献血は、健康の人から善意で血液を提供される事です。

献血を詳しく知ろう(歴史、安全性、種類、エイズ)

献血(けんけつ)は、病気や怪我をした人の為の輸血や血液製剤製造の原料として健康の人から善意(無償)で血液を提供される事です。現在、日本の献血は、日本赤十字社が全て行なっております。全国各地の日本赤十字社の献血センターなどで無償提供された血液は、検査をし問題の無い血液が常時ストックされ必要な医療機関へ提供され手術や怪我の輸血や血液製剤となっています。
かなり医学が進歩した現代でも血液に代わるもの(人工血液)は、まだ完全に開発されておらず、また献血された血液も長期間保存ができず一定期間を過ぎた未使用な血液は廃棄しなければいけず、まだまだ健康の人の善意で支えられなければいけない制度であります。「献血」の語は、日本赤十字社中央血液センター所長の大林静男博士によって提唱されたものらしいです。大林所長は、クリスチャンであり、輸血可能血液量とその復活量の関係とキリスト教会における「什一献金」から発想のきっかけを得たと言っております。

献血の種類

献血者の健康に配慮して一年間で採血可能な血液量(献血回数)が決められており男性は1200ml・女性は800mlと決められております。(血小板は1回を2回に換算して合計24回、血小板だけなら年に12回の献血が可能です。)また、前回の献血した時期から次回の献血するまでの期間も決められており、献血上限量未満だからといって短期間に集中的な献血をする事はできませんのでご注意ください。また、65歳から69歳の献血は、献血者の健康を考え、60歳から64歳の間に献血経験がある人に限られる。献血の種類と可能な年齢など諸条件は以下のマトリックスの通りです。

献血の種類 

全血献血 成分献血
200mL献血 400mL献血 血小板献血 血漿献血
 可能な年齢 16 - 69歳まで 男性:
17 - 69歳まで

女性:
18 - 69歳まで
男性:
18 - 69歳まで

女性:
18 - 54歳まで
18 - 69歳まで
可能な体重 男性:45kg以上
女性:40kg以上
男女ともに
50kg以上
男性:45kg以上
女性:40kg以上
男性:45kg以上
女性:40kg以上
次回献血可能日 男女とも4週間以上 男女とも8週間以上
(成分献血)
男性:12週間以上
(全血献血)
女性:16週間以上
(全血献血)
男女とも
2週間以上
男女とも2週間以上
年間可能献血回数 男性:6回
女性:4回
男性:3回
女性:2回
男女とも24回
(血小板は1回を
2回に換算)
男女とも24回
(血小板は1回を
2回に換算)

2011年4月1日より、男性のみ400mL全血献血の対象年齢が18歳から17歳に引き下げられ、男女とも18歳から54歳に限定されている血小板成分献血については、男性のみ上限を69歳に引き上げた

400mL全血献血

400mL献血はより多くの血液を1人の献血者から採血することによって、輸血時の発熱・発疹・感染等の副作用低減を期待できます。成分献血は回復に時間を要する赤血球を献血者に戻すため、全血献血に比べてより多くの血小板や血漿を採血できますが、献血をする時間が長時間になってしまう点があります。献血をする側の身体や臓器への負担は成分献血が比較的軽いですが、短時間で採血ができる全血400mL献血であっても日常生活に支障はないので400ml献血をすすめられる事がおおいです。

成分献血

腕の血管から一旦全血を採取し血液の成分を分離させる装置で要な成分を回収した後、抗凝固薬(クエン酸ナトリウム)を混ぜた残りの血液を体内に返血する手順を3~4回繰り返します。赤血球などのは体内に戻され体の負担は小さいですが、全血献血より採血に時間がかかるしまいます(約30 - 90分)。学校や駅前などでバスによる献血などの場合は、機材の関係もあり全血献血が行われる事が多いです。

血小板献血

血小板献血で採血時に血漿を含まないときは、1週間後に血小板成分献血が可能になります。ただし4週間に4回実施した場合には次回までに4週間以上空けなくてはならないルールとなっています。ただし、血小板は採血してから保存できる期間は採血後4日間で非常に短いため、その日の血小板採血予定量を超えた場合、成分献血は血漿のみになることもあります。

献血の概要

献血の歴史について

献血制度が法整備される以前は、血液を売り買いされていました。これを売血といいますが、この売血制度で以前は輸血の需要を充たすことができましたが、金銭目的で無理な献血する者が出てきてしまい良質ではない血液、また献血者の健康面の問題もあり、日では売血制度は廃止となり現在は献血での供給となっております。
献血制度が法整備されたのは、1964年の閣議決定だったが、2005年に法改正を行なっております。「採血及び供血あつせん業取締法」が名称を「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」と変更した上で大幅に改正された。これにより献血事業の主導権は日本赤十字社から厚生労働省に移った。


献血の安全性について

売血制度も廃止し、良質な血液の確保をつとめている日本赤十字社ですが、近年ウイルスや感染症が流行しており輸血する血液が安全であるか検査体制を強化しているとの事です。特にウイルス感染症は、感染後一定期間が経過しないと血液検査で判定できないために、この期間に献血された血液は検査をすり抜けてしまう事があります。なので献血前のチェックでリスクがある方はお断りする場合もあります。また、未知の病原体なども検査方法が確立されておらず、体調がよくない方や無理な献血はされない事をおすすめします。

エイズについて

インターネットの色々なサイトで書き込みがありますが、ごく一部のHIV感染症(エイズウイルス)を心配する人たちが、エイズ検査の目的で献血をされているという告白が掲載されています。献血でもHIV(エイズ)や肝炎の検査は実施しておりますが、安全な血液を提供する目的で検査をしており、エイズ検査の結果をお知らせはしてないとの事です。エイズなどの感染症の検査は、保健福祉事務所(保健所)や検査センターで、無料かつ、匿名で、住所にかかわらず(遠い場所で)受けることができますので是非こちらで検査するようにしてください。
エイズについて詳しく説明をしています。(ここをクリック!)