単球の特徴と基準値

単球の特徴 基準値と病気

単球(たんきゅう、Monocyte)は、他の白血球同様に骨髄で産生される血液細胞の一つです。末梢血における単球の白血球に占める割合は3~6%で、直径は20~30μmと白血球の中では最大の大きさを持っています。形状は、切れ込みの入った核を持つことが多く、他の白血球は分葉(核が分かれること)するものがほとんどですが、単球は分葉しないため単核白血球ともいいます。単球の寿命は血液中では1日以下から数日、組織中では数日から数か月、時には数年と非常に長い事もあります。単球は、感染に対する免疫の開始に重要な役割をもち、細菌などの異物をみつけるとアメーバ様運動を行って移動し、細菌などの異物を細胞内に取り込み細胞内酵素を使って消化する働きがあります。ちょっと難しいですが、断片化した異物を単球内の細胞質内に持っていたクラスIIMHC分子と結合させ細胞表面に提示し、これをヘルパーT細胞が認識し免疫反応が開始されます。また単球は血管外の組織や体腔に遊走し、そこで組織固有のマクロファージ(大食細胞)に分化する。マクロファージは存在する組織ごとに適応し、異物の呑食、体液性免疫細胞への抗原提示の他に、不要になった体細胞の処理、各種サイトカインの放出、骨髄において赤血球の育成などさまざまな役割を果たします。


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単球の概要と働き

白血球の種類(画像)

単球は白血球のうち3~8%。白血球細胞の中で最も大きく(20~30μm)、豆型の核を持ちます。単球は、感染に対する免疫の開始に重要であり、細菌やウイルスなどの異物を見つけるとアメーバー運動しながら移動し、細菌やウイルスを単球内に取り込みリソソームと融合し酵素により分解します。異物は分解されたのち、有用なものは細胞質に吸収され、不用なものはエキソサイトーシスにより細胞外へ排出されます。(細胞内にとどまるケースもあります。)断片化した異物を、もともと細胞質内に持っていたクラスIIMHC分子と結合させ、細胞表面に提示し、これをヘルパーT細胞が認識します。こうして免疫反応が開始されます。また単球は血管外の組織や体腔に遊走し、そこで組織固有のマクロファージ(大食細胞)に分化します。あるいは、単球の寿命は、血液中では10~20時間、組織中では数か月~数年です。

単球は、造血幹細胞から生成されます。生成過程は、造血幹細胞前駆細胞内で顆粒球やマクロファージ系前駆細胞から単芽球となり単球となります。さらに単球は、血管から血管外へでるとマクロファージへと生まれ変わります。単球が、血液中にとどまる期間は数時間から数日と言われています。その後、血管外へ出るとマクロファージへと分化します。マクロファージへの分化過程は、造血細胞から顆粒球・マクロファージ系前駆細胞(CFU-GM)となりマクロファージ系前駆細胞(CFU-M)となり単球を経てマクロファージとなります。※血管外へ出た単球はマクロファージへと生まれ変わりますが、その際組織や体腔に遊走し、組織固有のマクロファージへ分化します。

単球の写真

単純球の基準値 2.7~7.9%が正常(男性)

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
単球(Monocyte) Mono 男 2.7% - 7.9%
女 1.7% - 8.7%
(白血球百分率)

単球の血液検査結果

 単球の検査基準値と高値、低値で見られる疾患
範囲 白血球百分率
 上昇が認められる範囲 結核、単球性白血病、発疹性の感染症(麻疹等)
 基準値(正常の範囲)  0 ~ 10%
 低下が認められる範囲 好塩基球低下特有の疾患はありません。

動脈硬化と単球(マクロファージ)の関係

動脈硬化性病変では、内膜の肥厚による血管内腔の狭窄がみられます。この内膜の肥厚した部分をプラークと呼び、内部にはコレステロールエステルからなる多くの針状の結晶物が観察され脂質コアと呼ばれています。脂質コアの周囲には多くの細胞浸潤や繊維成分が認められます。  プラークの形成には細胞成分では血管内皮細胞、単球(マクロファージ)、平滑筋細胞が、脂質成分としては酸化LDLが重要な役割を果たしています。

プラークの形成と単球(マクロファージ)の作用

プラーク形成の初期段階として、内膜下へマクロファージの浸入がきわめて重要です。マクロファージが血液中の単球に由来することはよく知られており、血流中の単球が内皮細胞に接着した後に、内膜下に浸入しマクロファージに変化すると考えられています。血管内皮細胞は、一層の細胞層として血液成分が浸入することを防ぐ役割を持つと同時に、血液の凝固を阻止し血液細胞が内皮細胞に付着しないように働いています。ところが、さまざまの危険因子(高血圧症、高コレステロール血症、耐糖能異常など)や感染、物理的刺激(おもに血圧上昇による張力や血流変化によるずり応力)によって内皮細胞が障害あるいは活性化されると、内皮細胞に接着分子が発現して、血液中の単球が内皮細胞に接着するようになります。接着分子が出現すると、単球はまず内皮細胞とのゆるやかな接着(テダリング)により内皮細胞上で回転現象(ローリング)を起こします。その後、活性化された単球と内皮細胞との間で強い接着を生じます。さらに強く接着した単球は、さらなる内皮細胞の接着分子の作用により内皮細胞の間隙から内皮下へ遊走、浸入するようになります。血液中の単球は内皮細胞間隙から内皮下に浸入し、マクロファージへと成熟・分化します。マクロファージは別名「貧食細胞(異物をむさぼり食うようにして体内にとりこむという意味)」とも呼ばれ、過剰のLDL(悪玉コレステロールともいわれます)が存在すると、酸化などの変化を受けた変性LDLを取り込んで、泡沫細胞となってコレステロールエステルを細胞内に蓄積します。プラークの初期には、マクロファージ由来の泡沫細胞が主体になります。

プラークの脆弱性と急性冠動脈症候群のリスク

 プラークの破裂は、狭心症や心筋梗塞などの急性冠動脈症候群を発症しますが、この過程にはコレステロールに富むプラークの不安定性、構造的な弱さが大きく関係しています。プラークを守る繊維性被膜が薄く弱くなると、プラークが破裂しやすくなります。動脈硬化巣のマクロファージは繊維成分を消化するタンパク分解酵素を分泌し、プラークの脆弱性を高めています。

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