糖尿病の食事療法の進め方
糖尿病の食事療法を進めて行くうえで重要な事は
- ①適切なエネルギー量の設定
- ②適切な栄養バランス
- ③食品交換表の使い方のマスター
以上が、大きな課題となります。順番に説明していきますので、ゆっくりとご覧になってください。
①適切なエネルギー量の設定
1日当たりの適切なエネルギー摂取量は、男性で1,400~1,800kcal、女性で1,200~1,600kcalの範囲と言われていますが、身長や体重、生活習慣などにより大きく異なります。自分に適したエネルギー摂取量を以下の計算式から算出してみましょう。
エネルギー摂取量 | = | ①標準体重 | × | ②身体活動量 |
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例)デスクワーク男性、175cm、75kg 標準体重・・・1.75(m)×1.75(m)×22=67.3(kg) エネルギー摂取量・・・67.3(kg)×25(~30)(kcal)=1,682~2,019(kcal) |
②適切な栄養バランス
糖尿病の食事療法の食事は、栄養素別で総エネルギーに対して以下の割合が理想とされ、この割合で食事を作ると日本のでンと的な食生活と同じものができるとされています。
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③食品交換表
一日のエネルギー量を適正にして、バランス良く栄養素を配分して摂取できるように、「糖尿病食事療法のための食品交換表」が用いられます。
「食品交換表」では、食品に含まれる栄養素により6つの表に分類されています。また、80kcalを1単位として、それぞれの食品1単位分の重さを表示しています。基本的に患者さんは、主治医や管理栄養士より、指示単位と各表への割り振りの指示がでますので、それに従って食品を選択することで簡単に理想的なバランスのとれた食事を作ることができます。
糖尿病の食事療法の注意点
① |
食事の時間は規則正しく1日三食を規則正しく食べ、間食を避けるようにします。1日の食事を2回にしますと膵臓に大きな負担をかけて糖尿病を悪化させてしまいます。仕事などで、規則的な食事ができないときは、一日の |
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② |
ゆっくり、よく噛んで、腹八分目食事をしてから満腹中枢が働くのには時間がかかります。ゆっくりと良く噛んで食べることで、必要以上に食事を摂りすぎることを防ぐ事が出来ます。 |
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③ |
食品の種類はできるだけ多く、バランスよく食品の種類はできる限り多く摂って、栄養が偏らないようにしましょう。 |
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④ |
脂質は控えめに脂質の多い食品をたくさん取ると、脂質異常症のリスクが高まり動脈硬化の恐れが出てきます。特にコレステロールや動物性脂肪が多い食品を控えるようにしましょう。 |
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⑤ |
塩の量は10g以内に抑えましょう。食塩の量が多いと、食べる量もおのずと増え、カロリーコントロールの弊害となります。また、高血圧の原因となり腎症や網膜症といった合併症を発症、進行する恐れがあります。できる限り味付けは薄くし、食塩の量を減らすようにしましょう。理想は6g以下ですが、まずは10g以下から始めましょう。 |
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⑥ |
食物繊維をとる食物繊維を多く含む、野菜や海草、キノコには、食物の消化をゆっくりにして、血糖値の急な上昇を抑制します。更に、空腹感を抑える効果もあります。 |
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⑦ |
外食するとき外食で摂る食事は、総合的にエネルギーが高く、味付けが濃く、野菜が不足しがちな傾向があります。最近、店頭ではエネルギー表示など栄養成分表が記載されているメニューが出ていますので、参考にしていただくとよろしいかと思います。また、野菜が少なければ野菜をとるなど工夫をしていただくとコントロールしやすくなります。 |