ドロドロ血液となる原因は?
先ほどのページではドロドロ血液とはこんな感じという話をさせていただきましたが、ここではその状態を引き起こす原因について書いていきたいと思います。
糖尿病がドロドロ血液を引き起こす
生活習慣病である糖尿病は、血糖値の上昇を招きますので結果としてドロドロ血液の原因となります。また、糖尿病は糖尿病性腎症などを引き起こす原因となりますので、腎臓の働きの低下により老廃物がたまりやすい原因となりドロドロ血液をさらに亢進させることとなります。
脂質異常症はドロドロ血液の最たるもの
脂質異常症は、脂質(中性脂肪やコレステロール)が血液中に増加してしまう疾患を言いますが、脂質過剰はドロドロ血液を招くことになりますので、注意が必要です。また、脂質異常症は生活習慣病といわれる通り、暴飲暴食、運動不足その他生活習慣の乱れによるものですので、結果として糖尿病などの生活習慣病を引き起こすことになります。
水分摂取不足
単純に血液中の水分が不足している状態です。血液中の水分が不足することにより、血液中の固形成分の割合が上昇するためドロドロ血液となります。水分補給はまめに行うようにしましょう。特に冬の寒い間は水分の摂取量が極端に減りドロドロ血液の原因となります。
赤血球の変形能低下
実はドロドロ血液の大きな要因は赤血球の変形能の低下によるものです。血液中の容積率40%を占める血球成分であり、血液の流れに多大な影響が出ます。その赤血球の変形能の低下の原因こそ生活習慣病にあります。特に、高血糖、脂質過剰は赤血球変形能に大きな影響が出ます。
「なぜ、赤血球の変形能が重要なの?」と思われるかもしれませんが、末梢血管の太さ(最小で5μm)は赤血球の大きさ(7~8μm)よりもさらに細いことに起因しています。細いところを大きな赤血球が通るためには赤血球自らが変形して細くなり通るしかないのです。尚、赤血球には真ん中にへこみがありますが、これは変形する際にその中心部に赤血球の容積が移行して細くなるためといわれています。
ストレス過多はドロドロ血液を招きます。
ストレスは体に悪いとよくいわれています。睡眠障害やうつなど様々な精神障害を引き起こします。また、ストレスは難しい話をしますと、交感神経を常に優位にする作用があります。特に、交感神経が優位になることが悪なのではありません。交感神経が常に優位になることが悪なのです。 交感神経は抗ストレス反応で、外敵から身を守る働きがあります。例えば異物や毒を食べたと察知した時は胃酸の分泌を高めそれを無害化しようとします。また、怪我したときなどは出血量を抑えるために血管は収縮します(緊張すると手が冷たくなるのはこのため)。また、意図的に粘度を高めさらに血液の流出量を抑えようとします。 何かから逃げるときにはエネルギーが必要となりますので、運動機能の向上や脳内の働きを高めるために血糖値が上昇します。 このことからわかるように、ストレスは血管の収縮を招き血行低下を招きます。何度も申し上げますが、一時的な作用では問題がありませんが、常にこの状況が続くことが問題なのです。
ドロドロ血液の何が怖いのか
ドロドロ血液はそのまま放置していると、腎臓病や、心疾患、脳血管疾患の原因となり生活の質の大幅な低下や最悪の場合、死を招くこととなりますので注意が必要です。
ドロドロ血液は虚血性心疾患を引き起こします
ドロドロ血液は冠状動脈等の血管の流れを悪くさせ、動脈硬化を引き起こすため結果として狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患を引き起こします。
脳卒中はドロドロ血液が招く
ドロドロ血液は脳血管に影響を及ぼし、動脈硬化を引き起こすため結果として血圧が上昇し、くも膜下出血や脳出血、血管が閉塞し脳梗塞などを引き起こします。