NASHの治療は、食事と運動により行われます。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)を食事療法と運動で改善

 NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)の患者では生活習慣病の合併率がとても高くなっており検診データによるとNASHの中で肥満者は約80%脂質代謝異常・高血圧・高血糖は各々約50%、約30%、約30%に認められ、メタボリックシンドロームの合併率は約40%といわれています。そのため、NASHも近い将来生活習慣病の一つとして数えられる日が来るのではないかと思います。NASHを含めNAFLD治療法で薬物療法は有効ではないため、食事と運動療法のみとなります。しかし、NASHの原因は肥満にありますので、そのほかのメタボリックシンドロームと同様、内臓脂肪を減らすことが最も有効な治療法となります。エネルギーの過剰摂取とエネルギー消費量の低下がその成因ゆえ、それらを是正し、適切 なバランスに戻すのが食事・運動療法です。食事療法としては、正しい食事を知り、現在の食事の過剰なエネルギー・偏ったバラン スを是正することから始めます。まず摂取するエネルギーと脂肪の減量を主眼とし、それが継続できることを目標とします。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の食事療法と運動療法

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)を含めNAFLD治療法で薬物療法は有効ではないため、食事と運動療法のみとなります。しかし、NASHの原因は肥満にありますので、そのほかのメタボリックシンドロームと同様、内臓脂肪を減らすことが最も有効な治療法となります。 エネルギーの過剰摂取とエネルギー消費量の低下が原因となりますので、その原因の是正が治療の骨となります。その、治療が食事療法と運動療法です。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の食事療法のポイント

肝臓は、食べ物から吸収された栄養を蓄えたり、代謝の働きをする臓器です。NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の患者さんは、悪化させないために、栄養のとり方にも十分注意する必要があります。ただし、制限しすぎると、体に必要な栄養素が不足する可能性が出てきます。注意すべき栄養素を制限したうえで、必要な栄養素を上手にとることが大切です。「適正なエネルギー量を守る」、「脂肪をとりすぎない」、「良質なたんぱく質を適正にとる」、「食物繊維を十分にとる」。以上に気をつけ、食事内容を見直します。また、肝臓にたまる鉄分が増えると、肝機能が悪化したり、肝硬変や肝臓がんに進みやすくなりますので、1日の鉄分摂取量を6mg以下にします。


摂取エネルギーの目安

身体活動量 標準体重1kg当たりカロリー量
軽労作:デスクワーク、主婦など 25~30kcal/kg
普通の労作:立ち仕事が多い職業 30~35kcal/kg
重いい労作:力仕事の多い職業  35~kcal/kg

 エネルギーはBMIから算出した理想体重(身長 x 身長 x 22)に身体活動量を掛けて算出します。

エネルギー摂取割合

①脂肪量は全エネルギーの20%以下とし、特に飽和脂肪酸を控えることが推奨されます。
②タンパク質は1.0~1.5g/kgとします
③炭水化物は総エネルギーの減量に伴い、応分に減量します。
注)砂糖・菓子・ジュースなどに含まれる精製した糖類は、急激な血糖の増加を招き、中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させるので控え目にします。炭水化物は出来るだけ精製していない穀類等から摂るのが好ましい。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)食事療法を進めるポイント

①アルコールは肝臓での中性脂肪合成を高め,脂肪肝を悪化させますので原則的に禁酒がおすすめ。
②食事療法で、2~3kg/月程度で減量できれば理想的です。
③食事療法を継続していくポイント

  ⅰ)1日の必要エネルギーを決める
 まずは、現在食べている摂取量を算出します。そこから、現在の食事の何が問題なのかを考え、改善していきます。

ⅱ)エネルギー摂取量を控えるコツ
 油脂類(マヨネーズ、ドレッシング、フライ)などをできる限り避けるようにしましょう。ポテトも比較的エネルギーが高いため、摂りすぎに注意しましょう。

ⅲ)バランス良くとること
 和食の基本である「一什三菜」を参考に献立を考えると比較的、管理しやすくなります。

ⅳ)食事は規則正しく
 一日三食を、なるべく均等にエネルギーを配分するようにしましょう。できる限り欠食がないよう注意しましょう。朝、昼ナシで夕食に一気に食べると肥満の原因となります。