トブラマイシンの基準値
生化学血液検査項目 | 基準値(参考値) | |||
生化学血液検査名称 | 略称 | 数値 | 単位 | |
tobramycin | Peak 5~8 Trough 2 以下 |
μg/ml |
トブラマイシン検査の目的
トプラマイシンは、緑膿菌、変形菌などに有効なアミノグリコシド系抗生物質。腎障害をきたすおそれがあり、血中濃度測定は有用。
トブラマイシン血液検査 薬剤の作用
トプラマイシンは、細菌のタンパク合成阻害により抗菌作用を発揮し、その作用は殺菌的である。アミノグリコシド系抗生物質は体内では代謝されず、また経口投与ではほとんど吸収されない。正常成人に筋注した場合、30~60分で最高濃度になり、半減期は約0.5~8.6時間である。ほとんどが糸球体での濾過により排泄されるため、腎機能低下状態では排泄が延長するので注意を要する。腎機能が正常な者では6~8時間以内で60~85%が尿中に排泄されるが腎不全患者では半減期が50時間に達することもある。腎不全や長期投与患者、大量投与患者では第Ⅷ脳神経障害により聴力障害の危険性が大きくなる。このため血中濃度測定で適量を維持するとともに、必要に応じて聴力検査を実施するのが望ましい。腎機能障害に対しては定期的に尿沈渣等で経過をみながら投与する。
トブラマイシン血液検査 薬剤の副作用
トプラマイシンの副作用は、 ショック、急性腎不全、腎機能障害、第Ⅷ脳神経障害、過敏症、肝機能障害 など
トブラマイシン血液検査 禁忌
トプラマイシンの禁忌は、本剤の成分、アミノグリコシド系抗生物質またはバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しない。
その他の血球検査項目
血清血液検査項目 | 備 考 | |
メトトレキサート | メトトレキサート血液検査は、白血病、絨毛性疾患の治療に使われる葉酸代謝拮抗剤。著明な骨髄抑制と腎毒性があり血中濃度測定が重要。 | |
ジゴキシン | ジゴキシン血液検査は、代表的なジギタリス性強心配糖体。とくに腎機能が低下した患者で至適投与量を知るために血中濃度を測定。 | |
シクロスポリン | シクロスポリンは、免疫抑制剤。臓器移植や自己免疫疾患に用いられる。経口投与時の血中濃度推移には個人差が大きいため、濃度測定を行う。 | |
タクロリムス | タクロリムスは、FK506とも呼ばれる免疫抑制剤。シクロスポリンより選択的にT細胞の活性化を抑える。主に肝・腎・骨髄の移植時で拒絶反応の抑制に有効。 | |
バンコマイシン | バイコマイシンは、MRSAに有効なグリコペプチド系抗生物質。腎機能障害患者で排泄率が低下するため血中濃度測定が有用。 | |
アミカシン | アミカシンの血液検査は、ゲンタマイシン耐性緑膿菌等に効く抗生剤。血中濃度測定で腎毒性、聴神経障害を予防。 | |
トブラマイシン | トプラマイシンは、緑膿菌、変形菌などに有効なアミノグリコシド系抗生物質。腎障害をきたすおそれがあり、血中濃度測定は有用。 | |
アルベカシン | アルベカシンは、メチシリン・セフェム耐性の黄色ブドウ球菌に有効なアミノグルコシド系抗生物質。腎機能低下者での副作用発現に注意。 |