リウマチ因子の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
rheumatoid arthritis test | RF | (-)陰性 |
リウマチ因子検査の目的
ラテックス凝集反応により、リウマチ因子を検出するスクリーニング検査。陽性でもリウマチの確定診断とはならない。
リウマチ因子検査で何を調べているのか
リウマチ因子(RF)はヒトIgGのFc部分に結合する自己抗体であり、IgG, Mなど各種免疫グロブリンクラスが存在する。RFは変性したIgGと強く反応し、関節リウマチ(RA)ではこの変性IgGに対する自己抗体、すなわちRFの増加をみる。米国リウマチ協会によるRAの診断基準(1987年)には、「朝のこわばり」や関節の腫脹などとともに血清RF陽性が採用されている( チャート欄「膠原病の診断基準」参照)。しかし、厚生労働省系統的脈管障害調査研究班による悪性関節リウマチの改訂診断基準(1988年)によると、RAは診断基準に入っていない。したがって、あくまでRAテストは関節リウマチのスクリーニング検査に過ぎず、この結果のみでRAの診断を確定することはできない。報告者により異なるが、一般にRA患者でのRF陽性率は50~80%であり、また陰性率は20~30%といわれている。関節リウマチ以外にも、全身性エリテマトーデスなどの膠原病や肝硬変、肝疾患、慢性の細菌感染症などでも20~50%程度の症例でRFが陽性を示すことがまれではない。また健常者でも5%前後(60歳以上では10~20%)の陽性率を示す。RFの定性試験は、ヒト変性IgGを吸着させたポリスチレンラテックス粒子と患者血清とを反応させ、これが凝集するか否かをみる方法である。この方法で検出されるRFは主にIgMクラスに属する。
リウマチ因子の検査結果からわかる病気
リウマチ因子(RF)検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 強皮症(PSS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、肝硬変、シェーグレン症候群(SJS)、慢性肝炎 |
基準値より低値 | |
【備考】 関節リウマチ患者血清中に存在するリウマチ因子に特異的でありその診断や治療効果に有用である。 【関連項目】リウマチ因子(RAPA)、C-反応性蛋白(CRP)定量、抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体 |
その他の血球検査項目
血清血液検査項目 | 備 考 | |
梅毒(脂質抗原使用) | 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。 | |
梅毒(トレポネーマ抗原使用) | 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。 | |
B型肝炎ウイルス表面蛋白抗原 | 陽性を示す事は、今この現在ウイルスに感染している事を示しています。 | |
C型肝炎ウイルス核酸定量 | HCVに感染しているか否かを調べる検査として重要な役割を持っています。 | |
ヒト免疫不全ウイルス | 抗体および抗原を同時に検出するHIV感染のスクリーニング検査 | |
成人T細胞白血病ウイルス | 成人T細胞白血病の原因ウイルスに対する抗体を検出。感染のスクリーニングと確認のための検査。 | |
リウマチ因子 | ラテックス凝集反応により、リウマチ因子を検出するスクリーニング検査。陽性でもリウマチの確定診断とはならない。 | |
抗サイログロブリン価 | 橋本病、バセドウ病の診断に有用な自己抗体。TPO抗体と同時に測定すると陽性率がアップ。 | |
抗マイクロゾーム価 | 甲状腺疾患の経過と予後の判定に有用。 | |
寒冷凝集素価 | マイコプラズマ肺炎でも多クローン性のIgM増加を反映し上昇する。 | |
抗核抗体 | 核内に含まれる抗原物質に対する抗体群を検出する検査。抗核抗体群のいずれかの存在を知るスクリーニングとして用いられる。 | |
免疫グロブリンE | アトピー性アレルギー患者において有意に高値を示すので、気管支喘息、皮膚炎、鼻炎などの場合、アトピー要素の有無を調べるのに有用とされています。 | |
ハブトグロビン | 炎症性疾患を検査します | |
β-Dグルカゴン | グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ)、糖尿病、急性および慢性膵炎、肝硬変、腎不全、飢餓などを調べる検査になります。 | |
カンジダ抗原 | カンジダ抗原検査は、深在性真菌感染症の代表的起炎菌であるカンジダの抗原を検出する検査。 |