心筋トロポニンT(TnT)

心筋トロポニンT(TnT)

心筋トロポニンTTnT)は、筋収縮の調節に関与している蛋白です。平滑筋には存在せず、更に心筋トロポニンT(TnT)は、構造が心筋と他の骨格筋とは異なるため明確に識別することが可能となり、現在使用されている心筋マーカーの中で最も特異的とされています。また、心筋トロポニンT(TnT)は、心筋特異性が極めて高いことから、骨格筋障害を伴うケース(ショックや重症心不全の合併、筋肉注射、カウンターショック、外傷、運動中の発症)において特に有用とされています。心筋トロポニンT(TnT)は急性心筋梗塞発症後3~6時間後で上昇し始め、12~18時間でピークに達し、2~3週間程度高値を維持します。ミオグロビンのように1~2時間程度で上昇するような早期に上昇するものではありませんが、心筋特異性がとても高く、さらに高値を長期間維持するため、急性心筋梗塞の早期を問わず診断検査として活用されています。心筋トロポニンTは心筋細胞においてフィラメントを構成するトロポニン複合体の成分の一つで、分子量約37kDの蛋白である。トロポニン複合体を構成するサブユニットには3種(トロポニンT,I,C)あり、心筋の収縮に関与している。心筋トロポニンTは心筋の損傷を反映して血中に流出するので、急性心筋梗塞の診断補助マーカーとして重視されており、急性心筋梗塞発症3時間後には判定基準を超え、約2週間は高値として検出されるといわれている。高感度測定により、健常人値からの数値上昇が把握できるようになったので、急性心筋梗塞発症のリスク管理等への可能性も示唆されている。


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心筋トロポニンT(TnT)の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
心筋トロポニンT TnT 0.014以下 ng/ml
 

心筋トロポニンT(TnT)検査の目的

心筋トロポニンT(TnT)は、横紋筋の薄いフィラメント上でトロポニンI,Cとともにトロポニン複合体を形成し筋収縮の調節に関与している分子量39,000の蛋白である。心筋トロポニンT(TnT)は、平滑筋には存在せず、構造が心筋と骨格筋とで異なるため、両者を明確に識別することが可能です。現在、最も特異的な心筋障害のマーカーと考えられています。また、心筋トロポニンT(TnT)は、心筋特異性が極めて高いため骨格筋障害を伴う場合(ショックや重症心不全の合併,筋肉注射やカウンターショックの施行,外傷の合併,運動中の発症など)に特に有用である。トロポニンTによる血液検査は、心筋の構造蛋白であるが、一部が細胞質にも存在するため心筋梗塞発症早期(3~6時間後)から2~3週後まで有意の上昇が持続する。このため発症後、時間を経て来院した患者の診断には有用であり、PTCAなどの治療における効果の判定にも利用される。 

心筋トロポニンT(TnT)の検査結果からわかる病気

心筋トロポニンT(TnT) 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 心筋梗塞、 急性心筋梗塞、 狭心症、 心筋炎、 心筋壊死、 微小梗塞、急性心筋梗塞(早期ばかりでなく,従来の酵素やミオグロビンでは検出不可能であった発症10~14日後でも高値を持続する.また微小梗塞の診断にも有用)心筋炎,心臓手術に伴う心筋壊死狭心症(高値の場合には高率に心筋梗塞へ移行する)
基準値より低値
【備考】
急性心筋梗塞診断のカットオフ値 0.100ng/ml

【関連項目】 
乳酸脱水素酵素AST(GOT)クレアチンキナーゼ、脳性ナトリウム利尿ペプチド心筋トロポニンT

心筋損傷が疑われるため,心電図,早期診断指標(発症後数時間)としてのミオグロビン,CK-MMアイソフォーム,CK-MB,LD1,ミオシン軽鎖Ⅰを検査する.また,超音波検査や核医学検査,あるいは冠動脈造影などを行う。cTnTは筋ジストロフィー症,皮膚筋炎,あるいは甲状腺機能低下症などで筋肉が変性すると偽高値となる.このため,骨格筋疾患や甲状腺機能低下症の有無をチェックする.長期間保存では検体中の骨格筋由来TnTが変性するために,cTnTが変動することがある.適切な検体保存であるかをチェックする。

トロポニンは筋肉を構成する蛋白質の一つで、トロポニンT、トロポニンI、トロポニンCで複合体を形成し、ミオシン等とともに心筋や骨格筋の収縮調節を担っています。トロポニンCは心筋と骨格筋のアイソフォーム(立体構造)が同じであるのに対し、トロポニンTとトロポニンIは異なるため、心筋トロポニンTおよび心筋トロポニンIは心筋特異性が高く、心筋の壊死を伴う心筋障害を反映するマーカーです。 虚血性心筋障害ではまず心筋の細胞膜が傷害され、CK、CK-MB、ミオグロビン、ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)等の細胞質可溶性分画蛋白が血中に遊出します。さらに、虚血が進むと筋原線維が分解され、ミオシン軽鎖、トロポニン等の構造蛋白が遊出します。 従来の測定法では胸痛発症後3時間以内ではミオグロビンやH-FABPには劣り、CKの上昇とほぼ同時期の発症早期3~4時間後から異常値を呈していましたが、最近では高感度定量測定が可能となり、発症3時間以内の超急性期においても高い診断精度が示され、急性心筋梗塞患者の早期診断や急性冠症候群患者のリスク評価に有用な検査として重要視されています。 トロポニンTとトロポニンIの心筋梗塞発症後の血中濃度の経時変化はおよそ近似し、両者ともに異常値を示す期間は遷延します(7~10日)。しかし、トロポニンTの変化の方がより遅延するため、発症1週間ほどの心筋梗塞ではトロポニンTの方が高感度といわれています。逆に、超急性期ではトロポニンIの方が高感度という報告があります。また、トロポニンTは溶血の影響を受けますが、トロポニンIは溶血の影響を受けにくいという違いがあります。 トロポニンは腎で排泄されることから、トロポニンT、トロポニンIともに腎不全患者では高値となりますが、いずれも筋肉注射や運動後では上昇しません。

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