CRPは、炎症反応の強さを測る上で非常に重要な検査の一つです。炎症性疾患、細菌感染症などで上昇します。

CRP(C-反応性蛋白)は炎症反応の強さを測る検査

CRPは炎症があるかを診断する為に非常に有効な検査です。肺炎球菌の細胞壁のC多糖体と反応するタンパク質という意味かCRPという名前になりました。。C反応性蛋白とは、急な炎症や病気などで体の組織が壊れたときに増える血液中の蛋白の一種です。炎症が起きると比較的速やかに血液中に現れ、炎症が終息すると正常に戻ります。扁桃炎や肺炎など、細菌が感染したり、心筋梗塞(こうそく)やけがなどで組織が壊されたりすると、人間の体は修復しようとします。この反応が炎症と呼ばれるものです。感染を起こしている局所が赤くなって腫れ上がったり、痛くなる現象を指しています。炎症が起きると、身体の中ではいろいろな化学物質が出て、炎症反応に加わります。炎症に伴って特徴的に出てくる物質を炎症マーカーと呼んでいます。検査という立場からすると、それを測定することで炎症の存在や強弱を判断できるのです。CRPには測定法が2つあり、定性検査は症状の有無を調べ、定量検査はその濃度を調べます。炎症が強ければ強いほどCRPの数値も高くなります。CRPの基準値は血液一デシリットル中0.3ミリグラム以下となります。
 

CRP(C-反応性蛋白検査)の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
C-reactive protein CRP 0.30以下(mg/dL) mg/dL
 

CRP(C-反応性蛋白検査)検査の目的

C-反応性蛋白検査は、代表的な急性相反応物質。炎症性疾患や体内組織の崩壊がある場合に血中で増加し、炎症マーカーとして用いられる。

C-反応性蛋白検査で何を調べているのか

CRPは肺炎球菌のC多糖体と沈降反応を起こすことにより発見された血清蛋白で、急性相反応物質と呼ばれる炎症性疾患で上昇する一群の蛋白の一種である。分子量は約105kDaでIgMのように5つのサブユニットが環状に結合した構造をとる。血液その他の体液中に広く分布し、血流を通じて炎症の場に達し、壊死に陥った細胞膜のリン脂質と結合して、補体の活性化、リンパ球機能の活性化、貪食細胞機能促進など生物学的変化を起こし、それらを通じて炎症により生じた体内の病的産物を除去する作用を持つ。CRPは、急性炎症あるいは組織崩壊性病変で増加する代表的な炎症マーカーであり、炎症性病巣の存在や病変の程度を鋭敏に反映する。このため感染症、膠原病など炎症性疾患の活動性や重症度、経過観察および予後判定の指標として用いられる。CRPには性、年齢、食事、運動、採血時間などによる影響はほとんどみられない。新生児では、きわめて低い値(数μg/dL程度)で存在している。新生児感染症では早期より上昇を示し、臍帯血中から高感度CRP測定にて検出可能である。一般にCRPと赤沈とは共通の病態で変動を示すが、感染症の指標としてはCRPの方が増減が早く鋭敏である。一方、貧血、ネフローゼ症候群、ウイルス性感染症(一般に、陽性でもその程度は弱いため血清アミロイドA蛋白;SAAが有用)、良性腫瘍では赤沈のみ陽性となる場合がある。なお膠原病の経過観察において、CRPが陽性化してくれば赤沈が正常であっても再発、再燃の可能性があり、また赤沈が亢進していてもCRPが陰性化すれば活動性が鎮静化に向かっていると推定される。

 

CRP(C-反応性蛋白検査)の検査結果からわかる病気

CRP(C-反応性蛋白検査)血液検査査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 悪性腫瘍(転移型)、肺結核、胆嚢炎、胆石症、多発性動脈炎、細菌感染症、肝膿傷、リウマチ熱、関節リウマチ
基準値より低値 皮膚筋炎(初期を除く)、心不全(陽性の場合はリウマチ熱再燃,血栓,梗塞,気管支感染の合併)、強皮症、ウィルス感染症(陰性~弱陽性)
【備考】

CRPは、外傷や手術後48時間をピークに上昇します。その後5日程度でほぼ正常値に改善するのが一般的です。しかし、その後も、CRPの数値が改善する傾向が見られないときは、感染症を引き起こしている可能性を考慮する必要があります。

【関連項目】 
白分画(PR-F)、抗ストレプトキナーゼ(ASK)、プレアルブミン、α1アシドグリコプロテイン(α1AG)、α2マクログロブリン、α1アンチトリプシン(α1AT)、RA、RAPA(RAHA)、白血球数(WBC)