梅毒定性 (RPR法)は、性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。

梅毒定性 (RPR法)-病院で行う血液検査

梅毒検査のRPRとは、どのような検査なのでしょうか。 RPRは、RapidPlasmaReaginの頭文字を取ったもので、「RPRカードテスト」という言い方をされることもあります。RPRの原理は、カーボン粒子にカルジオライピン・レシチンという抗原を吸着させて、血中に加えることにより、カーボン粒子の集まりが認められた場合、陽性と判定されます。このRPRの良い点は、陰性陽性の判断が早くできるという点です。梅毒検査には、RPRの他、TPHAやSTSなどの方法がありますが、TPHAやSTSについては、感染後4週間経たないと陽性反応は出ないとされています。また、梅毒に感染していないにも関わらず陽性反応が出ることもあるため、他の方法を併用して行うことが必要となります。ですから、梅毒検査の流れとしては、最初にRPRを受けて、その結果陽性であれば、その他の方法で確かめるというのが一般的です。さらに、RPRは再現性に優れていて、しかも肉眼で判定できるという利点も併せ持っています。 

 

梅毒定性 (RPR法)-の基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
梅毒定性 RPR法 (-)陰性

梅毒定性 (RPR法)-検査の目的

梅毒定性 (RPR法)は、性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。

 

梅毒定性 (RPR法)検査は何を調べているのか

梅毒の血清学的診断法には脂質抗原(cardiolipin)を用いるSTS(serologic test for syphilis)と、梅毒病原体(Treponema pallidum)を抗原として用いる方法の2種類がある。

梅毒の血液検査|脂質抗原試験(STS)

主にRPR法が行われており、梅毒トレポネーマと交叉抗原性を有する脂質カルジオリピンに対する抗体を検出する。発見者の名前をとり、一般にワッセルマン反応といわれる。感度に優れ、比較的早期から陽性になる反面、生物学的偽陽性(*)には常に留意が必要である。RPRテスト(Rapid Plasma Reagin Test)はcardiolipin-lecithin抗原を吸着させた炭素粒子と、患者血清とを混和してできる凝集塊の有無により判定する。サークルカード・テストとも呼ばれる。※緒方法は上述のワッセルマン反応の一つであり、臨床的意義は上記二つと同様であるが、健康保険には収載されていない。肝疾患、ウイルス感染症、自己免疫疾患などで非特異的に抗体が産生される結果、抗カルジオリピン抗体保有者となり、梅毒に感染していないにもかかわらず陽性反応を示すことがある。これをBFPと呼び、確定診断にはTP抗体法HAやFTA-ABS法を併用する。

 

梅毒の血液検査|梅毒病原体(TP)抗原試験

TP抗体法とFTA-ABS法があり、両者ともTreponema pallidum(Nichols株)に対する特異抗体を検出する。 TPHA法:血球に梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させたラテックス粒子がT.pallidum抗体によって凝集反応を起こすもの。2. FTA-ABS法:スライドに梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させ、T.pallidum抗体を間接蛍光抗体法で検出するもの。


 いったん抗体を獲得すると、TP抗体法やFTA-ABSではほぼ生涯にわたり長期間陽性となるため、梅毒の既往を知るには有用である。その反面、治癒後も陽性を保つため治療効果の判定には、STSの方が適しており、治療が奏効すると低下する。現在、梅毒の血清診断にはSTSとTP抗体法やFTA-ABSを併用する施設が多い。通常は、まず感染10日後頃にIgM抗体が産生され、第1期の終わり頃にはSTSやFTA-ABSが陽性となる。次いで、TP抗体法が陽転し、治療後はSTSが陰性化してもTP抗体法、FTA-ABSは陽性が続く。これを血清学的瘢根という。しかし、最近の感染報告では、一度に侵入する菌量が多いため、STSとTP抗体法が同時に陽性となる例も多いという。

 

梅毒定性 (RPR法)の検査結果からわかる病気

梅毒定性 (RPR法)血液検査査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

検査結果 考えられる原因と疾患の名称
基準値より高値 梅毒、生物学的偽陽性(STSのみ)自己免疫疾患、肝疾患、抗リン脂質抗体症候群ではSTS陽性となることがある。らい、マラリア、レプトスピラ症などでTPHA、FTA-ABSが偽陽性を示すことがある。
 
基準値より低値
【備考】

梅毒の疑われる患者では、3~4週後に再検査を行い、抗体価の変動を見る必要がある。特に感染初期や、不完全な治療を施した症例では、経過を追って検査が必要になる。また、血清梅毒反応が陰性でも感染直後であれば、患者血清には感染力があり、取り扱いには注意が必要である。

【関連項目】 
抗カルジオリピン・β2GPⅠ複合体抗体、抗カルジオリピン抗体IgG
 

その他の血球検査項目

血清血液検査項目 備  考
梅毒(脂質抗原使用) 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。
梅毒(トレポネーマ抗原使用) 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。
B型肝炎ウイルス表面蛋白抗原 陽性を示す事は、今この現在ウイルスに感染している事を示しています。
C型肝炎ウイルス核酸定量 HCVに感染しているか否かを調べる検査として重要な役割を持っています。
ヒト免疫不全ウイルス 抗体および抗原を同時に検出するHIV感染のスクリーニング検査
成人T細胞白血病ウイルス 成人T細胞白血病の原因ウイルスに対する抗体を検出。感染のスクリーニングと確認のための検査。
リウマチ因子 ラテックス凝集反応により、リウマチ因子を検出するスクリーニング検査。陽性でもリウマチの確定診断とはならない。
抗サイログロブリン価 橋本病、バセドウ病の診断に有用な自己抗体。TPO抗体と同時に測定すると陽性率がアップ。
抗マイクロゾーム価 甲状腺疾患の経過と予後の判定に有用。
寒冷凝集素価 マイコプラズマ肺炎でも多クローン性のIgM増加を反映し上昇する。
抗核抗体 核内に含まれる抗原物質に対する抗体群を検出する検査。抗核抗体群のいずれかの存在を知るスクリーニングとして用いられる。
免疫グロブリンE アトピー性アレルギー患者において有意に高値を示すので、気管支喘息、皮膚炎、鼻炎などの場合、アトピー要素の有無を調べるのに有用とされています。
ハブトグロビン 炎症性疾患を検査します
β-Dグルカゴン グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ)、糖尿病、急性および慢性膵炎、肝硬変、腎不全、飢餓などを調べる検査になります。
カンジダ抗原 カンジダ抗原検査は、深在性真菌感染症の代表的起炎菌であるカンジダの抗原を検出する検査。