NASH(非アルコール性脂肪肝炎)のリスクは、食事、運動、ストレス
過食がNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の発症リスクを高める
NASHは肝臓版の生活習慣病とも言われています。NASHのリスクは肥満により脂肪組織から大量に分泌される、レプチンが関与しています。レプチンとは、脂肪細胞が分泌するペプチドホルモンで、視床下部に作用し食欲を抑制します。また、細胞レベルでの糖の取り込みやインスリン感受性を高める作用があります。 肥満のメカニズムでもありますが、このレプチンの多量分泌がさらなる肥満を引き起こす要因にもなります。レプチンには代謝向上と食欲抑制作用がありますが、視床下部にある受容体には数に限りがあり、あまりにも多量に送られると、うけきれずに放棄するようになります。簡単に言いますといかのような形です。
脂肪細胞 | レプチン | 視床下部(レプチンの受容体 | |
レプチンの分泌量普通 | |||
レプチンの分泌量大量 | |
この状況がさらなる肥満を呼び、レプチンの分泌を呼び、最終的ん様々な生活習慣病や、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)等の肝障害の引き金になります。このレプチンの分泌は食事の際も消化管から分泌されるため、食事の量をコントロールしレプチンの分泌量を減らしていくことが一番の治療であり予防にもなります。
運動不足がNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の発症リスクを高める
過食とともに、NASHを引き起こす原因は、運動不足です。NASHは、肥満による脂肪細胞の増加によるものといわれていますので、代謝の低下の原因となる運動不足はリスクを高めます。また、運動不足はレプチンの受容体の機能を低下させ、取り込み量も低下しますので、結果としてレプチンの分泌量の増加を引き起こしさらにリスクを高めることになります。運動不足自体が内臓脂肪を増加させ、メタボリックシンドロームを引き起こし、結果としてNASHのリスクを高めることになります。
過度なストレスがNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の発症リスク
現代社会において、ストレスの過剰は様々な場面において問題視されています。NASHもその一つといわれています。NASHの原因の一つにレプチンが関わっていることは前述したとおりですが、そのレプチンの増加により炎症性サイトカインが産生され、肝炎を引き起こします。また、ストレスは体内ホルモンのアンバランスを引き起こしますので、レプチンもその一つに数えられますので、影響として小さくはありません。また、そのホルモンバランスの低下により、代謝も低下しますので、結果として脂肪細胞が上昇しレプチンの増加を招くことになります。