糖尿病性慢性感染症の種類
糖尿病の人によく見られる感染症は、以下のような物がありますが、特に注意が必要な症状は①皮膚感染症、②口腔内感染症、③尿路感染症などです。呼吸器系の感染症
- かぜ、肺炎、気管支炎、結核、など
皮膚感染症
- 白癬症(はくせんしょう)、カンジダ症、など
尿路感染症
- 膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂炎(じんうえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)、など
口腔内感染症
- 歯周病、虫歯、など
胆嚢炎
- ※胆石を持っている人に起こりやすくなります。
詳しくは 胆嚢炎をご覧ください。
①糖尿病性慢性感染症:皮膚感染症
糖尿病の人によく見られる皮膚感染症は、「真菌症(しんきんしょう)」と「細菌感染症」の 2つに分けることができます- 真菌症
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カビの一種である真菌により発症するもので、「カンジダ症」や「白癬症(はくせんしょう)」があります。この2つは、糖尿病の人の 2~3割ぐらいの人に起こるとされています。
- カンジダ症
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カンジダと呼ばれるカビの一種によって起こります。カンジダは、口、膣(ちつ)の中、消化管に常に存在する細菌ですが、体の抵抗力が弱くなると増えてしまい、わきの下、爪の周り、女性の外陰部などに激しいかゆみを起こします。
- 白癬症
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水虫、たむし、などがあり、足や手の指、足のうら、おしり、などに発症しやすいです。特に水虫は、治療しないでおくと二次感染を起こして、腐ってしまう「壊疽(えそ)」にまで進んでしまうことがあります。
②糖尿病性慢性感染症:口腔内感染症
口腔内感染症(こうくうない かんせんしょう)とは、歯の表面の細菌が、歯や歯茎(はぐき)に炎症を起こすものです。糖尿病の人は口腔内の血管障害、コラーゲン代謝の低下などのために、虫歯、歯肉炎、歯周病になりやすくなります。
症状は、歯の痛み、歯茎のはれ・出血、口臭、などです。
③糖尿病性慢性感染症:尿路感染症
尿路感染症(にょうろ かんせんしょう)とは、尿のが作られ排泄されるまでの道筋、つまり腎臓から尿管をへて、膀胱、尿道までの「尿路」に細菌が感染することで起こるものです。膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂炎(じんうえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)、などがあります。
- 膀胱炎
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膀胱の炎症で、排尿の回数が増える、排尿の時に痛みを感じる、などの症状があらわれます。膀胱炎を放置すると、腎盂炎、腎盂腎炎になってしまいます。
- 腎盂炎
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腎臓から尿管に入る手前の場所で起こる病気です。また、腎盂腎炎は、尿を集める尿細管や尿をつくる糸球体(しきゅうたい)で起こる病気です。
尿路感染症の治療は、尿の検査による早期発見が重要です。
膀胱炎の検査は、尿の中の白血球の数を調べる検査である「尿沈渣(にょうちんさ)」を行います。白血球の数が多い場合は、膀胱炎の可能性があります。腎盂炎や腎盂腎炎の検査は、尿の細菌検査を行います。検査により病気であると診断されたら、抗生物質により治療を行っていきます。
糖尿病性慢性感染症の治療・予防
糖尿病の人が感染症にならないようにするためには、血糖コントロールをしっかりとおこなっていくことが大切です。
血糖コントロールを行っていくことで、体の免疫システムがちゃんと働くようにして、抵抗力を貯めるくことができます。
また、睡眠をしっかりとる、ストレスを解消する、などの生活習慣にも注意が必要です。
感染症になってしまったら、すぐに病院で治療を受けます。基本は、体の抵抗力を高めて、血糖値を下げていきます。必要に応じて、検査や薬での治療も行っていきます。