血液がドロドロした状態って?
血液の流れに影響する要因は、流れと、流れる血液の粘度です。はちみつをストローで吸うのと水を吸うのとどちらが吸いやすいかという表現をすると分かりやすいと思いますが、粘度が高ければ高いほど、より大きな力が必要となり流れも遅くなります。心臓に多大な負担がかかるということです。
では、どんな状態が血液にとってドロドロ状態となりうるのか。
血液がドロドロした状態はこんな感じ
①血液の水分が不足
血液には水分が必要です。食事をするときに食べ物そのものに水分がなければ、さらに唾液がなければ飲み込むことができないでしょう。それと同じで、血液には、赤血球、白血球など様々なものが流れています。流すためには水分が必要ですが、水分がなくては粘度がまし、各臓器に栄養や酸素がなかなか届かず様々な影響が出てきます。
②血液中の糖分過剰
水に砂糖を溶かし、体温と同じ状況を用意すると、糖分の量が増えるとだんだんと粘度が増してきます。血液も同じで糖分が増してくれば増してくるほど、粘度は増し、水分不足で起きたような影響が出てきます。
③血液中の脂肪分過剰
脂は分かりやすい言い方をしますと、家庭にある油を見ていただくと分かりますが、常に粘度を持っています。あれが血液中を流れている状態を浮かべてください。脂肪は人間の体にとってエネルギーやホルモンの材料として重要な役割を持っていますが、血液中に過剰な量が存在していると結果として血液の粘度を増してしまい、各臓器の虚血(血が足りない)状態を招きます。また、油は高温であればある程水のように粘度が低下し、低温であればある程粘度が増します。体温が低い方いらっしゃいますが、体の中でも低温状態では油の粘度は増し、血液の流れの低下を招きます。
④赤血球の変形能低下
実はドロドロ血液の大きな要因は赤血球の変形能の低下によるものです。血液中の容積率40%を占める血球成分であり、血液の流れに多大な影響が出ます。その赤血球の変形能の低下の原因こそ生活習慣病にあります。特に、高血糖、脂質過剰は赤血球変形能に大きな影響が出ます。
「なぜ、赤血球の変形能が重要なの?」と思われるかもしれませんが、末梢血管の太さ(最小で5μm)は赤血球の大きさ(7~8μm)よりもさらに細いことに起因しています。細いところを大きな赤血球が通るためには赤血球自らが変形して細くなり通るしかないのです。尚、赤血球には真ん中にへこみがありますが、これは変形する際にその中心部に赤血球の容積が移行して細くなるためといわれています。
⑤ストレス過多
ストレスは体に悪いとよくいわれています。睡眠障害やうつなど様々な精神障害を引き起こします。また、ストレスは難しい話をしますと、交感神経を常に優位にする作用があります。特に、交感神経が優位になることが悪なのではありません。交感神経が常に優位になることが悪なのです。
交感神経は抗ストレス反応で、外敵から身を守る働きがあります。例えば異物や毒を食べたと察知した時は胃酸の分泌を高めそれを無害化しようとします。また、怪我したときなどは出血量を抑えるために血管は収縮します(緊張すると手が冷たくなるのはこのため)。また、意図的に粘度を高めさらに血液の流出量を抑えようとします。
何かから逃げるときにはエネルギーが必要となりますので、運動機能の向上や脳内の働きを高めるために血糖値が上昇します。
このことからわかるように、ストレスは血管の収縮を招き血行低下を招きます。何度も申し上げますが、一時的な作用では問題がありませんが、常にこの状況が続くことが問題なのです。
では血液がサラサラした状態は?
サラサラ血液は、上記の問題がない状態をいいます。私自身が様々な文献や情報を収集した結果食事による過多も大きな問題であることは間違いはありませんが、やはりストレスが大きなファクターを占めていると感じています。
ストレスを軽減し、そのことで副交感神経が優位(常にではなく)となり、常にリラックスした状態でいられることこそ「サラサラ血液」を実現することと感じています。ストレスは生活習慣病すべてに関連してきます。脂質異常症、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患など。
もちろん、社会の中でストレスのない状況など無いに等しいかもしれませんが、合間にリラックスできる時間を5分でも取り入れることで大きな違いが出てくると考えています。