シクロスポリンは、免疫抑制剤。経口投与時の血中濃度推移には個人差が大きいため、濃度測定を行う。

シクロスポリン-病院で行う血液検査

シクロスポリンの基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
  cyclosporine 50~200 ng/ml

シクロスポリン検査の目的

シクロスポリンは、免疫抑制剤。臓器移植や自己免疫疾患に用いられる。経口投与時の血中濃度推移には個人差が大きいため、濃度測定を行う。

 

シクロスポリン血液検査 薬剤の作用

シクロスポリンは、腎移植、骨髄移植等によく用いられる免疫抑制剤である。リンパ球の増殖やサイトカインの産生を抑制する作用をもち、代謝物または未変化体の形で尿中または胆汁中に排泄される。経口投与時の吸収は一定しておらず、個人差が大きい上、多様な副作用が認められるため、血中濃度測定の意義はきわめて大きい。 腎移植後、腎機能が安定した10名の患者に経口投与したところカプセルで投与後1.5時間、内服液で1時間に最高濃度に達したという。

 

シクロスポリン血液検査 薬剤の副作用

シクロスポリンの複座用は、ショック、腎障害、肝障害、中枢神経系障害、神経ベーチェット病症状、感染症(重篤な細菌、真菌、ウイルスによるもの)、急性膵炎 など

 

シクロスポリン血液検査 禁忌

シクロスポリンの成分に対し過敏症の既往歴のある患者、タクロリムス投与中の患者、(内服)妊娠または妊娠している可能性のある婦人、(注射)妊娠または妊娠している可能性または授乳中の婦人には投与禁忌となっている。

 

その他の血球検査項目

血清血液検査項目 備  考
メトトレキサート メトトレキサート血液検査は、白血病、絨毛性疾患の治療に使われる葉酸代謝拮抗剤。著明な骨髄抑制と腎毒性があり血中濃度測定が重要。
ジゴキシン ジゴキシン血液検査は、代表的なジギタリス性強心配糖体。とくに腎機能が低下した患者で至適投与量を知るために血中濃度を測定。
シクロスポリン シクロスポリンは、免疫抑制剤。臓器移植や自己免疫疾患に用いられる。経口投与時の血中濃度推移には個人差が大きいため、濃度測定を行う。
タクロリムス タクロリムスは、FK506とも呼ばれる免疫抑制剤。シクロスポリンより選択的にT細胞の活性化を抑える。主に肝・腎・骨髄の移植時で拒絶反応の抑制に有効。
バンコマイシン バイコマイシンは、MRSAに有効なグリコペプチド系抗生物質。腎機能障害患者で排泄率が低下するため血中濃度測定が有用。
アミカシン アミカシンの血液検査は、ゲンタマイシン耐性緑膿菌等に効く抗生剤。血中濃度測定で腎毒性、聴神経障害を予防。
トブラマイシン トプラマイシンは、緑膿菌、変形菌などに有効なアミノグリコシド系抗生物質。腎障害をきたすおそれがあり、血中濃度測定は有用。
アルベカシン アルベカシンは、メチシリン・セフェム耐性の黄色ブドウ球菌に有効なアミノグルコシド系抗生物質。腎機能低下者での副作用発現に注意。