CK(クレアチンキナーゼ)検査は、急性心筋梗塞や多発性筋炎で上昇します。

クレアチンキナーゼ(CK)

CK(クレアチンキナーゼ)はCPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)とも呼ばれ、骨格筋や心筋などの筋肉細胞のエネルギー代謝に、重要な役割を果たす酵素の一種です。筋肉(横紋筋)にたくさん含まれているため、筋肉に何らかの障害があると高値を示しますが、平滑筋(内臓の筋肉)や脳などにも含まれます。クレアチンキナーゼは3種類のアイソザイム(同じ働きをするが分子構造が異なる酵素群)が存在します。おもに、CK-BB、CK-MB、CK-MMの3つに分けられます。CK-BBは脳に多く含まれ、CK-MMは骨格筋、CK-MBは心臓に多く含まれます。これら3種類のどのアイソザイムが高値を示すかを調べると、異常のある臓器をある程度特定することができます。クレアチンキナーゼは、筋肉の量と関係するため、男性は女性に比べて10~15%高くなります。

クレアチンキナーゼの基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
クレアチンキナーゼ CK 男62~287
女45~163
U/L

クレアチンキナーゼ検査の目的

CK(クレアチンキナーゼ)検査は、骨格筋や心筋の崩壊を反映して上昇する酵素。急性心筋梗塞や多発性筋炎で上昇。
クレアチンキナーゼ(CK)はクレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)ともいわれ、クレアチンリン酸とADPからクレアチンとATPを生成する酵素である。骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに多く含まれ、それらの部位が損傷を受けると血中濃度が高くなります。クレアチニンキナーゼはすべて2量体で臓器特異性があり、筋型または骨格筋型(MM)、脳型(BB)、ハイブリッド型または心筋型(MB)の三つのアイソザイムで構成される。通常、血中では大半が骨格筋型のCK-MMであり、CK-BBはほとんど認められず、CK-MBは心筋の障害以外はわずか(総活性の3%程度)に検出されるにすぎない。

クレアチンキナーゼの検査結果からわかる病気

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 アルコール性ミオパチー、アルコール中毒、マクロCK、急性心筋梗塞、筋萎縮性側索硬化症、甲状腺機能低下症、Malignant hyperpyrexiaの発作時、心筋炎、頭部外傷の急性期、進行性筋ジストロフィー症、周期性四肢麻痺の発作時、Kugelberg-Welander 病、Charcot-Marie-Tooth 症候群、髄膜脳炎、多発性筋炎、糖尿病、脳血管障害の急性期、肺疾患、末端肥大症、皮膚筋炎、睡眠薬中毒、低カリウム血性ミオパチー
基準値より低値 全身性エリテマトーデス、高ビリルビン血症、高アルカリフォスファターゼ血症、甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、シェーグレン症候群 、長期臥床、ステロイド剤医療、化学療法
【備考】
筋肉を酷使するような運動を検査前に行うと、筋肉からクレアチンキナーゼが血液中に漏れ出して、正常に戻るまで24時間後をピークに3~4日ほどかかるので、検査を受けるときは4日前ごろから激しい運動は控えるようにしてください。

【関連項目】 
乳酸脱水素酵素AST(GOT)クレアチンキナーゼ脳性ナトリウム利尿ペプチドミオグロビン心筋トロポニンT