糖尿病性急性感染症は、血糖値が250mg/dl異常に低下すると急速にリスクが増します。

糖尿病性急性感染症の病態・症状・治療

糖尿病性急性感染症の特徴

①細菌やウイルスなどに対する抵抗力が低下している。(白血球の殺菌作用が、血糖値250mg/dl以上になると急速に低下)
②高齢者、血糖コントロール不良、重篤な合併症がある例ほど感染症に罹患しやすく、重症化しやすい。
③発熱を伴う時はインスリン抵抗性が増大し、高血糖が増悪しやすい。

糖尿病性急性感染症の症状および原因

 肺炎や膀胱炎、腎盂炎、胆のう炎、風邪などなどの感染症を引き起こします。急性感染症になったとき、発熱の症状が出ると、血糖値がさらに高くなって、感染症もより悪化することがあります。

糖尿病性急性感染症の治療

①初期の対応はシックディルールに従うが、原則変わったことがあれば主治医に相談する。(特に食欲低下の時)
②安静と保温に努め、食欲がなくても水分と糖質は確保する。
③予防のためには血糖コントロールと皮膚、口腔、陰部などを清潔に保つことが重要

シックディールの原則

1)水分補給: 体調が悪いと高血糖で脱水症状を起こし易くなるので、水分を十分摂るようにする。
2)食事: 食欲がなくても、おかゆや果汁など糖質を含む食品は極力摂るようにする。1回の分量を減らし、回数を増やすようにするとよい。
3)血糖測定: 体調が悪いと血糖が大きく変化し易いので、血糖自己測定器を用い血糖測定を行うことが役に立つ。血糖測定の必要性などについては、予め主治医に相談することが推奨される。
4)インスリン量の調整: インスリン療法を行っている場合、体調が悪くてもインスリン注射を勝手に中止してはならない。普段よりインスリンの必要量が増えていることもあるからである。血糖の測定値を主治医に連絡し、指示を受けるようにする。追加のインスリンは、超速効型や速効型を使う。
5)その他: 食事が全く摂れなかったり、いくらインスリンを追加しても高血糖が続くような場合は、早めに病院へ行くようにしたい。