アラニンアミノトランスフェラーセ(GPT,ALT)゙の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
アラニンアミノトランスフェラーゼ | GPT,ALT | 5~40 | U/l |
アラニンアミノトランスフェラーゼ(GPT,ALT)検査の目的
GPT(ALT)検査は、肝機能が正常に働いているかを検査しています。GPT(ALT=グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)は、本来肝臓の細胞の中にある酵素で、何かしらの障害によって肝細胞がこわれると血液の中にGPT値が上昇します。また、同じ肝機能検査でもあるγ-GTPも逸脱酵素です。肝炎ウイルスや薬物などで肝臓の細胞がこわれたのを測る検査として利用されています。γ-GTPは肝実質細胞に加え、胆道の細胞からも逸脱してきますが、GPT(ALT)は肝細胞にしかありません。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(GPT,ALT)の検査結果からわかる病気
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 急性肝炎、アルコール性肝炎、胆汁うっ帯、脂肪肝、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、肝硬変 |
基準値より低値 | ピリドキサルリン酸欠乏、慢性透析 |
【備考】 GOT(AST)/GPT(ALT)<1(GOT(AST)値が小さい)…慢性・急性肝炎、脂肪肝、肝硬変初期、胆汁うっ滞など GOT(AST)/GPT(ALT)>1(GOT(AST)値が大きい)…劇症肝炎、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、進行した肝硬変、溶血、うっ血性心不全、心筋梗塞など GOT(AST)/GPT(ALT)>2(GOT(AST)値が2倍超)…原発性肝がん、筋ジストロフィー 【関連項目】 総ビリルビン、直接型ビリルビン、総たんぱく、アルブミン、コリンエステラーゼ、チモール混濁試験、硫酸亜鉛混濁試験、AST(GOT) ALT(GPT)、γ-GTP、アルカリフォスファターゼ、ロイシンアミノペプチターゼ、乳酸脱水素酵素、インドシアニン・グリーン、アンモニア、総コレステロール、B型肝炎ウイルス表面蛋白抗原、C型肝炎ウイルス核酸定性、C型肝炎ウイルス核酸定量 |
肝臓の機能低下によりGPT(ALT)値は上昇
GOTとGPT(ALT)はほとんど同じ働きの酵素になります。しかし、GPT(ALT)は肝臓の細胞にだけあるのに対して、GOTは肝臓の細胞以外にも心臓の筋肉や手足の筋肉、血液の赤血球の中にもあるという点で少しことなります。ですので、心筋梗塞や筋肉がこわれた場合、あるいは赤血球がこわれた場合(溶血)には、GOTの値のみが上昇し、GPT(ALT)の値は上がらないことがあります。 肝臓の機能低下の場合、GOTとGPT(ALT)ともに上昇をします。