合は、甲状腺機能亢進症か亢進を伴わない甲状腺中毒症を鑑別するためにヨード摂取率を検査が必要となります。TBG異常もチェックする必要があり、T4、あるいはT3、TBGも測定するのが望ましいとされています。
副甲状腺ホルモン カルシウムおよびリン酸代謝に関与する各臓器の機能を検査する上で重要な指標です。
黄体形成ホルモン 高値
性腺機能低下・不全症(卵巣、または精巣機能低下症、[Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など])
低値
下垂体機能低下・不全症(下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群)
卵包刺激ホルモン 高値
卵巣、または精巣機能低下症(Turner症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など)
低値
下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群
インスリン インスリンは、糖代謝ならびにアミノ酸、脂質代謝などに関与する膵由来のホルモン。糖尿病の診断・病態把握、膵機能の診断に有用です。 

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