脂質異常症そして動脈硬化は「静かな暗殺者」と呼ばれるほど、致死性の高い疾患を引き起こす

脂質異常症(高脂血症)は万病の元

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が、多過ぎる病気です。血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質がとけこんでいます。 脂質異常症の症状は、基本的に何もありません。しかし、状態は静かに進行し知らず知らずのうちに狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの血管系の疾患を進行させてしまうのです。そのような疾患を引き起こしてしまっては、後の祭りです。脂質異常症と分かったら、しっかりと治療を行い、症状を引き起こさないことが重要と言えるのです。

脂質異常症は動脈硬化の原因

日本人の死因第一位は「がん」です。そして第2位と第3位は血管系の疾患である虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)です。この第2位と第3位はどちらも、脂質異常症が引き起こした動脈硬化によるものです。この第2位、第3位を合わせるとなんと全死因割合の実に3割を占めるのです。また、死因と申し上げましたが、運よく命をつないだとしても、心臓や脳に重い後遺症やリスクを抱えることになります。健康的な生活を送っていくうえで、血管の健康を考えることはとても重要なことなのです。 また、脂質異常症は動脈硬化を引き起こすと申し上げましたが、動脈硬化及び脂質異常症がさらに、血圧を高め高血圧を悪化させ、高血圧により腎臓の血管を傷め腎臓病の引き金となります。動脈硬化はさまざまな危険因子が重なり合って起こります。ですので、それらの危険因子を除いていけば、様々な疾患の罹患率を大きく下げることができます。

脂質異常症そして動脈硬化が引き起こす疾患

 脂質異常症そして動脈硬化は「静かな暗殺者」と呼ばれるほど、致死性の高い疾患を引き起こす原因となります。それは、脂質異常症や動脈硬化が進行し症状が出るまで、沈黙を守るのです。しかし、あるときそれは牙をむきあなたの命を危険にさらすことになるのです。
その、命を落とす原因となるのが以下のような疾患となります。

 2次疾患リスク要因      脂質異常症の2次疾患
心臓に大きな負担がかかる 心肥大、心不全、高血圧
臓器組織が正しく機能しなくなる 心筋梗塞、狭心症
脳梗塞
下肢閉塞性動脈硬化症
臓器組織が壊死する
血管が破れやすくなる くも膜下出血等の脳疾患

脂質異常症(高脂血症)が病気のリスクが高めます

 心筋梗塞や脳卒中など虚血性疾患の原因は、脂質異常症(高脂血症)と言われています。
この脂質異常症(高脂血症)になる背景としては、
 ①肥満(特に内臓脂肪型肥満)
 ②高血圧、脂質異常症(高脂血症)
 ③耐糖能異常(糖尿病とその境界型)
 心筋梗塞、脳卒中等の虚血性疾患の3大要因と言われています。

 脂質異常症(高脂血症)にならない為にも上の条件が3つ以上そろわない様に注意しましょう。もう既に3つ以上揃った方も大丈夫!ちゃんとお医者様の診察や薬で改善する事ができますが、一番大切な事は、普段の食生活やライフスタイルの見直しです。暴飲暴食、アルコールを多く摂取する人は特に注意してください。ある研究によりますと上記に上げた条件が3つ以上ある方の虚血性心疾患や脳卒中になる可能性が、いずれも正常な人の約36倍以上になるといわれています。なので放置しないで、しっかり治療をしましょう。