ミオグロビン(Mb)の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
ミオグロビン | Mb | 60以下 | ng/ml |
ミオグロビン(Mb)検査の目的
ミオグロビンは、筋細胞が崩壊する際、細胞外へ逸脱し血液中へ流入、尿中への排泄されます。そのため、ミオグロビンの血液検査は、血中、尿中のミオグロビンの測定は心筋梗塞などの筋障害、筋ジストロフィー等の骨格障害における筋組織障害の判定やその重症度の判定を行います。心筋梗塞においては、他の心筋梗塞マーカーと比較して早期にミオグロビンの血中濃度が上昇するため早期診断に適しています。しかし、組織特性は低いため、他の検査と合わせて行う事が必要です。
ミオグロビン(Mb)の検査結果からわかる病気
ミオグロビン | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 多発性筋炎、筋ジストロフィー、急性心筋梗塞、皮膚筋炎 |
基準値より低値 | |
【関連項目】 乳酸脱水素酵素、AST(GOT)、クレアチンキナーゼ、脳性ナトリウム利尿ペプチド、心筋トロポニンT |
ミオグロビン(Mb)の検査結果からわかる病気
心筋梗塞
心筋梗塞の場合、発症後約1~3時間でミオグロビンの値が上昇し始め6~10時間でピークとなり、1~3日で正常となります。心筋梗塞の検査で用いられるクレアチンキナーゼ=ミオグロビンよりも早くピークに達するので、心筋梗塞の早期診断に用いられることがあります。但し、骨格筋疾患でもミオグロビンの値は高値となるためクレアチンキナーゼ=ミオグロビンのように心筋特異性はありません。
心筋梗塞以外の骨格筋疾患
筋ジストロフィー、筋炎などのような筋疾患の場合、筋障害が起こることにより、血液中にミオグロビンが放出されて高値を示します。
甲状腺疾患
甲状腺機能低下症により筋障害が起こることでミオグロビンが高値を示すことがあります。
腎不全
腎機能障害によりミオグロビンの排泄障害が起こると血液中にミオグロビンが溜まってしまうため高値を示すことがあります。
生理的変動
ミオグロビンは、男性の方が女性よりも高値を示します。(その他の影響による変動)激しい運動後や出産時は、一過性に高値を示すことがあります。