総コレステロール(T-Cho)|血液検査

総コレステロール(T-Cho)|血液検査の結果から分かる病気

コレステロールという言葉を聞いて多くの方は、動脈硬化脂質異常症(高脂血症)の原因物質としてあまり良いイメージは持たれないことと思います。しかし、コレステロールには、人間の体を形作るうえで重要な細胞の細胞膜の成分としての働きやホルモンの一種であるステロイドホルモンなどの材料として重要な役割を持っています。コレステロールには善玉と悪玉が存在します。体に悪いのが悪玉コレステロールとも呼ばれているLDLコレステロール、身体に良いのが善玉コレステロールとも呼ばれるHDLコレステロールで、これらのコレステロールを合わせたものを総コレステロールと呼んでいます。しかし、いくら体にとって重要な働きを持っているとは言ってもコレステロールが体内に多い状態は、良い事ではありません。総コレステロール値は140~199mg/dLが基準値となっており、この範囲内であれば特に心配はいならいと思います。もし、基準値を超える場合には高血圧糖尿病脂肪肝動脈硬化心疾患脂質異常症(高脂血症)甲状腺機能低下症膵臓の疾患、高コレステロール血症などの疑いがあります。逆に総コレステロール値が基準値を下回る場合には鉄欠乏性貧血や栄養不足、バセドウ病肝臓疾患などである可能性が考えられます。総コレステロール値が高い場合には、食事内容を改善するように心掛けるとよいでしょう。青魚や海藻類、大豆製品、野菜などを積極的に摂ることをおすすめします。また肝機能もコレステロール値と関係がありますので、肝機能アップに効果的なタウリンを含む魚介類を摂るのも効果的です。

総コレステロール(T-Cho)の検査目的と基準値

高コレステロール血症による動脈硬化(イメージ)

総コレステロールの検査は、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞のリスクを血管内の健康状態を見るうえで重要な役割をしています。動脈硬化を早める因子として、コレステロール値を代表とした脂質異常症(高脂血症)の他に高血圧や糖尿病などの疾患があります。更に生活習慣としては喫煙習慣やストレスが高まりやすい生活においても大きな要因として知られています。

総コレステロールの基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
総コレステロール T-Cho 140~219 mg/dl

総コレステロール血液検査結果の注意点

総コレステロールの一般的な基準値は、140~219mg/dlですが、閉経後の女性は、ホルモンの影響により上昇する傾向があるため別途総コレステロール値の基準値が定められており、150~239mg/dlとしています。もちろん、総コレステロール値の上昇しやすいため動脈硬化を引き起こしやすい傾向は高まりますので注意が必要です。尚、総コレステロールの値は個人差が大きい検査として知られており、その大きな要因として遺伝が大きなファクターとして知られています。そのほかに、食生活、生活習慣(ストレス、喫煙など)などによって大きく左右されます。

総コレステロール(T-Cho)の血液検査結果から分かる病気

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 ACTHの長期投与、LCAT欠損症、Weber-christian病、vonGierke病、ストレス、ネフローゼ症候群下垂体機能低下症家族性高コレステロール血症肝臓がん、急性アルコール性脂肪肝粥状硬化性疾患、冠硬化性疾患、経口避妊薬服用、甲状腺機能低下症、散発性高コレステロール血症、糖尿病肥満症、閉塞性黄疸、末端肥大症
基準値より低値 アジソン病、α-リポたんぱく欠損症、悪液質、肝細胞障害、経静脈高カロリー輸液、甲状腺機能亢進症消化不良症候群、低β-リポたん白血症、貧血、無β-リポタンたん血症
【備考】
脂質異常症の診断基準(血清脂質値:空腹時採血)
高LDL-コレステロール血症 :LDLコレステロール ≧140mg/d
低HDL-コレステロール血症 :HDLコレステロール <40mg/dl
高トリグリセリド血症     :トリグリセリド      ≧150mg/dl
※参考:高コレステロール血症の診断基準  総コレステロール≧220mg/dl 

【関連項目】 
総ビリルビン直接型ビリルビン総たんぱくアルブミンコリンエステラーゼチモール混濁試験硫酸亜鉛混濁試験AST(GOT)AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPアルカリフォスファターゼロイシンアミノペプチターゼ乳酸脱水素酵素インドシアニン・グリーンアンモニア総コレステロールB型肝炎ウイルス表面蛋白抗原C型肝炎ウイルス核酸定性C型肝炎ウイルス核酸定量
HDLコレステロールLDLコレステロール中性脂肪

総コレステロールが異常値になる原因

高コレステロール血症に良い鰯などの青魚

コレステロールが高くなる理由には、魚類や豆類、緑黄色野菜、海藻などの摂取が少ないことがあげられます。摂取エネルギーが少なくても、コレステロール値を上げやすい肉類や乳製品、卵などを多く食べていると、悪玉コレステロール値が高く、中性脂肪値は低い状態となります。また、ストレスや過労などの負担が大きくなるとコレステロール値を高める原因となります。コレステロールは、体内でもっとも強い抗酸化、高エネルギー物質で、トレスの増加により活性酸素が増えて生体の酸化が進むと、身体はそれを克服するために脂肪組織や肝臓から脂質を取り出して血中に流します。その為、過労やストレスが大きい人は、特に食べ過ぎていなくとも血中にコレステロールが増えてしまうわけです。 

更年期になると血中コレステロールが上昇する方が多いです。とくに生理が終わる閉経後にLDLコレステロールの数値が高くなります。 女性ホルモンの1つであるエストロゲンには、血中のLDLコレステロールを肝臓に取り込む働きがあります。肝臓で処理されず血中に増えすぎたLDLコレステロールは、血管の壁に入り込み、そこで「プラーク」と呼ばれる塊りを造ります。これが大きくなり血流の流れが悪くなると「動脈硬化」です。動脈硬化は、放置すると将来、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすリスクが高まります。女性の場合は、男性に比べて心筋梗塞などにかかるリスクが少ないこともあり、これらの数値が基準値を少し超えたからといって、ただちに治療や薬が必要になるわけではないともいわれています。どの段階で薬の治療が必要かについては、医師によって見解が異なるようです。

コレステロール値が高かった人は病院での検査

総コレステロール値が基準値を大きく超えている場合は、動脈硬化のリスクを踏まえて、同系のコレステロール検査のHDLコレステロール、LDLコレステロールそのほかにも、動脈硬化の進行を確認するために眼底検査、CT、MRI、心電図、冠状動脈造影、心筋シンチなどの検査を病院では行います

総コレステロール(T-Cho)を改善する為には

コレステロールの値が高い方は、動脈硬化などのリスク軽減のために食生活の改善を見直しが必要です。特に、動物性脂質を多く含む食品に多く含まれていますので、バターや豚ロース肉、牛霜降り肉、エビ、卵黄などは、控えるようにしましょう。また、コレステロールを控える代わりにお菓子やパンなどの炭水化物を摂りすぎるのもよくありません。血糖値中性脂肪の値が上がったりしますので食べすぎには注意しましょう。コレステロールが高い方は、摂取する脂質の種類も重要です。脂質は、肉の脂身などに多い「飽和脂肪酸」とサバやイワシなどの青魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」に分かれます。特に、飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸の中でもゴマ油やマーガリンなどに含まれる「n-6系」という脂肪酸は摂りすぎると動脈硬化を促進するといわれています。一方、サバやイワシなどに多く含まれている不飽和脂肪酸の「n-3系」といわれる脂肪酸をお勧めしますが、毎日の食生活の中でシッカリ食べる事は難しく「DHA」や「EPA」、亜麻仁油などのサプリメントを上手に活用するのもお勧めです。また、コレステロール上昇の抑える働きがあるものとして、果物や海草には「水溶性の食物繊維」、キノコ類や大豆製品などがお勧めです。食事だけではなく、運動することも重要です。LDLコレステロールは適度な運動で増えることがわかっているので、毎日できるだけ身体を動かすようにしましょう。

コレステロールが多く含まれている食品

 食品名 目安  コレステロール含有量 
鶏卵 1個(50g) 210mg
あん肝 1個(40g) 225mg
たらこ 小1腹(50g) 175mg
かずのこ 1本(30g) 110mg
うに にぎり寿司2個分 30mg
いか(生) 刺身1人分(50g) 135mg
いか焼き 1杯(120g) 456mg
するめ 1人分(20g) 196mg
たこ 足1本(150g) 225mg
うなぎ(蒲焼き) 1串(80g) 184mg
カキ 5個(75g) 40mg
鶏レバー 1人分(50g) 185mg
豚レバー 1人分(50g) 125mg
牛レバー 1人分(50g) 120mg

2015年5月、厚生労働省は「体内のコレステロールの数値は食事で大きく変動しない」として、従来の1日摂取量の基準を撤廃しました。しかし、これは「健康な人については、食事によるコレステロールの摂取と、血液中のコレステロール量はそれほど関係ない」という事らしいですが、コレステロールの値が高い方は、あまり意識はしすぎないで日々の食事で摂取する食品に注意する事をお勧めします。コレステロールは、食事以外に体内合成もされています。そして、果物、海草、キノコ類に豊富な食物繊維や、豆腐、納豆などの大豆製品に含まれる良質なたんぱく質には、コレステロールの吸収を抑える作用があります。色々な食品を上手に摂取しながら適度な運動をする事が高コレステロール血症状の改善のポイントです。

その他の健康診断の検査一覧

血液検査項目 血液検査結果からわかること
肥満度 肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
血圧 脳卒中心筋梗塞などの原因となる高血圧、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 





T-Cho 総コレステロールが高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞脳梗塞などの病気を誘発する。脂質(油・脂)を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています
HDL-C 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞心筋梗塞などの病気を誘発してしまいます。 
LDL-C 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。
中性脂肪 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化脂肪肝の原因になります。 



赤血球数 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。
ヘモグロビン 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。
ヘマトクリット 血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。
白血球数 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。


尿

尿たんぱく 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。
尿潜血 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。
血液 クレアチニン 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。
痛風
検査
尿酸 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 




ZTT 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎肝硬変が疑われます。
血清酵素 GOT GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎脂肪肝肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
GPT
γーGTP アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。  
ALP 肝臓、骨、小腸大腸腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。
総たんぱく 清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。
総ビリルビン ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。

尿
尿糖 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎甲状腺の機能障害などの疑いがあります。
空腹時血糖 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 
HbA1c 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。
便潜血反応 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。

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