貧血は、全妊婦の約20%に発症するといわれ、妊娠30週前後(7ヶ月頃)によく起こるといわれています。

妊娠期と貧血の症状

 妊娠における貧血は、全妊婦の約20%に発症するといわれ、妊娠30週前後(7ヶ月頃)によく起こるといわれています。ほとんどは鉄欠乏性貧血ですが、中には葉酸欠乏性や、再生不良性貧血といった血液疾患が原因となる場合もあります。一般的に妊娠期における貧血は、子宮や胎児の発育に伴い、鉄の需要が高まります。その為、妊娠後期には、血液中の鉄分が少なくなる鉄欠乏性貧血になりやすくなります。また、妊娠後期には、生理的にも循環血液量が40~50%増えますが、赤血球の増加量が20~30%増にとどり実質的に血液が薄まるため、検査上は貧血になります。ヘモグロビンは妊娠8カ月で最低となり、以後次第に増加し、分娩近くに正常に戻ります。

妊娠期における貧血の原因

妊娠によっては、母体は血液の量が増えて水血症状態(血液中の水分の割合が異常に増えた状態)となり、そのため血液自体が薄くなります。また、胎児の発育にともなって、母体の血液中の鉄分が胎児に移行するため、母体に貯蔵されていた鉄分が著しく消費され、妊婦は鉄欠乏性貧血(「鉄欠乏性貧血」)になります。WHO(世界保健機構)の基準では、血色素濃度が1d?中11g未満を貧血として取り扱います。妊娠貧血は、妊婦の定期健診の際に行なわれる初期、中期、後期の3回の血液検査でチェックできます。もし、血液検査で血液中の鉄分量が少ないと指摘された場合には早めに医師による指示を受ける様にしましょう。妊娠中の貧血は、本人だけではなく赤ちゃんにも良い事はありませんので。

妊娠期における貧血治療

 妊娠期の貧血治療は、鉄分の多い食物をとることが第一ですが、明らかな貧血を食事療法だけで改善することはむずかしいものです。医師に相談し、鉄剤を内服するか、または、鉄剤の静脈注射をしてもらうとよいでしょう。

妊娠時における貧血の症状、治療

妊娠中の方は、血液中の鉄分が少なくなる貧血の症状を呈します。他の貧血の症状と同様に、めまいや動悸、息切れ、疲労感といったものです。このような貧血の症状が現れても妊娠中だから仕方ないと軽視される方がいらっしゃいますが、貧血が進行すると以下のような問題が出てきますので、妊娠期における貧血治療が重要となります。

  1. 赤ちゃんの発育低下
  2. 未熟児での出産
  3. 体の弱い子が生まれる
  4. 微弱陣痛

上記の様なトラブルを起こしやくすなるとの報告あります。妊娠期における貧血を放置することは百害あって一利なしですから、早期での治療が重要となります。また、妊娠期の貧血治療は、基本的には鉄剤の服用ですが、一般ていには鉄剤だけでなく、その他の栄養素(ビタミン類やたんぱく質)も考慮して治療を行います。確かに、治療を行えばある程度のリスクは回避できますが、妊娠前から栄養には気を使うことが大切です。もともと貧血がある方は、妊娠中の貧血になる頻度が高い傾向にあります。

妊娠期における貧血の改善

 貧血の一般的な治療は鉄剤で行いますが、体質によって便秘になったり、胃の調子が悪くなったりすることもあります。そのような方はやはり普段の食事での補給が重要となります。鉄分の多い食品を積極的に献立に取り込み、消化や吸収を考慮した食材の組み合わせをする事が重要になります。

妊娠期における貧血防止、鉄分が多く含まれている食材は、

  • レバー(豚、鶏、牛の順)
  • あさり
  • ひじき
  • きくらげ
  • ごま
  • 小松菜
  • ほうれんそう

といったものががあります。

妊娠期における貧血防止、鉄そのほか鉄分を多く含む栄養素は

ビタミンC:造血効果、鉄分の吸収をUPする効果があります。たんぱく質:鉄分の吸収を助けます。また、ヘモグロビンやビタミンB12も鉄欠乏性貧血ではありませんが、そのほかの貧血を引き起こす疾患を予防するうえで重要となります。 妊婦はすっぱいものを好むようになるといわれていますが、梅干しやレモンに含まれるクエン酸も、鉄分を吸収しやすくする働きがあります。

妊娠期における貧血防止、鉄鉄分を摂取する際の注意点

 食事の直前や直後にタンニンの多いお茶を飲むと、鉄分とタンニンが結びついて吸収が阻害されてしまいます。お茶などを摂られる場合は、食事の後少し時間をおいてから飲むか、タンニンの少ないお茶(麦茶やハーブティー、番茶など)を摂るようにしましょう。

妊娠全期、貧血予防の食事ポイントは3つ

妊娠前期(1~4ヶ月)における貧血予防の食事ポイント

妊娠食は、つわりが酷い時は無理に食べなくてもOK。あまり気にせずに 食べられる時に食べられる物を少しずつ食べるようにしましょう。(出来れば消化の良い物を)生クリームなどの油脂類や砂糖や塩などの多いお菓子を控えましょう。つわりを悪化させます。子宮がおおきくなるにつれ 便秘気味になるので、海藻や根菜類などの食物繊維を多めにとりましょう。空腹も気持ち悪さの原因になるので、あまり空腹にせず小さいおにぎりや飴などを冷蔵庫に常備しておきましょう。匂いが気になる時は、冷たくすると比較的食べやすくなります。

妊娠中期(5~7ヶ月)における貧血予防の食事ポイント

妊娠中期は、つわりがおさまり食欲旺盛になるので体重増加に気をつけます。高たんぱく・低カロリーの食事を摂りましょう。胎児の著しい成長と共に鉄もより必要となります。貧血予防に鉄を多めに摂りたいものです。鉄分の多い食品を取り入れた献立を立てましょう。塩分の摂りすぎは難産などを引き起こす妊娠高血圧症候群の原因になります。ダシ汁やかんきつ類や香味野菜を利用して薄味を心がけましょう。果糖が豊富な果物も食べ過ぎないように注意します。

妊娠後期(8~10ヶ月)における貧血予防の食事ポイント

妊娠後期は、赤ちゃんが大きくなるにつれ、胃が押し上げられて胃もたれや胸焼けなどの症状が出ることがありますが少しずつ小分けで食べると良いです。1日で食べる量を減らすのではなく、3回で食べられなかったら4回に分けて回数を増やして食べます。陣痛が収まったら長期戦です。陣痛の軽いうちに消化の良いおにぎりやサンドイッチや雑炊などのエネルギーになる物を食べましょう。最も妊娠高血圧症候群になりやすい時期なので、塩分や水分のとりすぎには充分注意しましょう。