寒冷凝集反応(CA) の基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
cold agglutination | CA | 32 倍 未満 |
寒冷凝集反応(CA)検査の目的
寒冷凝集反応検査は、冷式の赤血球抗体を検出する検査だが、マイコプラズマ肺炎でも多クローン性のIgM増加を反映し上昇する。
寒冷凝集反応(CA) 検査で何を調べているのか
寒冷凝集反応検査は、寒冷凝集素価の測定法で、原発性非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎など)の診断に用いられる。寒冷凝集素とは、ヒト血清中に存在し、4℃前後の低温で自己の赤血球またはO型赤血球を凝集させる抗体をいう。通常はIgM抗体で、赤血球膜表面のIまたはi抗原を認識する。健常人の凝集素価は低いが、マイコプラズマ肺炎では発病2週間前後より凝集価は上昇し、6週頃には低下または消失する。それゆえ本症が疑わしいときは、急性期(1週頃)と回復期(3~4週頃)のペア血清で測定し、二管差(4倍)以上の差あれば有意とする。できれば8週以後の血清を調べ凝集素価の低下を見ることが望ましい。しかし8週以後も凝集価が高値にとどまることもある。陽性率は重症で75~90%、軽症で30%といわれ、陰性の場合もこの陽性率を考慮する必要がある。また、凝集価がきわめて高値を示すときは、自己免疫機構による溶血性疾患、あるいは異常な抗血球膜抗体を念頭におき、クームス試験を実施する。
寒冷凝集反応(CA) の検査結果からわかる病気
寒冷凝集反応(CA)検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合には疾患の可能性がありますので、値が乖離した原因を診療機関で医師の診察を受けるようにしてください。
検査結果 | 考えられる原因と疾患の名称 |
基準値より高値 | 原発性非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎など)、後天性溶血性貧血、多発性骨髄腫、トリパノゾーマ感染症、肝硬変 |
基準値より低値 | |
【備考】 妊娠により陽性となることがあります。 【関連項目】免疫電気泳動(抗ヒト全血清による定性)、免疫電気泳動(免疫固定法によるM蛋白同定)、マイコプラズマ抗体 《CF》、マイコプラズマ抗体 《PA》 |
その他の血球検査項目
血清血液検査項目 | 備 考 | |
梅毒(脂質抗原使用) | 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。 | |
梅毒(トレポネーマ抗原使用) | 性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。 | |
B型肝炎ウイルス表面蛋白抗原 | 陽性を示す事は、今この現在ウイルスに感染している事を示しています。 | |
C型肝炎ウイルス核酸定量 | HCVに感染しているか否かを調べる検査として重要な役割を持っています。 | |
ヒト免疫不全ウイルス | 抗体および抗原を同時に検出するHIV感染のスクリーニング検査 | |
成人T細胞白血病ウイルス | 成人T細胞白血病の原因ウイルスに対する抗体を検出。感染のスクリーニングと確認のための検査。 | |
リウマチ因子 | ラテックス凝集反応により、リウマチ因子を検出するスクリーニング検査。陽性でもリウマチの確定診断とはならない。 | |
抗サイログロブリン価 | 橋本病、バセドウ病の診断に有用な自己抗体。TPO抗体と同時に測定すると陽性率がアップ。 | |
抗マイクロゾーム価 | 甲状腺疾患の経過と予後の判定に有用。 | |
寒冷凝集素価 | マイコプラズマ肺炎でも多クローン性のIgM増加を反映し上昇する。 | |
抗核抗体 | 核内に含まれる抗原物質に対する抗体群を検出する検査。抗核抗体群のいずれかの存在を知るスクリーニングとして用いられる。 | |
免疫グロブリンE | アトピー性アレルギー患者において有意に高値を示すので、気管支喘息、皮膚炎、鼻炎などの場合、アトピー要素の有無を調べるのに有用とされています。 | |
ハブトグロビン | 炎症性疾患を検査します | |
β-Dグルカゴン | グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ)、糖尿病、急性および慢性膵炎、肝硬変、腎不全、飢餓などを調べる検査になります。 | |
カンジダ抗原 | カンジダ抗原検査は、深在性真菌感染症の代表的起炎菌であるカンジダの抗原を検出する検査。 |