糖尿病の95%を占めるⅡ型糖尿病の予防は、食事と運動などと言った生活習慣の見直しにより可能です。

どう予防する糖尿病~予防は生活習慣の見直しから~

糖尿病の種類は様々ですが、糖尿病の95%を占めるⅡ型糖尿病の予防は、食事と運動などと言った生活習慣の見直しにより可能だといわれています。特に、肥満度が高ければ高いほど糖尿病罹患のリスクは高くなるという統計結果も出ています。肥満度は、皆様もお聞きになったこともあるかと思いますが、BMIを利用することが一般的です。BMIの数値が22であると最も疾患のリスクが低くなるといわれています。BMIと標準体重は以下のような計算式で算出することができます。

BMI=体重(kg)/(身長(m)×身長(m))

標準体重=(身長(m)×身長(m))×22

スリムチェッカーで簡単にBMI肥満度を計算できます!
BMIについて
肥満指標BMIを利用するに当たっての注意事項。

WHOが推奨し世界的に肥満の指標となっておりますBMIですが、高肥満状態が虚血性疾患や糖尿病などの生活習慣病の発生リスクが高くなるという研究結果はありますが、BMI値を適正値(22)に近づければ絶対に健康で病気をしないと保証するものではありません。あくまでも統計的な手法で出した適正値であり適正値に近づける事に加熱しすぎないようご注意ください。ただし、適正値である22から大きく乖離されている方は痩せる(太る)ように食生活や運動など注意するようにしてください。
肥満を体重と慎重で表現するのに限界があるのも事実です。生活習慣病で特にリスクとされている内蔵脂肪が高い人(痩せてるが内臓脂肪が高い人)やスポーツマンなど筋肉質な人などおりますので、健康増進の面から肥満判定をする際には、BMIの他に体格や血液検査やCTなどの検査結果を複合的に評価しする事が好ましいかと思います。

糖尿病を防ぐ食事

糖尿病を防ぐうえで食事は重要な要素の一つです。糖尿病を予防するうえで重要な事は、食べ過ぎないこと、偏りなくバランスよく食べる事が重要です。以下に、糖尿病予防10箇条を参考にどうぞ。

糖尿病 予防10箇条

1)野菜はたっぷりとろう

野菜に含まれる食物繊維は、肥満を防ぐ働きをします。健康日本21では、国民の健康づくりのために野菜を1日に350g(写真参照)以上とり、このうち緑黄色野菜を120g以上とることを目標としています。

2)食事は決まった時間に、時間をかけて食べよう

朝食を抜いたり、食事時間が不規則だったり、寝る前3時間の間に食べるのはよくありません。ゆっくりよくかんで、一家団らん、会話を楽しみながら、時間をかけて食べましょう。

3)甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない

甘いものや脂っぽいものは太りやすい食品です。食べ過ぎに気をつけましょう。

4)ひとり分ずつ、取り分けて食べよう

大勢で大皿から食べると、どのくらい食べたかわかりづらいため、たくさん食べてしまいがちです。

5)薄味にしよう

濃い味のおかずはごはんをたくさん食べてしまいがちです。素材の味をいかした薄味料理を。

6)ながら食いはやめよう

テレビを見ながら、新聞を読みながらといったながら食いも、食べた量がわかりづらいもの。またよく味わえないため、満足感もありません。

7)多いときは残そう

多いと感じたら、無理せずに残しましょう。

8)お茶碗は小ぶりのものを

お茶碗を小さくすると、1膳の量が少なくなるため、食べ過ぎを防げます。

9)調味料はかけずにつける

マヨネーズやドレッシングは、油が多く、太りやすい食品。お醤油などの塩分は、高血圧の原因になり、糖尿病を悪化させます。直接料理にかけず、小皿にとってつけましょう。

10)食品のエネルギーを知ろう

毎日食べるものがどのくらいのエネルギーなのかを知り、食品を選ぶときや食べるときの参考にしましょう。

糖尿病を防ぐ運動

糖尿病を防ぐには、無理のない適度な運動も必要です。食事だけでコントロールすることは身体に負荷をかけるだけではなく、「隠れ肥満」を生み出します。「隠れ肥満」とは、見かけや体重は太っていないのに、内臓脂肪や皮下脂肪が増え体脂肪率が高くなった状態をいいます。また、この「隠れ肥満」の状態は、基礎代謝量と言われる、生命を維持するために必要なエネルギー消費量を減少させ肥満を増長させてしまいます。
 運動を習慣化することで、身体についた中性脂肪を落とし、基礎代謝量の高い身体づくりをすることができます。運動は、運動をしていて「きつい!」と思うようなものは必要ありません。毎日のウォーキングでも良いのです。

糖尿病を防ぐ 運動の工夫

  1. 外出するとき、少しだけ早めに歩く
  2. 遠回りして歩く距離を増やす
  3. 買い物は歩いて、買いだめをせずこまめに行く
  4. 3階までなら階段を使う
  5. 1日1万歩を目標に歩く
  6. 週に1度くらいは、隣の駅まで歩いてみる
  7. 周囲の風景などを楽しみ、観察しながら歩く
  8. テレビを見ながら、ストレッチをする
  9. 泳げなくても、水中を歩く

目標は1週間に23エクササイズ!

厚生労働省が策定した「エクササイズガイド2006」では、1週間の間にどれくらい運動を行えばいいかについて下記のように定めているんだ。 ふだん、あまり体を動かしていない人は、現在の自分の身体活動量に応じた目標を設定し、日常生活において体を動かすことを増やすことからはじめてみよう。

●目標は1週間に23エクササイズ!

①身体活動の強さ「メッツ」に、その身体活動を行った時間をかけて運動の量「エクササイズ」を計算する
 【メッツ×時間=エクササイズ(メッツ/時)】
②1週間のエクササイズの合計が23エクササイズ以上を目標に!
③そのうち4エクササイズ以上は活発な運動を!

※ここでいう、身体活動、運動、生活活動とは…。

身体活動
安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての動きのこと。
運動
身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。
生活活動
身体活動のうち、運動以外のものをいい、職業活動上のものを含む。

運動や生活活動には次のようなものがあります。

強度 運動 生活活動
3メッツ 軽い筋力トレーニング(20分)
ボーリング(20分)
歩行(20分)
屋内の掃除(20分)
4メッツ 速歩(15分)
ゴルフ(15分)
自転車(15分)
子供と遊ぶ(15分)
6メッツ 軽いジョギング(10分)
エアロビクス(10分)
階段昇降(10分)
8メッツ ランニング(7~8分)
水泳(7~8分)
 重い荷物を運ぶ(7~8分)

※( )内は1エクササイズに相当する時間。
3メッツの歩行を1時間行った場合…3メッツ×1時間=3エクササイズ(メッツ/時)
6メッツのエアロビクスを30分行った場合…6メッツ×0.5時間=3エクササイズ(メッツ/時)