BMIの計算式は非常に簡単
自分のBMI値と適性BMI値もわかり、標準体型、太りすぎ、痩せすぎ、自分の体型がわかったかと思います。BMIがどのくらい乖離しているかがわかりましたが、どのくらい痩せればいいの、逆にどのくらい太らなくてはいけないのか目標体重を知りたくなるかと思います。BMIは身長と体重で肥満の指標としていますので次の計算式で身長から標準体重を知ることができます。
BMIの計算式
BMI (Body Mass Index) |
BMI = 体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)) 標準体重 = 身長(m)×22 |
BMIについて
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BMI値と肥満度
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WHOが推奨し世界的に肥満の指標となっておりますBMIですが、判定基準は各国で異なり、日本でのBMIの理想値は男性が22.0、女性が21.0です。これらの数値に近いほど「統計的に病気にかかりにくい体型」と疫学調査で判明しています。また、BMIが 25以上を肥満と判定され、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧などの生活習慣病にかかりやすいとされています。ただし体重が多いといっても、脂肪が増えているのか、筋肉が多いのか、水分の過剰なのかということで意味は違ってきます。 また、脂肪の分布も重要であり、特に内臓脂肪型肥満は健康障害を伴いやすいと言われています。 肥満が、糖尿病をはじめ多くの生活習慣病の危険因子になっていることはいうまでもありません。 肥満と判定される人で、肥満と関連した健康障害を合併するか、その合併が予測される場合、あるいは内臓脂肪型肥満のようなハイリスク肥満があり、医学的に減量を必要とする病態を肥満症と定義しています。
肥満指標BMIを利用するに当たっての注意事項
高肥満状態が虚血性疾患や糖尿病などの生活習慣病の発生リスクが高くなるという研究結果はありますが、BMI値を適正値(22)に近づければ絶対に健康で病気をしないと保証するものではありません。あくまでも統計的な手法で出した適正値であり適正値に近づける事に加熱しすぎないようご注意ください。肥満を体重と慎重で表現するのに限界があるのも事実です。
妊婦さんのBMI値
妊婦さんや乳幼児及び幼児は、成人のBMIとは別の表があります。もし、妊婦さんやお子様のBMIをお知りになりたいならば下の表を参考に適正範囲であるかか確認してみてください。太りすぎだからと言って無理なダイエットなどはお子さんに成長に大きく影響が出る可能性があります。こまめに注意しながら日ごろの栄養摂取に注意してみてください。妊婦さんと幼児の栄養についてはここのコーナーで紹介したいと思います。
肥満と健康の関係について
BMI値が高くメタボリックシンドロームと健康診断で多くの人が指摘されているかと思います。しかし、肥満は、放置すれば生活習慣病など様々な疾患の原因になるリスクが高いと言えます。具体的に肥満が健康に与える影響について簡単に説明したいと思います。国立がん研究センターなどの報告によると、中高年の日本人にとって死亡リスクが最も低くなるBMIは、21-27に範囲であることが示されました。下の図は、BMIによる全死因および死因別の死亡のリスク(ハザード比)を男女別にグラフにしたものです。BMI23-25を基準(ハザード比=1)として、各BMIグループと比較した相対リスクで示しました。死亡率に影響を与えうるBMI以外の要因(年齢、地域、喫煙、飲酒、高血圧の診断歴、糖尿病の診断歴、余暇のスポーツ・運動)について、それらの偏りが結果に影響を与えないように、ハザード比には統計的補正が施されています。
男性の死因ではBMIが23未満で死亡リスクが上昇
死亡リスクはBMIが25-27のカテゴリーで最低であり、それよりBMIが高値カテゴリーでは上昇に転じるのですが、統計学的に有意に高くなるのはBMI30-40のカテゴリー(肥満)だけです。死亡リスクの上昇は、むしろBMI低値(やせ)の方がより顕著であり、グラフは「逆J型」の曲線を描きます。死因別に見ると、「がん」と「その他」の死因による死亡リスクは「全死因」同様「逆J型」の曲線を描きますが、「心臓病」と「脳血管疾患」による死亡リスクは、BMIの高低による上昇が拮抗しているか、またはBMI高値の場合により顕著な上昇が見られ、そのグラフは「U型」または「J型」の曲線を描いています。
女性の死因でも男性同様
女性の「全死因」による死亡リスクのグラフも、男性と同様、「逆J型」の曲線を描きますが、「がん」による死亡リスクについては男性の場合と異なり「逆J型」が見られず、統計的に有意なリスク上昇がみられるのはBMI30-40カテゴリー(肥満)においてのみでした。「心臓病」と「脳血管疾患」の死亡リスクについては男性の場合と同様「U型」または「J型」の曲線が見られました。
脳卒中や心筋梗塞の原因
肥満であるという事は、体内に脂質(脂肪)を蓄えている状態です。この状態が長く続くと血液には大量の脂質が含まれ血行が悪くなる事があります。血液中に流れる濃厚な脂肪が血管を塞ぎ血流を止めてしまう事で発生するのが脳梗塞や心筋梗塞などです。血流を止めなくても高血圧のリスクも高いといわれています。また、体内の血液が必ず循環する肝臓にも濃厚な脂質は悪さをします。肝細胞に脂質が蓄積し肝硬変肝脂肪の原因となります。
糖尿病のリスクが非常に高くなる
糖尿病になりやすい体質を持って生まれた人は、肥満や運動不足、ストレスが原因で糖尿病になりやすいのです。糖尿病になりやすい体質を持って生まれた人は、肥満や運動不足、ストレスが原因で糖尿病になりやすいのです。糖尿病は、すい臓から分泌されるインシュリンの作用が足りないために、体内で栄養の新旧交代が正常に行われず、多くの合併症を引き起こす原因となる病気です。
肥満の方に朗報かな?
最近の研究では、適正体重より若干太り気味の方が一番長生きしているという統計結果が出ています。これは厚生労働省の研究班(研究代表者=辻一郎東北大教授)による40歳代のBMIと平均余命を調査した研究で、太り気味(BMI:25以上30未満)の人が最も長命である結果が得られた。「太り気味の人」に次いで、普通体重(BMI:18.5以上25未満)の人、肥満(BMI:30以上)の人、やせた(BMI:18.5未満)人、の順で平均余命が高いことが判明した。なので、あまり標準体重にこだわりすぎず、でも太りすぎ痩せすぎには注意を。ちょっと太っても気にしないような性格も長生きする秘訣かもしれません。
その他の健康診断の検査一覧
血液検査項目 | 血液検査結果からわかること | ||
肥満度 | 肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。 | ||
血圧 | 脳卒中や心筋梗塞などの原因となる高血圧、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 | ||
血 清 脂 質 検 査 |
T-Cho | 総コレステロールが高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発する。脂質(油・脂)を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています | |
HDL-C | 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞や心筋梗塞などの病気を誘発してしまいます。 | ||
LDL-C | 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。 | ||
中性脂肪 | 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化や脂肪肝の原因になります。 | ||
貧 血 な ど |
赤血球数 | 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。 | |
ヘモグロビン | 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。 | ||
ヘマトクリット | 血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。 | ||
白血球数 | 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病、がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。 | ||
腎 機 能 |
尿 検 査 |
尿たんぱく | 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。 |
尿潜血 | 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。 | ||
血液 | クレアチニン | 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。 |
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痛風 検査 |
尿酸 | 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 | |
肝 機 能 検 査 |
ZTT | 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎や肝硬変が疑われます。 | |
血清酵素 | GOT | GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎や脂肪肝、肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 | |
GPT | |||
γーGTP | アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。 | ||
ALP | 肝臓、骨、小腸・大腸、腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。 | ||
総たんぱく | 清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎や肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。 | ||
総ビリルビン | ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。 | ||
糖 尿 病 |
尿糖 | 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎、甲状腺の機能障害などの疑いがあります。 | |
空腹時血糖 | 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 | ||
HbA1c | 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。 | ||
便潜血反応 | 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。 |