ヘモグロビン(Hb)|血液検査結果と病気

ヘモグロビン(Hb) 健康診断で行う血液検査

ヘモグロビン(hemoglobin)は、健康診断で行う血液検査です。ヘモグロビンの主な働きは、肺で酸素と結合し血流で末梢組織まで酸素を送り届け、末梢組織でヘモグロビンは二酸化酸素と結合し血流で肺まで送り届けられます。ヘモグロビンに含まれている赤色素であるヘムは、赤色を帯びており、酸素がヘモグロビンと結合すると鮮やかな赤色となるため動脈血の鮮やかな赤色、静脈血の赤黒い血液となる理由です。 ヘモグロビンは、ヒトを含む全ての脊椎動物や一部のその他の動物の血液中に存在する赤血球の中にあるタンパク質の1つで肺と細胞との間で酸素や二酸化炭素を運搬する機能をもちます。しかし、赤血球や赤血球に含まれているヘモグロビンの量が減少する事で、全身に送り届けられる酸素の量は減少し、動悸、眩暈、息切れなどの症状が出る事があります。この様な症状を貧血といいますが、赤血球数が正常であっても、その赤血球に含まれるヘモグロビン量が十分に無い状態でも症状があらわれます。特に若い女性の貧血は、ヘモグロビンに含まれるヘム鉄が減少する事により発生する鉄欠乏性貧血であります。女性の場合、月経(生理)による失血で体内の鉄分が失われますが、無理なダイエットや偏食などにより若い女性の実に1/3~1/2は鉄分の欠乏による貧血症(またはその予備軍)ともいわれています。貧血と診断された方には、レバーやほうれん草などの鉄分を多く摂取しする事を指導します。出来れば。植物性の鉄分より動物性の鉄分の方が吸収効率がよく良くお勧めですが、レバーなど苦手な方も多いので無理をせず、植物性や小魚など上手に摂取する事をすすめています。


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ヘモグロビン 血液検査の目的

赤血球は血液の主要な構成成分で、酸素を肺から各組織へ運ぶ働きがあります。赤血球数またはヘモグロビンの量が非常に少ない状態が続くと、動悸、眩暈、息切れなどの症状が出る事があります。この様な状態を貧血といいますが、日本国内で貧血と診断される患者さんの多くは女性です。一方、男性の貧血患者は少なく、男性が貧血の場合には、内臓疾患等の疑いがあり十分に注意する必要があります。ヘモグロビン血液検査の結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、ヘモグロビンの検査結果の値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。貧血には、赤血球の数が減ると同時に1個の赤血球に含まれるヘモグロビンも減る小球性低色素性貧血と、1個の赤血球に含まれるヘモグロビンの量は同じで、赤血球の数が減少する正球性正色素性貧血とがあります。赤血球数とヘモグロビン量とを比較することによって、いずれかの判別ができます。また、輸血を行なう際の指標としても用いられています。 ヘモグロビンは赤血球の中にある

ヘモグロビンの基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
ヘモグロビン Hb 男:13.3~17.4
女:11.2~14.9
g/dL

赤血球数は血液中の赤血球の数を数え、ヘマトクリットは全血液中の赤血球の容積率、ヘモグロビンは全血液中のヘモグロビンの量を測るものです。この3つを調べる事で血液状態を把握する事ができ、輸血などの判断指標にされます。赤血球数は、男性では1マイクロリットルのなかに420~570万個、女性では380~500万個含まれています。ヘマトクリットは男性は40~52%、女性では33~45%。ヘモグロビンは男性が1デシリットルのなかに13.5~18g、女性では11.5~16g程度です。また、平均赤血球容積(MCV)が83~99μm3、平均赤血球血色素量(MCH)が27~31pg、平均赤血球血色素量(MCHC)が32~36%が基準値となっています。MCV、MCHCが基準値の下限を下回っていた場合は小球性低色素性貧血(鉄欠乏性貧血など)、MCVが増加すれば大球性色素性貧血(悪性貧血など)、MCVおよびMCHCがともに正常であるものにもかかわらず、貧血を呈する場合は正球性正色素性貧血(再生不良性貧血、溶血性貧血など)と診断されます。貧血の正確な判定にはヘモグロビン量、赤血球数、ヘマトクリットの値を一定の公式にあてはめて算出する赤血球恒数(赤血球指数)が用いられます。赤血球恒数は、貧血の原因、種類、性質などを区別する上で有効な検査で、次のようなものがあります。MCVが上昇しMCHが正常な場合には、大球性正色素性貧血(ビタミンB12葉酸の不足が原因で起きる悪性貧血)、MCHとMCVが正常な場合には正球性正色素性貧血(赤血球が脊髄で作られない再生不良性貧血、赤血球が破壊される溶血性貧血など)、MCHとMCHCの両方が低い場合には小球性低色素性貧血(鉄欠乏性貧血のことで)の可能性が高いです。

ヘモグロビン(Hb)の検査結果からわかる病気

ヘモグロビンの血液検査結果が異常な値を示すと様々な疾患の疑いがあります。ヘモグロビンが基準値より低いと貧血を疑いますが、逆にヘモグロビンが基準より高い場合も血球増加症などの疾患があり注意が必要です。血球増加症は、肺気腫などの慢性肺疾患、先天性心疾患に多く見られます。真性多血症真性多血症は、全ての血液細胞の元となる造血幹細胞が腫瘍となる病気で、慢性骨髄増殖性疾患の一種です。

ヘモグロビン検査で異常があったらどうするか?

健康診断などでヘモグロビンの血液検査で異常が確認された場合、精密検査で貧血の原因を調べます。正色素性貧血であれば専門医の指導で治療を受けます。また、体のどこかに出血があればその原因を調べ治療をすることが必要です。小球性低色素性貧血では、ヘモグロビン内に存在する鉄が欠乏し、ヘモグロビンの合成能力が低下して貧血が起きているので、牛・豚・鶏のレバー、生かき、ごま、ナッツ類、緑黄食野菜などの鉄分を多く含む食品を日常的に摂るようにしましょう。そうすれば1~3ヶ月で治ります。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 赤血球増加症、真性多血症、脱水症状
基準値より低値 貧血 (鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血)
【備考】 ヘモグロビン量は、男女によって異なります。男性は女性よりも1単位(dl)あたりに含まれるヘモグロビン量は多くなります。その為、ヘモグロビンの基準値は、男女によって異なります。また、女性は、検査を行う時期によってもヘモグロビンの値が異なりますので注意が必要です。これは、生理による失血によるもので、初潮を迎えていない子供や閉経後の女性のヘモグロビンは安定していますが、経時は出血に伴いヘモグロビンも放出される為数値は低い数値を示します

(参考)赤血球関連血液検査による疑われる疾患

サイズ MCV
(fL)
MCH
(pg)
MCHC
(%)
疑われる疾患
正球性 80~100 26~34 32~36 溶血性貧血 再生不良性貧血 白血病 感染症 悪性腫瘍 肝・腎臓疾患など
小球性 <80 ≦25 <30 低色素性貧血 鉄欠乏性貧血 鉄芽球性貧血 サラセミア症候群 無トランスフェリン血症など
大球性 >100 ≧35 ≧30 巨赤芽球性貧血 葉酸欠乏性貧血 非巨赤芽球性貧血 再生不良貧血 肝臓疾患など

赤血球やヘモグロビン量が減少する貧血は、原因によっていくつかの種類に分類されますが、前述の平均赤血球容積(MCV)と平均赤血球色素濃度(MCHC)の数値を比較することによって、それを診断することができます。

ヘモグロビンの値が低いと貯蔵鉄が減少している

ヘモグロビン血液検査の血中濃度が低い数値を示す場合は、肝臓などに蓄えられている貯蔵鉄も既に枯渇している可能性があります。貯蔵鉄とは、私たちの体には、鉄を蓄積する機能があります。鉄を含むヘモグロビンは、酸素や二酸化炭素を運搬する重要な働きをするものです。このヘモグロビンが不足する事は非常に重大な事であり、常に欠乏をしないようにフェリチンという形で肝臓に貯蓄され、不足すると血液中に流れ出る形で常時ヘモグロビンの合成を行えるように機能しております。貧血症状の原因が、鉄の欠乏症によるものである場合は、この貯蔵鉄が既になくなりヘモグロビンの合成が出来なくなっている可能性をあらわしているとも言えるのです。また、鉄欠乏性貧血以外にも貧血症状を招く可能性のある疾患は幾つもありますが、ヘモグロビン測定検査で異常値が発見されるケースでは他の血液検査や尿検査などを行い貧血症状を起こしている原因を突き止めていくことになります。

その他の健康診断の検査一覧

血液検査項目 血液検査結果からわかること
肥満度 肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
血圧 脳卒中心筋梗塞などの原因となる高血圧、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 





T-Cho 総コレステロールが高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞脳梗塞などの病気を誘発する。脂質(油・脂)を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています
HDL-C 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞心筋梗塞などの病気を誘発してしまいます。 
LDL-C 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。
中性脂肪 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化脂肪肝の原因になります。 



赤血球数 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。
ヘモグロビン 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。
ヘマトクリット 血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。
白血球数 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。


尿

尿たんぱく 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。
尿潜血 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。
血液 クレアチニン 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。
痛風
検査
尿酸 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 




ZTT 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎肝硬変が疑われます。
血清酵素 GOT GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎脂肪肝肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
GPT
γーGTP アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。  
ALP 肝臓、骨、小腸大腸腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。
総たんぱく 清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。
総ビリルビン ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。

尿
尿糖 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎甲状腺の機能障害などの疑いがあります。
空腹時血糖 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 
HbA1c 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。
便潜血反応 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。

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