尿タンパク|検査結果と病気

尿タンパク(UP) 健康診断で行う血液検査

尿タンパク(UP)検査は、尿の中にたんぱく質が含まれているかどうかを調べるもので、慢性腎臓病(CKD)などの早期発見に役立ちます。腎臓は腰より少し上の背中側に左右1つずつあり、1つの大きさは握りこぶしほどです。腎臓は、老廃物を体から出し、血圧を調整し、赤血球を作り、体の水分や電解質の調節し、骨を作るなどのさまざまな役目を担っています。血液によって腎臓に運ばれた体の中にある不要物は、余分な水分といっしょに尿として排泄されます。こうして老廃物を処理するとともに、全身の血液や体液の成分を一定に保っているのです。健康な人の尿には、一般的にはタンパク質はほとんど出てきません。腎臓や体のどこかに異常があると尿タンパク検査以外からも尿の成分や性質、量などに影響が出ます。尿から通常はタンパク質が出ることはないですが、激しい運動や病気など大きく分けて4つの原因が考えられます。①病気など原因は無いが生理的に尿タンパクが出る体質の方 ②脊柱の前彎などにより腎静脈が圧迫され腎うっ血が惹起されて生じ病的でない健常者に見られるタンパク尿(体位性タンパク尿) ③運動性タンパク尿は運動によって病的でない健常者に見られるタンパク尿 ④病的タンパク尿はなんらかの病気によって見られるタンパク尿などがあります。


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尿タンパク(UP)の検査目的

尿タンパクの検査

尿タンパクの検査では、尿にタンパク質が含まれているかを検査します。腎臓が血液をろ過して、体内にある液状の老廃物を尿として排泄するとき、血中のタンパク質は体に必要な物質であるため、尿ではなく再び血液に戻される仕組みです。タンパク質は体を構成する重要な成分であり健康な人の尿の生成では回収され排出されない仕組みとなっておりますが、腎臓がうまく機能していないと、尿タンパクの検査で陽性反応を示します。尿タンパク検査で一定量を超えるタンパク質がある場合を「タンパク尿」といい、腎臓や尿路系に異常があると考えます。尿たんぱくの検査は、検診時では採尿していただきました尿にリトマス試験紙みたいな試験紙や試薬を使って調べる定性検査、1デシリットルの尿の中に含まれるタンパク量を調べる定量検査を行います。尿タンパク検査用の簡易的な容器(紙コップ)に、通常の尿検査と同様に排尿を採取して、尿タンパク用の試験紙で検査をします。尿タンパクの試験紙が黄色いときは陰性(-)、緑になるほど陽性(+)です。陽性(+)は異常値と考えて再検査を行います。ただし、腎臓や尿路系にとくに異常がなくても、発熱時や立ちっぱなしでいるとき、運動のあと、精神的ショックや疲れなどで一時的に尿タンパクの試験紙が陽性になることがあります。

尿タンパクの検査と基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
  尿タンパク検査 UP ( - )
陰性

尿タンパク検査で疑いがある腎臓の機能低下は、いろいろな病気が原因で起こります。とくに高血圧症、糖尿病脂質異常症、高尿酸血症、肥満などがある人や、喫煙者、家族に腎臓病患者がいる人などは注意が必要とされます。尿タンパク検査が「陽性」あるいは複数回「弱陽性」の場合は、必ず再検査を受け適切な治療を行うとともに、次のような生活習慣の改善も心がけてください。糖尿病の場合は、クレアチニンがそれほど高くなくても、重度な腎機能障害となっている場合が多いです。腎障害がある程度進行してしまうと、後戻りができません。早く気づいて、早めに具体的なアクションをとりましょう。  

  • 塩分の多い食事、味付けの濃い食事を控える
  • 肉類などたんぱく質をとり過ぎない
  • 肥満の予防・解消のため、食べ過ぎを控え、適度な運動習慣をつくる
  • 禁煙する糖尿病の方は尿たんぱくよりも感度が高い「尿アルブミン」の可能性が高い

検査での注意事項

尿タンパク検査で正確な診断を行う為に採尿する際には、「中間の尿」を取るとよいでしょう。最初の尿は、陰部の汚れ等が尿に混じり汚れが含まれることで正しい診断が出来ない場合があります。また、尿タンパク検査前に陰部を綺麗にする目的で、トイレットペーパーなどで軽く拭いたり洗浄することも大切です。前日は激しい運動や発熱、ストレスなどがかかると、腎機能は正常にも関わらず、一時的にタンパク質が出てしまうことがあります。尿タンパク検査前日には過度な運動を避け、なるべくゆっくりリラックスして過ごすことが大切です。

尿タンパク(UP)の検査結果からわかる病気

尿タンパク検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、尿タンパク検査が基準値から大きく乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 腎前性タンパク尿:多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、H鎖病、特発性L鎖病、アミロイドーシス 、ネフローゼ症候群、Alport症候群、Goodpasture症候群、ループス腎炎、皮膚筋炎、全身性硬化症などの膠原病、慢性腎臓病(Chronic kidney disease; CKD)、尿路感染症、尿路結石による出血、膀胱腫瘍
基準値より低値
【備考】 軽度の蛋白尿のみで他に異常が見られない場合は、定期的に検査を受け、経過を観察すればいいでしょう。
【関連項目】 尿たんぱく尿潜血クレアチニン

尿タンパクの検査結果が異常値を示した場合は、同様の検査を複数回行います。尿タンパクは、病気ではなく生理的な減少で一時的に検出されたりする事もあるので、尿タンパク検査を実施し異常が認められる場合には、腎臓の働きになんらかの異常があり、血液をろ過する能力が低下し不要な老廃物を除去できなくなっていると思われます。その為、尿タンパクより詳しい検査を行うために腎臓専門医がいる内科や泌尿器科で血液検査や尿中成分の定量検査、尿沈渣、尿潜血反応、超音波検査、CT検査、腎盂(尿路)造影などの精密検査で総合的に診断されます。慢性腎臓病になると、脳卒中心筋梗塞などの重大な病気が引き起こされる危険が高まります。さらに、慢性腎臓病が進行すると腎臓が機能しなくなる腎不全に陥り、生命を維持するために人工透析や腎臓移植などが必要になります。慢性腎臓病にはほとんど自覚症状がないため、異常に気づかなかったり、放置されたりしがちです。病気が進行すると疲れ、めまい、貧血、むくみなどの症状があらわれてきますが、そのころには腎不全の段階にまで進んでいた、ということにもなりかねません。そのため、病気の早期発見・早期治療が重要なのです。膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症、腎炎、ネフローゼ症候群と診断されたら、安静にして、医師から指示された薬を服用しなくてはなりません。また、腎炎やネフローゼ症候群の場合は、運動の制限や食事療法が必要になります。腎障害の基本は食事療法にあると、言われるほど食事療法は大切ですので、医師の指示する食塩とタンパク質の1日の摂取量を忠実に守ることが大切です。腎臓病以外の原因による良性のタンパク尿は、もとの病気が治れば消えます。妊娠中にタンパク尿が出た場合には、妊娠中毒症が疑われますので、ただちに産婦人科で適切な処置を受けましょう。妊娠中毒症は、最近では「妊娠高血圧症候群」と言われている疾患です。この病気は、なんらかの原因で妊婦さん自身が高血圧となるものです。 持続してしまうことで腎臓に大きな負荷がかかってしまい、最悪の場合妊娠を継続できなくなる恐れがあります。そのため、妊娠中の方は検診の前に必ず尿検査を行い、尿タンパクが出ていないかを確認します。

その他の健康診断の検査一覧

血液検査項目 血液検査結果からわかること
肥満度 肥満度(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
血圧 脳卒中心筋梗塞などの原因となる高血圧、低血圧などを判定。測定値は、日によって、また時間によって変動するので、何回か測ることが必要。 





総コレステロール 総コレステロールが高いと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞脳梗塞などの病気を誘発する。脂質(油・脂)を多くとりがちな食生活の欧米化の影響で、高い人が増加しています
HDLコレステロール 血管内に付着する脂肪分を取り除き、動脈効果を防ぐことから「善玉コレステロール」と言われています。低いと心筋梗塞心筋梗塞などの病気を誘発してしまいます。 
LDLコレステロール 比重の低いリポ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。
中性脂肪 体内の脂肪の主な成分でエネルギーとして利用され、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満、食べ過ぎ、飲みすぎで上昇し、動脈硬化脂肪肝の原因になります。 



赤血球数 血液中の赤血球数を調べ、低いと貧血が疑われます。生理出血の増加や、鉄分が不足している場合も低くなることがあります。
ヘモグロビン 赤血球の成分のひとつで、主に血液中の酸素を運搬する役割を果しています。
ヘマトクリット 血液中の赤血球の容積の割合(%)を表し、低い場合は貧血の疑いがあります。
白血球数 白血球は、外部から進入した病原体を攻撃する細胞で、高いと感染症や白血病がんなどが疑われます。外傷がある場合や喫煙、ストレス、風邪などでも上昇します。


尿

尿たんぱく 尿中に排泄されるたんぱくを調べ、腎臓病などの判定に用います。激しい運動の後、過労状態のとき、発熱時などに高くなることもあります。
尿潜血 尿中に血液が出ていないか調べます。陽性の場合、腎臓病や尿路系の炎症が疑われます。
血液 クレアチニン 筋肉内の物質からつくられ、尿から排泄されるクレアチニンの量を測り、腎臓の排泄能力をチェックします。高い場合、腎機能障害や腎不全が疑われます。
痛風
検査
尿酸 尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解してできた老廃物です。代謝異常により濃度が高くなると、一部が結晶化し、それが関節にたまると痛風になります。 




ZTT 血清に試薬を加えると混濁する反応を利用して、血液の濁りぐあいを測定します。濁りが強いと数値は高くなり、慢性肝炎肝硬変が疑われます。
血清酵素 GOT GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎脂肪肝肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
GPT
γーGTP アルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害を調べる指標となっています。  
ALP 肝臓、骨、小腸大腸腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、臓器に障害があると血液中に流れ出ます。主に胆道の病気を調べる指標となります。
総たんぱく 清中のたんぱく質の総量。高い場合は、慢性肝炎肝硬変など、低い場合は、栄養不良や重い肝臓病が疑われます。
総ビリルビン ヘモグロビンから作られる色素で、胆汁の成分になっています。黄疸になると体が黄色くなるのはビリルビン色素が増加するためです。

尿
尿糖 尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病を見つける指標のひとつとされています。陽性の場合は、糖尿病や膵炎甲状腺の機能障害などの疑いがあります。
空腹時血糖 空腹時の血液中のブドウ糖の数値(血糖値)を調べ、糖尿病をチェックします。糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖付加試験を行います。 
HbA1c 血糖検査では、血液を採取したときの値しかわかりませんが、HbA1cは120日以上血液中にあるため、長時間にわたる血糖の状態を調べることができます。糖尿病の確定診断の指標に用いられたりします。
便潜血反応 大腸や肛門からの出血に反応し、陽性の場合、大腸のがんやポリープが疑われます。

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