糖尿病などで血糖値が高い状態が続くので腎臓での糖の処理能力が限度を超えて尿中に糖が漏れ出てきます。

尿糖

尿糖とは尿から糖が出ることです。糖(ブドウ糖)は、生命を維持する為の重要な栄養源で血液の中の糖は一定の水準で維持されており、健康な人の尿から糖が出る事はありません。血液中の糖(血糖)は膵臓から分泌されるインシュリンというホルモンの働きで分解されてエネルギーに変わり、残りは水と二酸化炭素になって体外に排出されます。また、余った糖も尿中にでることはなく尿細管で吸収されて血液中に戻る仕組みとなっています。健康な人の糖のサイクルは上の説明の通りでブドウ糖がかなり高値になっても尿中に漏出させない仕組みになっていますが、糖尿病などで血糖値が高い状態が続くので腎臓での糖の処理能力が限度を超えて尿中に糖が漏れ出てきます。糖尿病については、専用のページを立ち上げますので、参考にしてください。(ここでは簡単に説明してあります。)

尿定性で陽性になったら

糖尿病のスクリーニング検査です。尿糖が陽性だからといって必ずしも糖尿病とはいえませんが、陽性の方は糖尿病の精密検査をおすすめします。この糖定性検査だけでは糖尿病とは診断できませんので血糖検査やブドウ糖負荷試験を行い空腹時血糖値が140mg/dlをこえ、随時血糖値が200mg/dlを越えると糖尿病と診断されます。

  糖尿病について糖尿病の専門ページがあります。血糖値の高い方は参照してください。

尿糖の基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
尿糖(糖尿)定性試験 (-)~(±)

尿糖検査の目的

尿糖(糖尿)定性試験は、一般的な血液検査になります。
尿糖(糖尿)定性試験は、糖尿病のスクリーニング検査です。尿糖が陽性だからといって必ずしも糖尿病とはいえません。

尿糖検査で何を調べているのか?

生命を維持するのに必要なブドウ糖。このブドウ糖は本来であれば血液中に出る事は無いが肥満や遺伝的な理由で高い状態が続き尿中排泄される事があります。糖尿の症状まで高い血糖値になる事は体に様々な負担がかかり合併症を誘発させる原因にもなっています。尿糖検査は糖尿病を見つけ出すスクリーニングとして行なわれ、陽性の方は精密検査を受診される事をおすすめします。

尿糖の検査結果からわかる病気

尿糖(糖尿)定性試験が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 糖尿病、甲状腺機能亢進症、胃切除後症候群、脳疾患(脳腫瘍など)、膵炎、クッシング症候群など
基準値より低値

 【備考】
尿中一般物質定性半定量検査 院内で検査を行った場合のみ算定できる。ただし、尿中一般物質定性半定量検査は判断料は算定できない。検査当日の食事はふつうにとってかまいませんが、飲酒は控えてください。

【関連項目】
尿糖空腹時血糖HbA1c
 
  

その他の健康診断の検査一覧

血液検査項目 血液検査結果からわかること
肥満度 肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
血圧 脳卒中や心筋梗塞などの原因となる高血圧や、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 





T-Cho 数値が高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発してしまう。脂や脂肪分を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています。
HDL-C 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞や脳梗塞などの病気を誘発してしまいます。 
LDL-C 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。
中性脂肪 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化や脂肪肝の原因になります。 



赤血球数 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。
ヘモグロビン 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。
ヘマトクリット 血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。
白血球数 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病、がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。


尿

尿たんぱく 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。
尿潜血 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。
血液 クレアチニン 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。
痛風
検査
尿酸 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 




ZTT 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎や肝硬変が疑われます。
血清酵素 GOT GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎や脂肪肝、肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
GPT
γーGTP アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。 
ALP 肝臓、骨、腸、腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。
総たんぱく 血清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎や肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。
総ビリルビン ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。

尿
尿糖 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎、甲状腺の機能障害などの疑いがあります。
空腹時血糖 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 
HbA1c 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。
便潜血反応 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。