カンジダ抗原 の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
カンジダ抗原 | (-)陰性 |
カンジダ抗原 検査の目的
カンジダ抗原検査は、深在性真菌感染症の代表的起炎菌であるカンジダの抗原を検出する検査。
カンジダ抗原検査で何を調べているのか
カンジダ(Candida albicans)は正常菌叢を構成する真菌の一つである。健康人にも抗体が存在するが、宿主との関連により、コロニゼイション、表在性感染、深在性感染の三つの形態に分類される。この内で深在性感染が最も問題であり、本検査も主にこれを目的として行われる。深在性真菌症とは、カンジダのような真菌が血液や臓器に感染するもので、早期診断が難しく、病理組織学的診断や培養により菌を証明することも困難とされる。本検査はカンジテックという検査試薬により行われており、易熱性糖蛋白を検出するものであるが、宿主の体内に侵入しないコロニゼイションでも陽性になることがある。深在性カンジダ感染症は、一般に日和見感染の形をとりやすい。患者の多くは免疫不全の状態にあるため、抗体が証明されない場合も多い。そこで宿主側の感染防御機能が低下しており、原因不明の発熱があった場合に、カンジダ感染症を疑い本検査を行なう。関連検査として、カンジダ属の主要代謝産物であるD-アラビニトールや真菌の細胞壁構成成分の一つである、β-D-グルカンの測定も診断に有用である。D-アラビニトールは腎機能により結果が変動するためクレアチニン換算値により評価される。またマンニトールやキシリトール、ソルビトールなどの糖を静注している場合には、測定系に大きく干渉するため、D-アラビニトール測定の意義はカンジダ抗原に比べると低い。
カンジダ抗原の検査結果からわかる病気
カンジダ抗原検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | カンジダ感染症、特に深在性カンジダ症 |
基準値より低値 | |
【備考】 深在性カンジダ症の確診には臨床所見や他の検査結果などを含めて総合的に判断する必要がある。 【関連項目】エンドトキシン定量《ES法》、(1→3)-β-D-グルカン、D-アラビニトール、アスペルギルス抗原、アスペルギルス抗体 |
その他の血球検査項目
血清血液検査項目 | 備 考 | |
梅毒(脂質抗原使用) | 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。 | |
梅毒(トレポネーマ抗原使用) | 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。 | |
B型肝炎ウイルス表面蛋白抗原 | 陽性を示す事は、今この現在ウイルスに感染している事を示しています。 | |
C型肝炎ウイルス核酸定量 | HCVに感染しているか否かを調べる検査として重要な役割を持っています。 | |
ヒト免疫不全ウイルス | 抗体および抗原を同時に検出するHIV感染のスクリーニング検査 | |
成人T細胞白血病ウイルス | 成人T細胞白血病の原因ウイルスに対する抗体を検出。感染のスクリーニングと確認のための検査。 | |
リウマチ因子 | ラテックス凝集反応により、リウマチ因子を検出するスクリーニング検査。陽性でもリウマチの確定診断とはならない。 | |
抗サイログロブリン価 | 橋本病、バセドウ病の診断に有用な自己抗体。TPO抗体と同時に測定すると陽性率がアップ。 | |
抗マイクロゾーム価 | 甲状腺疾患の経過と予後の判定に有用。 | |
寒冷凝集素価 | マイコプラズマ肺炎でも多クローン性のIgM増加を反映し上昇する。 | |
抗核抗体 | 核内に含まれる抗原物質に対する抗体群を検出する検査。抗核抗体群のいずれかの存在を知るスクリーニングとして用いられる。 | |
免疫グロブリンE | アトピー性アレルギー患者において有意に高値を示すので、気管支喘息、皮膚炎、鼻炎などの場合、アトピー要素の有無を調べるのに有用とされています。 | |
ハブトグロビン | 炎症性疾患を検査します | |
β-Dグルカゴン | グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ)、糖尿病、急性および慢性膵炎、肝硬変、腎不全、飢餓などを調べる検査になります。 | |
カンジダ抗原 | カンジダ抗原検査は、深在性真菌感染症の代表的起炎菌であるカンジダの抗原を検出する検査。 |