グリコアルブミン(GA)は、過去2週間の血糖値の状態を反映します。

グリコアルブミン (GA)

血液中に存在する蛋白質はすべて、グルコースなどの還元糖によりシッフ反応、アマドリ反応をうけ、糖化蛋白質となる。このうちアルブミンが糖化したものをグリコアルブミンと呼び、糖と接触した時間、糖の濃度に比例してその比率が増加するため、糖尿病における血糖値の指標として用いられる。"glyco-"とは"糖の"といういみ。"glucose"はブドウ糖、"glycogen"はグリコーゲン。ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を換算する場合は3倍にする。(HbA1c 6.5% であれば GA≒6.5 X 3=19.5≒20 %)糖尿病のコントロール目標としては20%未満とする。蛋白に異常を来たす疾患を合併したときでは、測定値に影響をおよぼす事がある。その場合は糖化ヘモグロビン(HbA1c)や1,5AGなどを疾患のコントロール指標とする。
  

グリコアルブミン (GA)の血液検査結果の正常値・基準値

血液検査項目 基準値(参考値)
血液検査名称 略称 数値 単位
  glycosylated albumin GA 12.3~16.5

グリコアルブミン (GA)血液検査の目的

グリコアルブミン (GA) の献血時の血液検は、一般的な血液検査項目になります。

グリコアルブミン (GA)血液検査で何を調べているの

グリコアルブミン(GA)はグルコースとアルブミンが非酵素的に結合して生成される代表的な糖化蛋白である。アルブミンの生理的半減期が約17日であることから、血中のグリコアルブミン量は過去1~2週間の平均血糖値を反映する。グリコヘモグロビン(HbA1C)が過去1~2カ月間の平均血糖値を反映するのに対し、より短期間の血糖変動の指標としてGAは開発された。日常臨床上しばしば認められるヘモグロビン異常症(HbA1Cの異常低値で発見されることが多い)ではHbA1Cに代わる血糖コントロール指標としてGAは有用である。臨床的意義はフルクトサミンとほぼ同様であるが、血清中の共存物質(ビリルビンなど)の影響をフルクトサミンよりも受けにくく、測定対象となる糖化蛋白が特定されるため血糖コントロール指標としての信頼性はより高いとされている。また、特に透析患者においては、糖尿病性腎症合併患者の血糖コントロール指標としてHbA1Cよりも意義が認められる。すなわち、GAは蛋白の糖化度を総量ではなく%で算出するため、比較的低蛋白血症の影響を受けにくい。またHbA1Cと比較しても、腎不全に伴う高窒素血症で生ずるカルバミル化Hb(みかけ上高値をとる)の影響をGAは受けない利点を持つ。

グリコアルブミン (GA)血液検査からわかる疾患

グリコアルブミン(GA)血液検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、白血球の検査値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 糖尿病(高血糖が持続した症例ほど高値)、甲状腺機能低下症
基準値より低値 低蛋白血症(肝硬変、ネフローゼ症候群など)、甲状腺機能亢進症
【備考】

血糖値の変動幅が大きい糖尿病患者やアルブミン濃度の変動が顕著な妊婦の糖尿病コントロール、薬物療法やインスリン投与を行っている患者の治療経過を追う上で有用です。

【関連項目】
空腹時血糖ヘモグロビンA1 cインスリンC-ペプチド
 

その他の献血で行われる検査一覧

検査項目 補足説明
ALT(GPT) 肝臓に最も多く含まれる酵素です。
肝細胞が破壊されると血液中に流れ出すので、急性肝炎で最も強く上昇し、慢性肝炎や脂肪肝(肥満)などでも上昇します。激しい運動の後に一過性の上昇がみられることがあります。
AST(GOT) 心筋や肝臓に多く含まれ、骨格筋、肝臓、血球にも認められる酵素です。心筋梗塞や急性肝炎、アルコール性肝障害などで上昇します。その他運動の後に一過性の上昇がみられることがあります。
γ-GTP 肝、胆道、膵、腎などに多く含まれる酵素です。
上昇する疾患は、閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害などです。病気がなくても、長期飲酒者では上昇することが多く、1ケ月位禁酒するとある程度正常化します。
総淡白(TP) 血清中には80種類以上の蛋白が含まれ、種々の機能を持ち、生命維持に大きな役割を果たします。その総量を総蛋白として測定しています。
アルブミン(ALB) 血清蛋白の50%以上を占めるアルブミンは、病気などで栄養が悪くなると減少するため、健康診断のスクリーニングとして大きな意味があります。
アルブミン対グロブリン比(A/G比) 血清蛋白はアルブミン(A)とグロブリン(G)に分けられ、その比率は健康な人では一定の範囲にありますが、病気によってはその比率が変化(主として減少)していきます。
コレステロール(CHOL) 血清脂質の一つで、一般に脂肪の多い食事を続けていると上昇します。また肝臓などで作られ、肝、胆道、腎、甲状腺の病気でその値が上下することがあります。
血清コレステロールが多くなると、動脈硬化を起こしやすいとされています。
赤血球数(RBC) 赤血球は、血液の主な細胞成分で、酵素を肺から各組織へ運ぶ働きを持っています。
ヘモグロビン量(Hb) 血液の赤い色は、赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)によるもので、赤血球の働きの中心となっています。
ヘマトクリット(Ht)(赤血球容積率) ヘマトクリット値は、一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)をパーセントで表したものです。
平均赤血球容積(MCV) 赤血球1個の平均的容積、すなわち赤血球の大きさの指標となるもので、赤血球数とヘマトクリット値から算出したものです。
平均赤血球ヘモグロビン量(MCH) 赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したもので、赤血球数とヘモグロビン量から算出したものです。
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC) 赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比をパーセントで表したもので、ヘモグロビン量とヘマトクリット値から算出したものです。
白血球数(WBC) 白血球は細菌などを貪食し、免疫情報を伝達しさらに免疫能を発現して生体防御にかかわっています。細菌感染症があると、一般に白血球数は増加しますが、ウイルス感染症の場合はかえって減少することもあります。
血小板数(PLT) 血小板は出血を止めるための重要な働きを持ち、この値が極端に減少する出血を起こしやすくなります。
グリコアルブミン

糖尿病の検査の一つです。過去約2週間の血糖値が低い状態が続いていると低下し、高い状態が続いていると上昇します。糖尿病では標準値より上昇します。標準値範囲内でも15.6%以上の場合は注意が必要です。

B・C型肝炎検査 受付時に結果通知を希望した方には、異常を認めた場合にのみ、献血後1ヶ月以内に親展(書簡の郵便)にて通知されるようになっています。
梅毒検査
HTLV-I抗体検査