総コレステロール(T-Cho)の基準値
血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
総コレステロール | T-Cho | 140~219 | mg/dl |
総コレステロール(T-Cho)検査の目的
総コレステロールの検査は、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞のリスクを血管内の健康状態を見るうえで重要な役割をしています。動脈硬化を早める因子として、コレステロール値を代表とした脂質異常症(高脂血症)の他に高血圧や糖尿病などの疾患があります。更に生活習慣としては喫煙習慣やストレスが高まりやすい生活においても大きな要因として知られています。
総コレステロール(T-Cho)の検査結果からわかる病気
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | ACTHの長期投与、LCAT欠損症、Weber-christian病、vonGierke病、ストレス、ネフローゼ症候群、下垂体機能低下症、家族性高コレステロール血症、肝癌、急性アルコール性脂肪肝粥状硬化性疾患-冠硬化性疾患、経口避妊薬服用、甲状腺機能低下症、散発性高コレステロール血症、糖尿病、肥満症、閉塞性黄疸、末端肥大症 |
基準値より低値 | アジソン病、α-リポタン白欠損症、悪液質、肝細胞障害、経静脈高カロリー輸液、甲状腺機能亢進症、消化不良症候群、低β-リポタン白血症、貧血、無β-リポタンパク血症 |
【備考】 脂質異常症の診断基準(血清脂質値:空腹時採血) 高LDL-コレステロール血症 :LDL-コレステロール ≧140mg/d 低HDL-コレステロール血症 :HDL-コレステロール <40mg/dl 高トリグリセリド血症 :トリグリセリド ≧150mg/dl ※参考:高コレステロール血症の診断基準 総コレステロール≧220mg/dl 【関連項目】 総ビリルビン、直接型ビリルビン、総たんぱく、アルブミン、コリンエステラーゼ、チモール混濁試験、硫酸亜鉛混濁試験、AST(GOT)AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、アルカリフォスファターゼ、ロイシンアミノペプチターゼ、乳酸脱水素酵素、インドシアニン・グリーン、アンモニア、総コレステロール、B型肝炎ウイルス表面蛋白抗原、C型肝炎ウイルス核酸定性、C型肝炎ウイルス核酸定量 HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪 |
総コレステロール血液検査結果の注意点
総コレステロールの一般的な基準値は、140~219mg/dlですが、閉経後の女性は、ホルモンの影響により上昇する傾向があるため別途総コレステロール値の基準値が定められており、150~239mg/dlとしています。もちろん、総コレステロール値の上昇しやすいため動脈硬化を引き起こしやすい傾向は高まりますので注意が必要です。
尚、総コレステロールの値は個人差が大きい検査として知られており、その大きな要因として遺伝が大きなファクターとして知られています。そのほかに、食生活、生活習慣(ストレス、喫煙など)などによって大きく左右されます。
コレステロール値が高かった人は病院での検査をお勧めします
総コレステロール値が基準値を大きく超えている場合は、動脈硬化のリスクを踏まえて、同系のコレステロール検査のHDLコレステロール、LDLコレステロールそのほかにも、動脈硬化の進行を確認するために眼底検査、CT、MRI、心電図、冠状動脈造影、心筋シンチなどの検査を病院では行います。
動脈硬化予防のためにコレステロールの多い食事を見直しましょう。
これらの検査を受けられ、動脈硬化と診断或いはリスクと診断された方は、動脈硬化進行を予防或いはリスク軽減のためにコレステロールを多く含む食生活を見直しましょう。コレステロールは、動物性脂質を多く含む食品に多く含まれていますので、バターや豚ロース肉、牛霜降り肉、エビ、卵黄など、コレステロールを上昇させる食品は、なるべく控えるようにしましょう。
コレステロール上昇の予防として、植物油や魚油等に多く含まれている「不飽和脂肪酸」、果物や海草には「水溶性の食物繊維」、キノコ類や大豆製品などにはコレステロールを低下させる作用があります。
また、HDLコレステロールは、低下することにより血液中にコレステロールが増えてしまう事になってしまいます。そのため、コレステロールは高いだけではなく、低すぎる場合にも注意が必要です。